水族館を巡るということ
私は水族館が好きだ
初めて行った水族館がどこだったか。正直に言って全く覚えていないが、物心ついた時から私は水族館という場所が好きだった。生物好きの父の影響も大いにあるだろうが、水と魚に囲まれた空間に幼いながら心惹かれたのだろう。誕生日には魚の図鑑を買ってもらい、何度も地元の水族館に連れて行ってもらった記憶がある。
中学生になって家族と出かける機会が減ると、自然と水族館に足を運ばなくなったが、それでもNHKの深海魚特集などは食い入るように見ていた。修学旅行で行った美ら海では大はしゃぎし、時間一杯までデジカメで写真を撮って回ったが、水族館熱が燃え上がることはなかった。
私が再び水族館を訪ねるようになったのは、高校3年生になってからだ。英語の授業の課題として水族館について発表しようと思い、友人達を連れまわして新江ノ島水族館、さらに八景島シーパラダイスを訪れた。その時の写真はほとんど残っていないが、これをきっかけに水族館熱が高まったのは間違いない。その年はすみだと大洗にも初訪問している。画像はtwitterの海の中に消えてしまっているが…
大学生になると、人生初のバイトにドはまりし、月5000円のお小遣い生活を脱却することができた。経済的・時間的に豊かになると、人間は趣味に走る。ここから怒涛の水族館巡りライフが…!と思いきやそんなことはなく、K-popのライブに通い詰めるようになった。今でもK-popは好きだが、当時の熱量はすさまじく、年間20回程ライブに参加したと記憶している。
転機となったのは新型コロナウイルスの大流行だ。あらゆるイベント・コンサートが自粛となり、ライブ通いは強制終了。そもそも韓国のアイドルが来日することすら難しかったのだから、自然とK-popへの情熱も薄れていく。結果時間と貯金を持て余した私は、旅行好きの友人の誘いに応じ、関西に行くことにしたのである。とはいえ、いざ旅行と思い立っても悲しいかな行きたい場所がぱっと思いつかない。一応歴史好きでもあるので、世界遺産姫路城だけ決めて、周りに何があるか探すことにした。なんと、姫路には水族館があった。須磨にもある。京都にもあるじゃないか。折角の機会だし全部行ってしまおう。
こうして、私の水族館巡りが本格的に幕を開けたのである。この時私の水族館ツアーに強制同行させられた友人は、無事洗脳され、今では良きパートナーとして水族館巡りに勤しむようになってしまった。免許を持っていなかった私の運転手兼旅程プランナーとしても大変重宝している。
水族館巡りという趣味
世の中には動物園3回説というものがあるらしい。すなわち、人が動物園を訪れる機会は3回。1回目は親と。2回目は恋人と。3回目は子供と。多様性の時代にだいぶ古い家族観だとは思うが、実際人生で何十回も動物園を訪れる人はそう多くないのだろう。それはきっと水族館も同じだ。
翻って私はどうか。訪問園館は82を数え、回数でいえば100を優に超えている。水族館100回説爆誕だ。明らかに世間から見れば少数派であろう。私が自らの趣味として水族館巡りを挙げれば必ず驚かれ、不思議がられる。水族館のどこがそんないいの、と。よっぽど詳しい人間でなければ、日本中に水族館があることも、その一つ一つに個性があり魅力があることも知らないし、想像すらできない。イルカショーがあって、映えるクラゲがいて、ニモがいて…。そんな認識なんじゃなかろうか。これは致し方ないことである。
問題は、私がこの純粋な疑問にどう答えるべきかということだ。水に囲まれると安心する!と言っても全く意味が分からないし、好きな魚の話をしたって細かすぎて伝わらない。結局いつも曖昧な回答で終わらせてしまっている。実に歯がゆい。
現在、日本の水族館は約120ヶ所存在している。その殆どが素晴らしい施設であり、各々の特徴を生かした展示が行われているが、やはり全部が全部満足のいくものではない。どうしても期待値に届かないこともある。それを承知の上で、何時間もかけて地方の小さい施設に行くというのは非合理的だ。それでも、私は行く。新たな発見を求めて。気分はさながらスタンプラリーである。いつかすべて水族館を訪れれば、何かしら見えるものもあるのだろうか。
まぁ、とどのつまり、好きだから巡る。それだけなのだ。
noteを始めた理由
最後に、私がnoteを始めた理由について触れよう。ずっとアウトプットがしたかった。それに尽きる。
折角撮った写真を、折角見た光景を、記憶の底で腐らせておくなんて勿体ない。もっと水族館について語りたいし、学びたい。そのための場所として、ここを選んだ。
従って、これからは水族館の思い出を語ったり、魚について勉強したり、そういうことを暇な時にやっていこうと思う。なお、基本暇はない。いつか自分の撮った写真だけで図鑑作れたら楽しいなぁなんて夢も見ている。果たしてこんな駄文誰が読むのか。誰も読まないかもしれないが、自己満足としては丁度よさそうだ。一つ、よろしくお願いします。
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