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【推しの子】考察 B小町初期メンと『15年の嘘』というエースカード

お久し振りです。
なぜかすべての記事が消えてしまい、また復活させようか検討中です。
今回は4回目の投稿ですが、よろしくお願いします。

最近の推しの子132話では【現在133話連載中】ようやくB小町内部に内通者の潜伏を確認することが出来、物語の歯車がまた少し動き始めたように思います。

なので、今までとっ散らかっていた B小町のメンバーの顔と名前を総ざらいしてみて認知齟齬を解消すると同時に、アクアと五反田監督が狙うムーヴメントの本質についての考察をしてみたいと思います。

予め乱筆の為、読みにくいかと思われますがご了承下さい。

B小町のメンバー

B小町は斉藤イチゴ社長が自身のプロダクションの中学生モデルを集めアイドルユニットを作るということで動き始めた企画です。

初期メンバーは ニノ 高峰 渡辺 アイ
となります。

ニノのイメージアニマルは『パンダ』カラーは『緑』
高峰のイメージアニマルは『犬』カラーは『青』
渡辺のイメージアニマルは『猫』カラーは『オレンジ』
アイのイメージアニマルは『うさぎ』カラーは『赤』

そして現在判明している追加メンバーは
キュンパン ありぴょん めいめい
ですが、これについては誰が誰かを完全に把握するのは難しいです。

しかし、視点Bのアニメーション回想から

芽依【メイメイ】はイメージアニマルが『ペンギン』カラーは『黄色』だと推測されます。
あとは、キュンパンとありぴょんとカナンという固有名詞が出てきていて
濃緑髪 ハムスター or ツインテール カエル、若しくは渡辺、若しくは辞めたメンバーの内のどれかという采配になりますね。

ここからは一番星のスピカのネタバレが含まれます。
一番星のスピカでは、アイが入って3か月程立った時間列で物語が進行していきます。
そして、つり目と丸顔と呼称されている登場人物がアイにたいする嫉妬心から嫌がらせをしている描写があります。
アイはスカウトでB小町にやってきた外部組なため、いきなりセンターに抜擢されることは良い気持ちではないのはわかりますが、あまりにも露骨ないじめを受けるアイはB小町を辞める一歩手前まで追い込まれていました。
具体的には、アイの目の前で社長との肉体関係を決めつけ贔屓だと決めつけたり。アイのサマーパーカーを破ったりしています。
初期メンバーであることから、
つり目=『高峰』
丸顔= 『ニノ』
であると推察されます。

ニノに厳しくする高峰と遠慮がちな渡辺


アイに歪んだ感情を抱くニノ

小説では、アイの問題は一旦アイが大人の姿勢を見せることで収まります。
しかし、根本的な解決と相成る訳ではありませんでした。

一方でアイともうまくやれているメンバーがいたのも確かです。

アクアとルビーを抱いて写真に映るアイ、イチゴ、ミヤコ、メイメイ、きゅんぱんorありぴょん

この写真はアニオリで、ミヤコが新生B小町を結成する踏ん切りをつける時に移ったパソコンの画面です。

アイはいくらミヤコの子供だと詐称していても、アクアやルビーを抱いて写真に移るという堂々すぎる言動や、イチゴ社長がそれを了承していることからある程度心を許せると判断したメンバーだったのかもしれません。

しかし、視点Bではアイが仲の良いと雑誌のインタビューで語ったのはメイメイでそれもあの夜の一晩だけの会話程度でしか判断されていないことを鑑みると、やはり気の置けない関係性という訳ではなかったように思います。


アイの死亡後すぐやめたのは、メイメイと濃緑髪の子
列席者で泣いているのはニノ、二人は恐らくだが渡辺と高峰か

B小町初期メンバーの仲は、結成当初は仲が良かったと45510では書かれていて時間と共に格差が生まれ歪みを持つようにった。
つまり、アイは最初から嫌われていた訳ではないということになる。

ここで
ニノと高峰がアイのサマーパーカーを破り捨てた事件は、アイがB小町に入ってから3か月そこいら。

似合わないサマーパーカー

小説では破られたサマーパーカーの代わりに綺麗なワンピースをイチゴ社長からプレゼントされ、もしかするとここら辺で衣服の変化が見られると仮定できる。

アイは見た目で年齢を特定不可能なため、こういったアイテムでの年代測定でしか物語を読み解くことはできないと推測する。
これは赤坂先生のゲーム製作者の心理のような、アイテムでキャラクターの伏線を読み解く物に近しい気がする。

つまり、ララライは12歳もしくは13歳から加入していたことになる。
ララライは発足当初人が集まらない為に寄せ集めの集団としての側面が強く、『失敗』という結果から危うい集団だったと思われる。
これについては記事1を参照。【無いんだった】

小説ではアイはアイドルとして只純粋に美だけでファンを惹き付ける天才型のような解釈をされやすいが、実際は演出についてかなり熟考を重ねており、自ら企画を製作し次の歌のコンセプトの骨組みまで立案するほどの理論的なアイドルだったことが分かる。

つまり『只の馬鹿』では無いのだ。
芸能界で売れていくには、そういった打算的な思案が必要不可欠である。
運良くスターダムへと上がれても、新陳代謝の高いアイドル業界で売れ残るには賢く立ち回る必要があるのだ。

ここで疑問なのが、なぜ賢い選択肢を選んでいるアイが子供を作るというアイドルとしての愚行ともいえる悪手を打ったのか?
『賢者は真理を知るのに1年かかり、愛を知るのに100年かかった。
愚者は真理を知るのに100年かかり、愛を知るのに1年かかった。』
アイドルとしての賢い選択は、愛を捨てる事【子供を作らない】。
これが愛の歌を歌いつつも矛盾しているアイドルの構成要素であり真理。
しかし、母親としての賢い選択は愛を求めること【子供を持つこと】。
これはアイドルとしては愚行ながらも、母親としては賢い選択であり真理となる。

なぜか?答えは明白である。
『アイは普通の女の子』だから。

愛情語りをするアイ



アイには母親の愛情に対する心理的なバイアスがかかっている。
これは家族に捨てられ、家族がいないと断言するアイの構成要素であり本能的な欲求である。
愛を知らない家庭に産まれ、只愛情を求めるのであれば早期の結婚願望などがバイアスとしてあげられるが、アイには母親に捨てられたという幼少期の体験が彼女の心理にバイアスを掛けている。
アイは母親に執着している。
アイの母親は親類からも煙たがれる程の男好きのロクデナシで、アイに虐待を行っていた。
母親としての自覚が無く、女としての幸せに執着していた。
それに対する拒絶反応からか、旦那はいらないけど自分の子供が欲しいという欲求がある。

愛深き故に愛を捨てるサウザー



しかし、これらは只の幼少期の体験が産んだ愛情のバイアスの1つであり人間は誰しも歪みを持っているためアイが特別という訳では無い。
只特別に美人に産まれ、虐待を受け、12歳で芸能界に踏み入れてしまっただけの少女がそこにいる。

アイに求められていた事、アイの身にまき起こった経験を箇条書きしていく。

・幼少期から片親で、8歳から母親に虐待を受けて育つ。
・12歳まで施設で育ち、親に捨てられる。
・芸能界に入り、アイドルとしての才能に目覚めるが執拗ないじめを受ける。
・ララライで未成年の内に性交渉をし、以降破滅的な言動が目立ち始める。
・アイドルを続けながら妊娠、出産をしながらファンに隠し続ける。
・人気グループを一人で牽引する重圧を追いつつ、メンバーとのいさかいを回避しなければならない。

ざっと挙げただけでもかなりの責任と、トラウマを背負っていてそれを抱えながら笑顔を振り撒く社交性仮面はとてつもなく強固である。

15年の嘘ではこの仮面を外したアイを見ることができる筈だが、それはルビーがアイの感情を完全に表現できるかどうかに依存している。

アイの仮面は母親の虐待から逃れる為の嘘を発端とし、そこから仲良しだと思っていたメンバーに罵倒され苛められても笑顔を取り繕うようになり、アイドルとしての仕事がそのまま普段の言動とリンクしてしまったことで、誰もアイの本心を見ることができないまま死んでいったのだ。

幼少期のトラウマから喜怒哀楽の内楽以外を封印してしまった瀬田宗次郎



アイの行動原理は『自分は愛されないからこそ愛を振り撒く側にいなければ商品価値が無い』
といったところだろうか。

だからこそ自分のことを愛してくれるファンを愛することはできない【そもそも他人からの愛を信用していない】、愛するフリを全力でする。
つまりは、奉仕と搾取の関係性である。

これが彼女のアイドル論であり、人生論だったのだろう。

その嘘がいつか本当になることを願ってというのは、嘘をつき続ければ本当になるというものだが、それは本当の意味での救いとは言えない。
人間には限界があって、感情がある。だからこそ無理し続けてはいけない。休憩を取る必要があるのだ。

しかし、人間は血の繋がりにおいて信頼性は置けるものが多い。どんなに愛情を信じなくとも子供や親兄弟は他人ではない。
今まで他人を愛することは無いと思っていた少女が子供ならば愛せると思うのもどこか普通な少女であることを伺わせる。

だが実際の所、仕事のパフォーマンスと本来の欲求は比例しない物でアイは仮面を被り続け嘘をつき続けたからこそスターダムへと相成った。
家族を隠し続けることは、家族に嘘をつき続けるようなもので優先順位は仕事が一番な為にどこかでアイは一線を引いていた節がある。

嘘をつき続けるアイは無敵だが、仮面を剥いで本当の自分のやりたい家族との暮らしを優先し始める時に、『無敵』の終焉を意味していたのだろう。

しかし、『賢い答えが常に正しいとは限らないように愚かな答えが常に間違いとも限らないのだ。』
アイはドーム公演を見越してアイドルを卒業するつもりでいたのかもしれない。

アイドルが結婚発表で卒業するという事件があったが、彼女は負け組だろうか?
アイドルとしての幸せと女性としての幸せを両方手にし、汚い芸能界と区切りを着けた彼女は勝ち組だったのではないか。

『15年の嘘』とは、ブラフでオールインをしたアイにとってとエースカードなのだろう。
そして、本来はアイの卒業後に上映する映画。
芸能界との区切りをつけるためのもの。
『嘘を暴く』というものだったことは確実。

アイの卒業を回避するため殺害を決行し、アイの卒業を回避するが、カミキヒカルの行動要因であった嘘を暴かないというものはアクアによって出されてしまったので、カミキヒカルはかなりの倒錯からか片寄ゆらを殺害している可能性もある。

カミキヒカルはアイに歪んだ同化願望を抱いていた。
自ら手を下すような殺人を犯さない慎重なカミキではあるが、殺人衝動と共に発覚の不可能な山あいでの殺害という慎重さはある。

始めて自ら手を下すカミキヒカル アクアがアイのリークをしたことで動揺した可能性。

アクアが自分の父親を上原だと確信してしまった理由は、アイドルに手を出すような人間は基本的に浮気性な男が定石だったから。

気の多い男性はアイと関係を持つ確率が高い
托卵を知り、突発的に心中を図る上原清十郎

上原は突発的に行動を起こしており、カミキヒカルのような用意周到さが見受けられない。
だからこそ、アイを殺すとしたら突発的に殺す筈だから。

『15年の嘘』はアクアがカミキヒカルを社会的に、精神的に抹殺するためのカードだが、カミキは黙ってそれを見ている訳がない。
ニノはいつからカミキに協力しているか不明だが、内部リークでアイの殺害に協力しているかことは間違い無いかもしれない。

ニノもアイに歪んだ同化願望を抱いている少女で、完璧なアイドルであるアイを神のように崇拝している。
だからこそ卒業する前に殺して永遠にしてしまいたかったのかもしれない。

B小町OBらが、『15年の嘘』の台本を知っているかは謎だが既知の上で見逃しているとすれば疑問は残る。
アイの存在を貶めたアクアに対してニノやカミキはかなり憎悪を抱いている筈だが、表だって行動することは慎重なカミキには出来ない。
もしくは、ニノやカミキのかき回しすらもアクアの計算の内なのだろうか。

カミキヒカルが最も恐れていることは、星野アイを等身大の地に足のついた少女として世に発信されてしまうこと。ニノやカミキは、星野ルビーの演技力次第でこれからの行動が変化していく筈だろう。

以上長文乱筆失礼しました。

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