【ショートショート】カラーコンタクトマン
「彼って、カラーコンタクトマンなのよね」
観覧車に乗っている時、彼女が突然そう言った。しみじみとした、感慨深げな言葉に、僕はどう返すのが正解だったのだろう。
そもそも、二度目のデートで観覧車になんか、乗るんじゃなかった。僕はあまり口の達者な方じゃない。ましてや、彼女と狭い空間で二人きり。緊張のあまり、何を話せばいいかわからなくなってしまった。それに加えて、自分が高所恐怖症だったということに、ゴンドラに片足を掛けた瞬間、気が付いた。散々並んだ後で、やっぱりやめようなんて言え