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HANOWAの組織図の話です

こんにちは!HANOWA南部です。
当社で初めて「組織図」を作成したので、その背景や狙いをこちらにまとめます。

当社スタッフは、意図を把握した上で日々の業務や立ち振る舞いに活かしてほしいです。 また当社へ関心を持っていただける方は、当社の理解のための手立てとされてください。

検討のアウトプットは[組織図]となりますが、その過程には[組織戦略]や[組織設計]の構築が必要です。本記事は、株式会社HANOWAの組織に関するそれらすべてに関する令和6年6月23日時点の方針です。


▼令和6年6月23日時点の株式会社HANOWAの組織図

CxOを書いてないのは、現時点でいないからです。mm

組織図を作成するに至ったきっかけと必要性

未来で振り返った時に懐かしめるように、と、忘れないように、ちょっとだけエピソードトーク。 完全に社内向けなので、本章スキップしてもらってOKですm(_ _)m

きっかけは「僕どこのチームですか?」

当社は令和6年5月18日(金)に各部門長参加の上、初の経営合宿を行いました。 OKR講師を招き、全社OKR・部門OKR・個人OKRを定義し、3ヶ月ごとのサイクルを回す運用設計。そこで部門OKR検討の時間にて、エンジニア福田さんから「僕どこのチームですか?」と質問あったことがきっかけの一つ。
これまで組織図は、銀行融資時に活用するレベルの簡易資料程度は用意はありましたが、スタッフに開示するレベルのものはありませんでした。
代表の新井と私とでほぼ全部署のmtgに参加でき、情報共有と業務指示、優先度判断が可能な状態だったためです。
ただ経営合宿全社的にて目線合わせを行い、課題を共有。部門のOKRを検討するとなると、どの役割(部門)でどの範囲のOKRを検討すべきか判断ができない状況になりました。
自身の持ち場が定義できておらず、意見を求められる状況は、やもすれば車輪の再開発を招くOKRが生み出されます。また、新井南部で全部署のmtg参加しと書きましたが、合宿間際では組織の速度に、情報伝達や意思決定の速度が追いつけなくなっていたのも事実。
そうした背景で、部門に対するkpiを定義する声も出てきてました。

そして「この問題は、誰に相談したらいいですか?」

この質問をいただくこともちょいちょい増えましたmm
これまで何かあればmtgで定期的接点のある新井や南部が他部門との接続を行ってきました。が、フェーズが徐々に変わりプロジェクトの粒度が徐々に大きくなってくる。数が増えてくる。
そんな状況では、スタッフの大人度と言いますか、問題を自身で解決しようとする態度からくる質問で、「この問題は、誰に相談したらいいですか?」という質問が増えてきました。
フェーズにマッチできてないAs Isの組織体制として、部門間の自主的な連携ができない状況(問題)は当然の産物でもあります。(よくここまできたもので)

ディセントラライゼーションを目指す!

↑上記の背景で、早速合宿時の南部の個人OKRでは【みんなが行動できる組織図の作成】が確定されました。
明確な部門の自律。各部門で改善を繰り返せる体制を作ることを目指し、本件の着手のきっかけとなりました。
これまでの新井南部の属人的な状況伝達と意思決定体制から、各部門がその他部門に対する組織の地図を手にいれ、自身で情報収集ができ、関わる意思決定とPDCAの改善を回せる状態を構築すること、がゴールとなります。
そして、組織図構築の目的(To Beの組織体制の理想の状況)は下記です。

組織図構築の目的

  1. 部門間の[インタラクティブ性]の向上

  2. 課題解決の総量を多くし、より強い[推進力]を得ること。

組織図の基本構成

冒頭で触れましたが、検討のアウトプットは[組織図]となりますが、その過程には[組織戦略]や[組織設計]の構築が必要です。その詳細について記載します。
まず組織の概念図。

紫:市場、緑:直接部門、黄色:間接部門

1.組織の向き先を整理した

[組織図構築の目的]をご覧の通り、「組織図」 とインターネットで検索して出てくるものに、なんとなくウチの状況を記載すれば解決するような状況ではないです。
部門、そしてスタッフ個人がHANOWAの全容を把握し、問題解決の手段としての連携を促さなければなりません。その前提で定義したことは「組織の向き先」の整理であり、なんのためにHANOWAという組織があるのか、でした。
これによりスタッフは、どこまで視野を広げ視座を高めた上で、問題を捉えなければならないのかの目線が揃うと考えてます。そして目線が合致しているからこそ、部門間の相談が認識齟齬なく会話され課題解決に向かって進んでいくと考えています。

[組織]の向き先は、市場

概念図の通り、株式会社HANOWAは、

  • 資本市場

  • 採用市場

  • 顧客市場

この3つに向き合っています。
[資本市場]から資金を調達し、[採用市場]から人材を調達し、[顧客市場]に対して課題解決という価値を提供する。その対価として、報酬を受け取り、[資本市場]や[採用市場]に還元していく。

そして、このように社会の大きなうねりの中で、市場と市場の仲介に立ち、それぞれの市場と事業や営みを通した等価交換を行い社会全体の発展に貢献すること。それを組織の存在意義と捉えました。

HANOWAは現在HRプラットフォーム事業(いわゆる”すきまバイト事業”)を運営してますので、歯科HR市場がサービスの市場になります。
歯科HR市場(顧客市場)の課題が解決され、TAM、SAM、SOMの流動性が高まること、規模が拡大すること、結果市場が「成長することで」、HANOWAは対価を得て[資本市場]や[採用市場]に大きなリターンを還元できるようになります。
市場と市場の仲介に立ち、それぞれの市場とHANOWAが事業や営みを提供し等価交換を行う組織体がHANOWA。 であれば、HANOWAを構成する「部門」や部門を構成する「人」もまた市場と市場の仲介に立ち、それぞれの市場と事業や営みを提供し等価交換を行う存在です。
よって役職役割に関わらず、全部門と全スタッフの目線と視座は[顧客市場]や[資本市場]、[採用市場]であるべき、と定義します。

2.部門の属性を定義した

市場にどう関わるかを基に、2つの属性に切り分け「直接部門」と「間接部門」を定義しました。

直接部門:市場と直接的に関わるチーム
直接部門の役割は、目の前の市場の課題から逆算したタスクを担当することです。

  • 資本市場: 「資本家」にどのような価値を提供するか。

  • 採用市場: 「個人」にどのような価値を提供するか。

  • 顧客市場: 「顧客」にどのような価値を提供するか。

間接部門:市場と間接的に関わるチーム
間接部門の役割は、直接部門の課題から逆算したタスクを担当することです。

  • 組織の状態: 市場の課題を解決するに最適な組織バランスか。

  • 事業の内容: どのような事業を行いたいか。

  • 事業の成長: どのように事業を成長させたいか。

インタラクティブさにルールを設ける

  • 「みんなが行動できる組織図」が目的

  • 組織の地図を手にいれ「自身で情報収集」ができる

  • 部門単位で「意思決定とPDCAの改善を回せる」状態を構築する

と表現はしてますが、無秩序は避けたいと考えています。
情報が相互に行き交うことで、部門間のリソースの行き交いも発生しやすくなります。その際、部門という1つの軸だけでなく、「市場にどう関わるか」という軸(「直接部門」または「間接部門」)を追加し、組織のバランスを維持しようとしています。
2つに切り分けた論理は、部門を横並びに見渡した際に「(狭義での)業務の対象が異なる」という違いが最小公約数だと考えたためです。

  • 直接部門の対象: [市場]、そして相対する[市場の種類]

  • 間接部門の対象: [直接部門]含む組織全体

という違いが大きいと考えた、です。

スタートアップという非連続さを兼ね備えた組織では、事業の成長に組織の成長が追いつけず、組織内のリソースの取り合いや青天の霹靂的なkpiの新設など一定発生すると思っています。
そのような状況の際に、部門という職能の軸と、属性という役割の軸を整備できていることで、責任の所在と立場が明確になり、無秩序な配置や設計が低減され、結果部門からのアウトプットの質が瓦解しにくくなる(スタッフ個人も尊厳が守られやすくなる)と考えています。

3.マトリックス組織図を採用した

マトリックス組織図についての詳細は、良さげな記事見ていただくのが早いです。以下のリンクにまとめられていますので、どうぞ!

マトリックス組織図、要はエクセルをイメージしてください
エクセルの[列]と[行]で構成される拡張性と、スタートアップ(HANOWA)の拡張性をアラインさせるための組織設計です。
そして問題が発生したら解決のために、関数(部門協働)を設計し、セル(部門)とセル(部門)がスムーズに連携し、解決を図る。
このような背景でマトリックス組織の導入を決め、組織図を透かしてみるとその先に[顧客市場]や[資本市場]、[採用市場]の課題解決や成長が透けて見えるような存在として活用したいと思っています。

組織図の活用と今後の展望

今回はHANOWA組織図v1.0.0だと思っています。今後以下の方針のアップデートを考えています。

1. 組織図運用規定の整備

定期的な見直しは、人事チームだけでなく、経営陣マターとして見直しを行います。 常に組織図を最新の状態を保つことで組織全体の運営効率を高めることを目指し、そのための改善を未来に繋げていけるよう運用規程を定めていきます。

2. 部門のミッションを定義

組織図はあくまで枠組みの整理であり、日々の業務で活用するには、各部門が明確なミッションを持つことでより実態としての威力を増すと考えています。
そしてスタッフ一人ひとりが自分の役割を理解し、日々の業務で所作や態度を立ち戻れる軸となり得ると考えています。そのような部門ミッションをこれから検討したいと思います。

3. (仮名称)委員会制を新設し相互のチェックアンドバランスを保つ

コーポレートガバナンスコード、つまりは持続可能な成長と中長期的な企業価値の向上を目的に、組織設計・構築においても各部門が自律的に機能しつつ、相互にチェックアンドバランスを保てる観点を構築します。
参考にしたのは日本の組織規定の最高機関、日本国憲法による三権分立(行政・立法・司法)です。

  • 行政権: 経営戦略を実行する権限として、日常の業務執行と意思決定を行う役割。部門長やプロジェクトリーダーを中心に担当。

  • 立法権: 組織設計や方針策定を行う権限として、長期的な戦略立案や新規事業の企画を担当します。経営企画部や戦略部門がこの役割を担います。

  • 司法権: 事業の根拠法令や社内規定に基づき、問題解決やコンプライアンスを監督する役割。コンプライアンス部門や内部監査部門がこの役割を担います。

このような委員会の設置、そして相互に牽制が効く体制を構築することで、部門単位でも持続可能な成長の体制を目指していきたいと考えています。

全ての部門は市場に通じ、全てのスタッフは市場に通じる

本件を通して想う個人的なメッセージとしては、スタッフみんな一人ひとりが「自分がどの市場に対して、何を提供し、何を享受しているのか意識し続けてほしい」です。
時には市場全体が沈むかもしれませんし、市場に対するソリューション(ここではHANOWAの事業や営み)がイケてない状況になるかもしれません。
そんな時は、HANOWAを見捨てて転職することも選択肢です。
このように個人の身の振り方にも転換できる話だと思ってて、自分ごと化の起点はそうした観点で良いと思ってます。結果、市場に向き合うという高い視座と広い視野を持った意思決定は間違いなく揺るぎないもので、あなたを強くします。

逆説的にその検討は、株式会社HANOWAに貢献します。
これまで記載したように市場に向き合うことは、HANOWAの未来を考えることと同義の意味合いだからです。
そして、そんな高い視座と広い視野を持った人材がいる組織は絶対に強い組織です。

一人ひとりの高い視座と広い視野から生み出される強い意思決定と日々の業務に支えられ、HANOWAという組織がより強くなると信じています。

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