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スターリンク衛星38機の墜落について
太陽の噴火で衛星が大量に落ちる。そんな論文をサブミットしましたので、その経緯などを簡単に。あれはちょうどトンガ噴火の論文をサブミットし終えた、1月末のことでした。
久しぶりに地球に向かってコロナ質量放出が。数日後に磁気嵐が発生するかもしれません。 pic.twitter.com/ioBz1TNoWp
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) January 31, 2022
このイベントに関して、私は、宇宙天気予報のプロとして、痛恨のミスを2回しました。まず1回目。
惑星間空間衝撃波は確かに地球にヒットしましたが、空振りに近いような太陽風の見た目です。磁気嵐にはならないでしょう。 pic.twitter.com/v0feeZWWth
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) February 2, 2022
おお!私の予想に反して磁気嵐が発生中です。 pic.twitter.com/NiYNF3i0BC
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) February 3, 2022
それから2回目のミスが、この「磁気嵐はおさまりました」。全然おさまらずに、SBZが繰り返し、なんと再び磁気嵐が発生しました。もう、なんでやねん。まさにこの最もややこしいタイミングで、スペースX社がスターリンク衛星を打ち上げてしまいまして、その後の衛星運用で混乱したのも無理はないわけで。
磁気嵐はおさまりました。 pic.twitter.com/vdkchB1dZ6
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) February 4, 2022
繰り返すSBZ。この太陽風は、かなり面白い。10年以上前にも、似たのを見た記憶が。いまは複数の探査機があるから意味がわかるかも。 pic.twitter.com/c3h4an0Z4M
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) February 4, 2022
数日後にスペースX社から大量に墜落しました、というアナウンス。
先日の弱い磁気嵐による大気ドラッグ増加で、SpaceXのスターリンク49機のうち40機が大気に再突入して失われた?というニュース。今後は太陽活動が活発になり、もっと大きな磁気嵐が何度も発生するんですが…これは本格的に宇宙天気予報の時代に入った感じがします。 https://t.co/XP8Z7MMMcp pic.twitter.com/YkjCBVThtl
— 片岡龍峰 (@ryuhokataoka) February 9, 2022
なぜ、こんなことになってしまったのか、本当に納得がいかなかったのですが、調査してやっと納得できましたので、論文を書きました。こちらです。
結論としては、コロナ質量放出が地球直撃コースではない、つまり地球に当たるか当たらないか微妙なコースのもの、これまでは大きな磁気嵐にはならないからと見過ごしてきたマイナーなコロナ質量放出の構造が、微妙な磁気嵐を起こしていたことがわかりました。そんな精度で、ちゃんと真面目に予報しないと事故につながるほど、宇宙空間の変化に敏感な営みを、人間がやっている、攻めている、とも言えるかと思います。
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