『カメラを止めるな!』鑑賞の追憶

完全にネタバレですので、ご注意を!

私が映画『カメラを止めるな!』を初めて見たのは昨年(2018年)の8月8日。大きな映画館でかかるようになってからだ。それから映画館では12回観たが、母の介護をしている関係で家の近所にしか行けず、観たのは全て六本木ヒルズのTOHOシネマズ。1回目は、既に名古屋で観ていた妻の勧めで一緒に行き、後は数人の友達を誘った。同じ人と2、3回ずつ。一人で行ったことは一度もない。

妻からは、最初の30分はワンカットのゾンビ映画だとだけ聞いていた。上映が始まり、怒鳴り散らす劇中の監督が怖いなと思った。なんか不自然なのはワンカットだからだろうかと考えているうちに話は進み、監督が殺されたらエンドロールになった。この後どうなるのだろうと思っていると、始まった。

何かの撮影シーンだ。最初にゾンビになった人が俳優で、目薬をつけて泣いたりしている。さっきの怖い監督がなんか優しい感じだな。ものすごく面白い顔のおばさんが出てきた。だんだん事情がわかってくる。これは最初のゾンビ映画を撮る映画なのか(正確にはテレビ番組だが)。

監督の家のシーンでは、ワンカットで大暴れしていたメイクさんが奥さんだったり、あまり関係のうまくいっていない娘がいることもわかる。その後、出演者の顔合わせ、リハーサルがあり、いざ本番へ。

ここからは爆笑に次ぐ爆笑。何だそういうことだったのか!の連続。ゾンビになった酔っ払いカメラマンにゲロを浴びせられる助監督。監督に支えられて、ガラスの割れた窓から顔を覗かせるゾンビ。用を足しながら、泣きながらゾンビメイクをされる録音マン。派手にすっころぶカメラマン助手。最後は血だらけになったヒロインを、みんなで作ったピラミッドから撮影。すげえ、おもしろかったあ!

さて、そこで湧き上がる数々の疑問。これはどこまでが映画なの?監督はあの人なの?最初のワンカットはどうやって撮ったの?

それから私はネットなどでいろいろ調べまくり、本当の監督は別にいること、ハプニングを含めてほぼ全て台本で決まっていたことなどを知る。それでも私はしばらくの間、最初のワンカットは劇中で撮っていた腰痛カメラマンの映像かと思っていた。

落ち着いてちゃんと見ればラストのエンドロールでは本当のワンカットのメイキングが映っているわけだし、ピラミッドならぬ脚立も登場しているのだが、そのフェイクのメイキングがあまりにもよくできているのと、あんなワンカットを何テイクも撮れるわけがないという思い込みから、真相にたどり着くまでには数回観る必要があった。

3回目くらいに観た時、最初のシーンでゾンビに殺された女優の、ゾンビの肩に載せた顔、その目にドキッとした。この子、かわいくない?秋山ゆずきちゃん。その後、観るときはその女優の出るシーンは画面に釘付けになる。あんなに怒鳴られてかわいそう。でも、めちゃめちゃ演技うまい。声もかわいいし、よく通るし、台詞回し、タイミングも抜群。

『カメ止め』では、私は特にポニーテールのゆずきちゃんがお気に入り。タンクトップ姿はもちろん、会議室で台本を持っている時や、外でリハをしている時も。「よろしくでーす」言われたい(笑)。

とにかく、昨年の8月以降、私の人生は変わったと言っても過言ではないかもしれない。こんな映画に出会うとは思わなかった。永遠に語り継がれる名作。この面白さは万国共通。世界中でポン!デミックを起こしてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?