雨ニモマケヌ 天然パーマと雨と僕
石原龍二
2020/11/14 13:19
外へ出ようとドアをあけたその瞬間、天然パーマが悲鳴をあげた。
「あ……雨ふってる!」
天然パーマに雨はつらい。どんなに完璧にセットした髪型も、知らぬ間にゴミ屋敷のようにグチャグチャになってしまう。外出予定の日に暴風雨が吹き荒れようものなら、もはや世界の終わりだ。頭上の世界がみるみる地獄絵図と化していくのを、己の無力さに絶望しつつ呆然と立ち尽くすよりほかにすべがない。
だから僕は雨の日の外出が嫌いだった。
しかし、とあるキャッ