スターリンク衛星38機の墜落について
太陽の噴火で衛星が大量に落ちる。そんな論文をサブミットしましたので、その経緯などを簡単に。あれはちょうどトンガ噴火の論文をサブミットし終えた、1月末のことでした。
このイベントに関して、私は、宇宙天気予報のプロとして、痛恨のミスを2回しました。まず1回目。
それから2回目のミスが、この「磁気嵐はおさまりました」。全然おさまらずに、SBZが繰り返し、なんと再び磁気嵐が発生しました。もう、なんでやねん。まさにこの最もややこしいタイミングで、スペースX社がスターリンク衛星を打ち上げてしまいまして、その後の衛星運用で混乱したのも無理はないわけで。
数日後にスペースX社から大量に墜落しました、というアナウンス。
なぜ、こんなことになってしまったのか、本当に納得がいかなかったのですが、調査してやっと納得できましたので、論文を書きました。こちらです。
結論としては、コロナ質量放出が地球直撃コースではない、つまり地球に当たるか当たらないか微妙なコースのもの、これまでは大きな磁気嵐にはならないからと見過ごしてきたマイナーなコロナ質量放出の構造が、微妙な磁気嵐を起こしていたことがわかりました。そんな精度で、ちゃんと真面目に予報しないと事故につながるほど、宇宙空間の変化に敏感な営みを、人間がやっている、攻めている、とも言えるかと思います。