【詩】あお9 鉄塔
昏れ時の車窓を見ていた
鉄塔が次々と現れては流れていく
リレーされた電線が どこまでもつながっている
街並みから頭ひとつ飛び出た鉄塔たちは
昏れる夕日に祈りを捧げる巨人のようだ
月日が流れ 人類の世紀が過ぎ去った後 この光景を目にしたものがいたなら どんなことを思うのだろうか?
そんな未来を待たなくても
日が昏れてから
こっそり鉄塔たちに訊ねてみればいいんだよ
わたしにも聞こえるだろうか?
聞こえるよ
君が そう望むのなら
窓の向こうの鉄塔たちに向けて
おおーい とわたしは心のうちで呼びかけてみた
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