龍神と繋がる旅『魂の宮古島 その④』
「次は○○の井(ガー)へ行けって」
車に乗り込み 神様から指定されたガーへ行きます。
そこは森へ続く道の奥にあり
洞窟でした。
とりあえず車を洞窟入り口に横付けして車を降ります。
眩しい陽射し 風にそよぐ木々 小鳥たちのさえずり。
近くに川が流れているようで
ザーザーと水の流れる音が気持ちよく。
車の後方から みんなそれぞれ
御供えや神事に使う道具を持ち
洞窟の入り口に向かうと・・・・
それまで聞こえていた音が
突然 消えました。
木々を揺らす風の音も
小鳥のさえずりも
信じられないことに
水の流れの音までも消えたのです。
「え?なんで・・・・・?」
ともさんは至って冷静で
「消えたね~^^」
いやいやいやいや!
あり得ないでしょ!
百歩譲って風の音や小鳥のさえずりが聞こえなくなったとしても
川の水音まで消えるなんて?!
いったい何が起きているのかしら(汗
理由はわからなかったけど
ともかく古い石造りの階段を降りて
洞窟の下まで向かいました。
「地底人がたくさんいる」
ほらここにも!
あそこの壁にも!
私以外の人たちには地底人が見えるらしい
なんで私には見えないかな。
洞窟の底は 少しの水が溜まっているだけで
流れもなく澱んでいました。
奥は暗く ちょっと怖いな・・・・。
本来は水が流れていたであろう場所に
不自然な石碑が建っていました。
その裏には鉄板で塞がれた井戸のようなもの。
「ここに封印されてる」
「うん。龍が・・・だね」
ともさんと なみさんは
その下に何がいるのかわかっているようでした。
なぜ封印されたのか?
ここの龍神がいると ビジネス的に拙かった。
邪魔をさせないように封印したと。
宮古島はリゾート地として開発が未だに進んでいます。
次々と建つホテルやゴルフ場。
人間の娯楽の為に邪魔な存在は
封印しておとなしくさせてしまおうという
人間の浅ましい思惑が
このような暴挙に走らせたのでしょう。
そのような力を持った人間も
お金の魔力に打ち勝てず
宮古の自然と神を封印してしまった。
その封印を前に私は初めてこの旅の真の目的を知ることになったのです。
「宮古島の龍神や精霊たちは
いま次々と死んで行ってるの」
化学薬品や農薬
効率の良い開発という名の自然破壊。
それらによって 神々の力は弱まり
もう宮古島のユタたちの力だけでは
再生出来ないところまで来ている。
必死の思いで
内地の人間に助けを求めた。
「龍神の水を繋いで・・・」
日本全国から集められた龍神の水を
宮古島に集めて
宮古島の水を 龍神を復活させるために。
ともさんと なみさんの指示に従って
私たちはお供えをおき
水を出しました。
「このお水ね。全国から集められた龍神の水なんだよ」
ともさんが宮古島へ行くと知った大勢の方々が
「このお水を持って行ってださい」
渡してくれたのだそう。
さっきのガーで撒いた水もそれだった。
私は普通の水だと思っていたけど
たくさんの想いがこもった
大切な水だったんだ。
「さあ!封印を解くよ!」
明るく元氣なともさんですが
私は緊張していました。
初めて 封印を解く神事に関わることになるのですから。
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