【ブルーマウンテンMBA戦記-24】▶2年次前半②タックス・プランニング(2022/8/22)
企業税務は本当に難しくて、奥が深いです。
M&Aでストラクチャーを考える際にも、影響がすさまじく、企業の財務戦略やコーポレートアクションを考える場合には必須の視点となります。法人税などは実効税率で税引前利益の30%とかあるわけですから、キャッシュインパクトで考えれば、場合によっては人件費だとか広告費にも匹敵するので、特に自前の人的リソースで切り盛りしなければいけない中小企業のC×O系人材にとっては必須の知識だと思います。
1.タックス・プランニングとは
タックス・プランニングとは、将来の法人税等の発生につき合理的な計画を行うことで、適正な税法解釈の範囲内において税負担を軽くしようとする試みのことを言います。
また、将来の課税所得の発生につき計画を立案することは、繰延税金資産の回収可能性を裏づけるうえで重要なことで、特に保有している有価証券、不動産等を売却する場合などは、売却可能性、売却予定時期、実現が予定される含み益の金額の妥当性について十分に検討する必要があり、経営において必須の視点です。
2.何を学んだか?
ざっと
①そもそも税金の種類
②法人税
③税務申告
→決算調整と申告調整
③税効果会計
④留保金課税
⑤国際課税
この辺りについて概観しました。
自分では、事業会社で決算財務会計まわりの部門長しており、税務申告(青色申告)などやっているので、「まあ分かってる部類だろう」くらいにタカを括っていましたが、まだまだでした。内容は基礎的なものでありましたが、それでも理解が不十分だったり、課税額の計算などでは「え、そんな風に調整するんだ」など、分からないことが多かったです。
特に国際課税などはまるっきり初学者だったので、辛かったです。(私が不動産系の事業者で、クロスボーダーが無いタイプの種別の商品扱いということもあり。)
国際課税は「基礎」であっても難しく、実務レベルにおいては相当に難解かつ専門性の高い仕事になることが容易に想像できました。
(ちなみに、というところでこれからMBAを検討する人向け)
自己投資において「MBAか米国CPAか?」みたいな検討が良く話に上がります。この点、既に国内公認会計士だとか税理士を持っている場合、かつ税務について適性がある湯であればMBAよりも国際会計事務所で日本ー中国、日本ーインドなどの、クロスボーダー取引における税務の専門家として身を建てるのは大いにありだと思いました(1国であっても)。
私自身としては、不動産を事業で扱う以上、一般的な事業会社以上に税務に精通する必要があるとはいえ、実務で必要とされる範囲で成長していこうという範囲に思考は留まっています。(この分野で専門性を突き詰める道への恐怖もあり・・・。)
※M&Aなどにあたってのストラクチャーなどに関する、適格税制などは流石に専門性高すぎてMBAの講義では扱わず。別の講義で「企業買収・合併」
などありましたが、こちらではさらっと触れていました。
3.今後のタックス・プランニングへの考え方
「会社をホールティングス化する」「M&Aを行う」「資本政策上を行う」際には、通常の顧問料とは別にフィーを支払ったとしても、全面的にバックアップに入ってくれる証券会社や銀行、M&Aブティック系プレイヤーとは別にしっかりコンサルティングは依頼するべきだと思いました。(MAの場合はFAなら当然しっかりやってくれるものと思いますが。)
内部的なノウハウの醸成はもちろんですが、税務はスタート段階でもかなり重要な検討事項があり、「何も知らずに(気づかずに)」話を進めてしまった場合のインパクトが大きいこともわかりました。
外部へ検討を依頼したとしても、さして節税ができない場合も十分想定できますが、それでもやはり税金は知識が無いとアラートさえ出せない場合もあるので、自分がCFOとして機能する局面ではもちろんのこと、新規事業、成長投資におけるM&Aという文脈でも、自分からタックス・プランニングの視点を指摘していく必要があると思いました。
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