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オンラインワークショップの成功の秘訣

こんにちは!中小製造業応援団のたつみ(@tatsumi_vicyp)です。

何でもオンラインになってきましたが、ワークショップをオンラインにするのは抵抗があったり失敗したりと、難しいという話は聞きます。先日マネジメントワークショップをオンラインで実施しましたが、実施が決まるまですったもんだありました・・・。オンラインでワークショップまで行かなくても活発なディスカッションができないとキツイですよね。どうすれば上手く行くか、まとめてみますので参考にしてください。

なお、この記事でのワークショップは「企業において、決まったテーマに関して様々なアイディアや考え方をぶつけ合って、テーマに関する問題解決や合意形成、自己学習を行う場」と考えてください。ワークショップには作業場という意味があり、ものづくり体験などもワークショップと言いますが、それは今回は対象外とさせていただきます。

そもそもワークショップは何のためにする?

ワークショップは、大まかには冒頭で書いたように「問題解決」「合意形成」「自己学習」の3つをまとめて行うこと場です。その背景も含めて具体的に説明します。

①ワークショップの特徴

一言で言うと「討議主体でみんなで何かを作り上げる」という特徴があり、もう少し具体的には4つの特徴があります。

<ワークショップの特徴>
・個人ワークがあっても、メインは参加者が積極的に意見を出し合う場
・参加者の「理解」ではなく「思考」「共有」を重視
・アイディアや考え方を出し合い、新たなものを生み出す
・意見を何かの形に表す

②ワークショップの実施目的

上記ワークショップの4つの特徴があるため、以下のような効果が狙えます。

<ワークショップの効果>
・質の高い解決策・実行策が出る
・自分たちで考えたことなので、当事者意識高くスピーディに取り組める
・合意形成があるので、関係者の足並みが揃いやすい
・「自ら考えて自ら実行する」ので、成長に繋がる

つまり「問題解決や戦略立案を、みんなで考えていいアイディアを出し合い、当事者意識高く決まったことを実行しよう。それが参加者の成長にも繋がる」が実施目的となります。

オンラインで既存のオフラインワークショップを置き換えるのはムリ

オフラインで実施するときには、「活発に議論する」「場を暖めて共有する」「意見を書きまくった上でまとめる」といったことをポイントに上げて実施しますが、オンラインでは全部難しくなります。

つまり、「既存のオフラインのワークショップをオンラインに置き換えるのはダメ」なのです。

置き換えで考えた場合の問題点を挙げてみます。以下のこと以外にもあると思いますが、ここでは難しさの確認のために挙げています。

①ワイワイとした議論がしづらい

複数同時発言で議論できないです。一人一人発言して、となるので静かな雰囲気になりがちですし、雑談もオフラインよりはしづらいです。

②熱意が伝わりにくい

「目や全身で語る」ようなことはできません。声と表情で訴えるしかないです。

③場を共有した感覚を持ちにくい

オフラインではあえて密を作っていました。机はくっつける、ホワイトボードの前に小さく集合する、といったことをやることにより、参加度合いや場の共有度合いが高まりましたが、距離感がないことが特徴のオンラインは共有感覚はオフラインに比べると持ちにくいです。

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これでも「もっと近くに寄りましょう」と言うこともあるぐらいでした。

④書くのが大変。特に図は書きづらい

ホワイトボード、ポストイット、模造紙といったワークショップの神器とも言えるツールを使うことができません。チャットやオンラインホワイトボードのツールで代替しますが、それでも手書きの図の手軽さには勝てません。

ワークショップ写真

実際のお客様の課題が書かれているのでぼかしていますが、オフラインではこんな感じでポストイットと模造紙を使ったりします。オンラインではこんな気軽にはできませんね。

⑤議論の軌道修正がしづらい

これ、めちゃくちゃ大変です。ファシリテーターが議論に介入して軌道修正することが非常に難しいです。オフラインでは、場の空気感を読んで、何か言いたいときは身体で合図送ったりして自然と介入しやすいですが、オフラインはブチッと会話を切るような介入になりがちです。

⑥初期は慣れやITリテラシーに左右される

マイクのオンオフだけで手間取る方も過去おられました。画面の共有もトラブルが多いですね。

⑦声が途切れるなどのトラブルは防ぎきれない

通信環境なのか、発言中に固まってしまうことはありますよね。今のところ完璧には防げないのではないでしょうか。

⑧グループに分かれて議論することが難しい

これもめちゃくちゃ大変です。10人でディスカッションはオフラインでも多いぐらいなので、その時はZoomであればブレイクアウトルーム機能を使って2チームに分けます。分ける作業も一手間ですし、2チームそれぞれの状況を確認したりする場合、出入りするかPC2台置くかして、こまめに確認することになります。しかも⑤で書いたように介入が難しいので、グループに分かれたものを進捗をある程度調整してまとめたりするのは至難の業です。

オンラインワークショップ成功の秘訣

オンラインを前提に考える

まず、元々のワークショップの目的とオンラインのいいところを前提に、オンラインワークショップを考えましょう。

<オンラインのメリット>
①場所が離れてても参加可能
②便利な討議ツールと進化
  1)Zoom(特にブレイクアウトルーム)
  2)miro(同時編集のホワイトボードツール)
  3)チャット(ZoomよりSlackなどの方がいい)
③PCやタブレットのファイルは何でも即時共有可能
④動画、画像、音声、文字での場づくり(Snap Cameraや背景画像など)

②のツールをいくつかご紹介します。

Zoomのブレイクアウトルームは利用必須です。例えば10人の参加者を5人と5人の2グループに分けることができます。オンラインでも5人ぐらいが議論の適切な人数です。

Zoomは機能改訂が早いです!つい最近2020/9/21に参加者がブレイクアウトルームを自由に移動できるようになりました。適宜機能をチェックするといいと思います。

ホワイトボードツールのmiroは超優秀です!

オンラインを前提に設計されている、非常に使いやすいツールです。ポストイットのように書き込んだり、図を簡単に書けたりします。討議の設計に応じた使い方ができるのもまたgood!

ホワイトボードに手書きをしたいときは液晶タブレットを使えばバッチリです。みんなが液晶タブレットを持つのは難しいですが、私がファシリテーションをするときには液晶タブレットを使って図示します。

私は一応仕事なので結構なものを使っています。手軽にペンタブレットというツールでも十分使えます。ただ、慣れないと難しいので練習が必要です。

オンラインの弱点を補う

議論の脱線防止やツールの使い方の習得は、とにかく

準備!準備!準備!準備!準備!

です。

ブレイクアウトルームでグループに分かれてしまうと、特に議論はコントロールすることは難しくなります。元々ファシリテーションは介入が少なく参加者が自発的に議論して時間内にゴールにたどり着くのが理想です。オンラインワークショップでブレイクアウトルームを使う場合はその理想型をちゃんと目指すとうまくいきます。

<準備のポイント>
・参加者の当事者意識を事前に高める(オフラインでも同じだが、より注意する)
・参加者に議論の進行イメージを共有し、自分の意見を考えてもらう(時間が間延びする傾向があるので、少し考えを整理してもらう)
・楽しい雰囲気になるよう、背景など好きにしていいなど仕掛けを考える
・議論のポイントをシンプルに明示し、事前に参加者と共有する
・オンラインワークショップ初心者がいる場合、事前に少しでもいいので練習する
・ファシリテーターの介入や参加者からの質問はチャットで行うようルールを決める
・通信障害の場合の連絡方法など対処方法をファイルにし、事前に送る
・その他事前にリスク分析を徹底する

ポイントと言いながら結構たくさんありますよね。オフラインの集合形式であれば当日対処できることが、オンラインでは難しくなります。なので、自由度を落とさない範囲で事前準備を徹底する必要があります。例えば、マネジメントワークショップのように、重要性も参加者の人件費も高い会議については、慣れも含めてですが、オフラインの倍ぐらいの時間をかけてもいいです。

まとめ

ワークショップの目的や効果を考えると、オンラインワークショップはうまく活用すべきです。その際、オンラインを前提とした設計をした上で、事前準備を徹底すると何とかなります。

慣れるまで時間はかかるかもしれませんが、今後もオンラインワークショップは必要ですので、むしろチャンスがあればどんどんやって早くなれた方が勝てる組織になります。

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