CEATECまで!オンライン展示会の課題
こんにちは!中小製造業応援団のたつみ(@tatsumi_vicyp)です。
オンライン展示会が活況で、新たな市場が出てきたと思いきや、今のところまだ定まっていないので市場と言い切れない状況ですね。そう改めて思ったのが今回のCEATECです。私もここ最近のオンライン展示会とは違いますが、ManuTechという製造技術のブランディングプラットフォームビジネスを立ち上げましたので、ものすごく気になるところです。
このオンライン展示会の課題を理解しないと、せっかく新たな顧客開拓をしようとオンライン展示会に出展をしても、お金をドブに捨てることになります。
CEATEC形式の何が課題だったのか
CEATEC2020が2020.10.20 - 10.23に満を持して完全オンラインで開催されました。CEATEC(シーテック。Combined Exhibition of Advanced TEChnologies)とは、アジア最大級のIT技術とエレクトロニクスの国際展示会です。今年はニューノーマルエリアも設けており、オンライン展示会そのものがニューノーマルのITテクノロジーを表すものと期待されていました。主催者も出展者はさすがに減ったものの、来場者目標は過去最大級の20万人以上という肝いりです。
で、スタートしていきなり初日9:30~13:00にアクセス障害があったのもビックリしましたね。過去最大級を見込んでいたのにです。それは横に置いて展示会そのものの在り方に関する課題を見てみます。
課題①:TOPでエリアやその魅力が伝わらない
字も小さいし、画像が何を湿しているか分からないし、そもそもエリアを示しているかもパッと直感的にはわかりにくいです。
課題②:企業エリアTOPページがほぼ企業のロゴだけ
好きな企業でも見ればいいのでしょうか笑。もうあり得ないですね。企業ページを見ると色々な技術が掲載されているのですが、それが全くわかりません。
課題③:かなりクリックしないと技術・製品情報にたどり着かない
例えば見たい企業があって技術情報を見る場合は、
TOP ⇒ 企業エリアTOP ⇒ 企業ページ ⇒ 技術ページ
と4ページ目に辿りつけました。
それをエリアから絞り込んで行った場合、
TOP ⇒ ニューノーマルテーマエリア ⇒ ニューノーマルソリューションズ ⇒ 医療・ヘルスケア ⇒ 技術概要リスト ⇒ 企業ページ ⇒ 技術ページ
と7ページ目です。
全部が7ページかかるわけでもないですし、ネットサーフィン的に寄り道してたらこの限りでもないですが、徒歩なら一駅歩いた感覚ぐらい遠いです。
課題④:問い合わせのハードルが高い
資料ダウンロードとチャットがメインで、その他に外部サイトへ移動してのアンケートや問い合わせ、メーラー起動での問い合わせが常設されています。オンライン会議もありますが、企業ブースにはなく、外部サイトに飛んでの会議になるようです。
リアル展示会でよくある、「他人の話をこっそり聞きながら興味を持ったら」「ブースの人から声をかけられる」「数人で一緒に回って気軽に話しかける」といった感覚は皆無です。
課題⑤:リアルの置き換えと考えると、場の盛り上がりや楽しさがない
歩き回る中で色々発見があるリアル展示会に比べて、オンライン展示会は歩くのが苦痛です。あちこち見るにも企業ページはロゴしか見えないので、とにかくひたすら全部クリックするしかないのです。クリックしても情報量が少ない企業も多く、ガッカリ感があります。リアルで面白い各社の工夫のファサード(入り口)もないので、色々見たいと考えていた私でも面倒でした。
他の展示会で「○個のブースに立ち寄った方は抽選でAmazonギフト券プレゼント」などありました。それもイマイチではあるのですが、回る理由にはなりますが、CEATECには強い意志がないと見て回る理由がないです。
また、熱気とか飛び交う声のようなものがないので、単なる情報収集で気軽に見てると飽きて来る方も多いのではないでしょうか。
今のオンライン展示会はオンライン前提になっていない
ものすごく象徴的なオンライン展示会が「INDUSTRY EXPO Virtual Exhibition」です。こちらはイギリスの世界最大級の産業展示会です。製造業を中心に色々な「○○産業」がある幅が広い展示会です。
特徴が3つあります。
<INDUSTRY EXPO Virtual Exhibitionの特徴>
①365日24時間アクセス可能
②アクセスデータを活用した営業ツール
③3Dによる臨場感
①と②はオンラインの特徴を活かしていますね。しかしながら③が絶望的で、RPGの3Dダンジョンに潜ってブースを目指すゲームかと思いました。操作が難しく、クリック?も多く、なかなか情報にたどり着きません。
そもそもここまでリアル展示会の臨場感にこだわる必要があったのでしょうか。
今後のオンライン展示会の方向性は?
色々とツールも出てきており、今後に期待したいオンライン展示会ですが、展示会という概念にこだわらなくていいのかもしれません。
オンラインの特徴をまず考えてみます。
<オンラインの特徴>
・場所に依存しない
・様々な便利なツールが使える(チャットや動画、Web商談などなど)
・動画、画像、音声、文字を同時に見ることができる
・多数での同時の会話が難しい
・場の雰囲気が伝わりにくい
・気軽なコミュニケーション(チラッと見て注意を引くなど)が難しい
基本的にオンラインは、シンプルに動画・画像・文字・音で情報を見せることが得意で、非言語的なものは苦手です。
次に、私たちが普段やっている情報収集を考えると、ニュースサイトやSNS、ECサイトの形式が一番情報が見やすいですね。「わかりやすいタイトルとアイキャッチ画像があり、リコメンドがあり、瞬時に欲しい情報に辿り着く」「タイムラインでこちらからフォローした情報が流れる」の2パターンが私たちの日常で親しんだ使いやすい情報へのアクセスです。
そう考えると、例えば、誰も知らない中小企業が売り手となってブースを構えるような設定は、相当工夫しないとアクセスされないです。その場合、
①トップ画面で売り手の情報がわかりやすく魅力的に発信される
②買い手が「これが欲しい」と発信して、その情報に売り手がアクセスする
といったことが考えられます。リアルの置き換え感はこの時点で既になくなっていますね。しかも「展示会」という定義かどうかもこの後の検討次第で怪しくなります。
方向性としては、改めてオンラインならではのマーケティングプラットフォームをリアルや他のオンラインツールと組み合わせて考えることが重要で、一つの形式に限らず色んな形が出てくると思います。
もっと詳細なアイディアは、また私たちもオンライン展示会に変わるものを企画したいと思いますのでその時に発表します。お楽しみに!
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