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あなたの嘘はどこから?

割と平気で嘘をつく側の人間である。嘘をつくという性質は後天的に獲得するものだ。これまでの人生においてどこかの段階で必要だったから、どこかの段階で嘘をつくことによるメリットを享受したから、嘘つきというスキルを手にしたのだろう。あなたの嘘はどこから?と自問してみる。

まず思い当たるのは、見栄っ張り、強がりという性格由来の嘘だ。寂しいのに寂しくないよと言う、分からないのに大丈夫だよと言う、そういう嘘を重ねてきたように思う。どうしてそうなったのかとまた深堀りしてみるに、おそらく『長男』という役割を求められたことに起因するのではないかと思い当たる。長男なんだからちゃんとしなきゃいけない、男の子なんだから強くなきゃいけない、求められる役割と現実のギャップ。そこを埋めるために嘘が必要だったのかもしれない。あくまで仮説だが、割と芯を食っているような気がする。

次に思い当たるのは、嘘が笑いに繋がったという体験だ。相手がえ?と騙されるような小さな嘘をついて、嘘だよ冗談だよとバラす。とてもシンプルな笑いの構造だ。少なくとも小学校低学年の頃には、そうやって友達の笑いを取っていた記憶がある。嘘をつくことが笑いに繋がるという成功体験、更に笑いを得るためにと嘘のスキルは磨かれた。最終的に演劇を経てお笑い芸人になるまでに至る嘘の道である。

自分を強く見せるため、弱さを隠すための嘘と、目先の笑いのための嘘。小さい頃に植えたこの2つの種から育った嘘の木が絡まりあって、割と平気で嘘をつく自分が醸成されたように思う。社会規範的に嘘はよくないものだとされがちだが、あまりにも清廉潔白、公明正大に正直でいることが求められ過ぎるのも息苦しいものだ。嘘つきは嘘つきなりに、私は嘘つきですと正直に生きていきたいものですね。

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