話せるようになるための英語
英語が話せるようになりたいけど、そもそもどこから始めればいいの?
このような疑問を抱える人は非常に多いと思います。そんな方々へ学校ではまず学ばない「話せるようになるための英語の学び方」を徹底解説します。
Introduction: About Me
現在ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)在学4回生、政治・哲学・経済を専攻しているRYUです。
英語を「本気で学びたい」という方にこの4年間私が肌と経験で学んだ英語を話すコツを集約しました。
とても長いので一度で読み切るのは少し骨が折れるかもしれません。目次を活用して読みたいときに読みたい章からお読みください。
高校卒業後すぐに日本を飛び出しカナダに渡航した私は全くと言っても過言ではないくらい英語が最初は話せませんでした。
全くって言った時にどのくらいのレベルかというと、バスの運転手に「大学までこのバスは行きますか?」と聞いた所どうも私の大学名の発音(もしかすると言ったこと全部?笑)があまりに悪くて聴き取ってもらえず、結局大学まで40分歩くはめになりました。
Google Mapには頭が上がりません。笑
語学学校の最初のクラス分けテスト(speaking・reading・writingに分かれる)ではspeakingは緊張も相まっていつも以上に片言になってしまい4段階のレベルの何とレベル1からのスタートに…
因みにレベル4はIELTSのスコアで換算すると6.0、TOEFL (iBT) で60−78と言われ海外大学留学の基準とされいます。
1段階レベルが上がるのに4ヶ月かかる(1学期=4ヶ月)と言われいたため、単純計算すると4×4=16か月。少しでも早く卒業したかった自分には残酷な宣告でした。
そんな自分もあることに意識をした結果、飛び級に飛び級を経て数ヶ月余りで語学学校を卒業することに成功。その結果、英語で行われる大学の講義の参加資格を満たすことができ、問題なくついていけるようになりました。
その後大学でイングリッシュアドバイザーとして数多くの日本人の短期留学生さんの相談に携わり日本人特有の共通点 (弱点) とも言えるものを理解しました。
日本人に欠けているものとは何なのか。
これから本編に入ります。
英語を話せるようになるために避けて通れないのが日本人特有の頭の回路にまつわるお話です。これから説明していくそれぞれのコンセプトと深く関わってきますので注意しながお読みください!
1. 英単語の解釈
最初に注目して頂きたいのが英単語の解釈です。
最もありがちでやってほしくない英語学習方法が英語の単語・文章を積極的に日本語に一度翻訳して理解することです。
自己流で学ぶ場合又は、一般的な英語の授業では(学校では日本人の教師が担当することがほとんどですよね)英語を日本語に翻訳して学習することを重視する傾向があります。
そのためどうしても英語を日本語で解釈するという「癖」がつきます。
英会話ではこの癖は障壁以外のなにものでもありません。
英語のインプットを行う際、そのインプットを日本語に翻訳して理解してそこから英語でアウトプットを行うと時間のロスなんです。
例えばこんな会話があるとします。
話し手: Are you an optimistic person?
聞き手: (optimisticってなんだっけ...)
(確か楽観的だったかな...) (でもどっちかっていうと私は悲観的だな)
No, I'm not!
☓ 英語 → 日本語 → 英語
この癖は会話が複雑になればなるほど致命的となり、やっと理解できた時には次の話に変わっているなんて事はざらにあります。
基本的に日常英会話は3000単語があれば会話の約80%を理解できると言われています。日本語の場合は何と1万語近く要するみたいです!(やっぱり日本語って難しいですね笑)
なのでもちろん単語の勉強は欠かさないでして頂きたいのですが、その基礎の3000単語をひたすら英語で理解しましょう!
いやそもそも分からない単語を英語で理解って言われてもな...
という方に!Googleを使いながら簡単にデモンストレーションしていきたいと思います。
Googleの訳には
optimistic: confident about the future.
と説明されています。ここで理解できたら万々歳ですが、仮に‘confident’が分からなったとします。それも調べちゃいましょう!
Confident: feeling certainty about something.
ほほう。「Certainty」ってなんでしょう?Certaintyの形容詞である「certain」の同義語として
unquestioable or sure
があげられます。これらから 「確か」 ・「絶対的」 みたいなニュアンスが得られると思います。
なんとなく全体像が見えてきましたか?
「未来に対して確信している、迷いがない事」と捉えることができます。
今回はデモンストレーションに意を込めて翻訳しましたが、英語を英語で理解するプロセスはなんとなく理解できたでしょうか?
◎ 英語 → 英語
これらの反復が頭の中で日本語に訳してしまう癖を徐々になくしていきます。
Q:「考え事をする時って何語で考えてるの?」
たまにこういった質問をいただきます。
英語を話す環境下では間違いなく英語です。日本語で話すときは日本語で考えますよね?それと何ら変わりはありません!しかし日本語での翻訳を頭の中で試みているうちはそうはいきません。
留学生活3ヶ月後には夢も英語で見るようになりました。極限まで日本語で考えるというプロセスを遮断していた事が理由なのではないかなと思います。
もちろん英語を英語で学ぶということは日本語で翻訳して学ぶ事と比べ、間違いなく初めは時間がかかります。ですが長い目で見ると、英語を英語で理解出来るだけでなく、それに関連した同義語、関連した表現法も必然的にインプットすることが可能で一石二鳥というわけです。
尚、初期段階で英語の定義のみではどうしても分からないという単語のみ日本語で調べましょう。ストイックに英語での理解にこだわる事が非常に大事です!
それに伴い、その場ですぐに英語を英語で吸収するという体制を準備しておくことも大事になります。
その為に必要なツールとして個人的にお薦めする5つのツールを紹介します!
1.英英辞典を実装している電子辞書
電子辞書だとどこにでも簡単に携帯できますし、ノートの作成、単語のリストアップに加え単語テストなども収録されているので非常に便利です!単語の発音も確認することができます。
2. iPhoneのお手軽検索機能
Step 1: 下にスワイプ又は一番左までスクロールで検索画面が出てきます!
Step 2: 調べたい単語を入力すると下に英単語の定義が出てくるのでそこをクリック!
Step 3: 英単語の定義の画面に移ります!後々振り返りたい場合スクリーンショットをして英単語専用のアルバムを作りそこに保存すると便利です!
この検索機能はSafariやGoogleをわざわざ開く時間を節約してくれるので今でもとても役立っています!
3. 英英英単語
ちょっと“英”がクドいかもしれませんが(笑)この本は一押しです!正に英語を英語で理解するを体現した英単語帳です。定義は言われずもがな英語で説明されていて、例文も添えられています。例文は難易度が高いですが、高みを目指してその文中の単語も吸収しましょう!
4.Google発音練習
時代はここまで来ました。なんとGoogleが口の動きを再現して単語を発音してくれるだけに留まらず、右下の「practice」ボタンをポチッとクリックすると自身の発音をテストすることができます。
検索方法は至ってシンプル。「How to pronouce」+「調べたい単語」をGoogleの検索エンジンに打ち込むだけです。
このタブを閉じずに残しておくと毎度「How to pronouce」と打ち込む必要がなくなりますので、単語の部分のみを消して打ち直して検索すると時間短縮ができます。
5. Netflix
日本語がユニークな様に英語の表現も日本語のそれとは全く異なります!なので日本語の定義に基づいた英単語の知識で英語を喋ろうとするとどうしてもぎこちない日本語英語になってしまいます。
友だちと遊んでいました!と言いたい時日本語から考えるとどの単語を思いつきますか?
よく間違って使われるのが
I was playing with my friend!
Playで遊ぶと考える事自体は間違っていないのですが、一般的に子供が遊んでいる時にplayは使われます。また、もし
I was playing with you!
と友達の目の前で言うと、状況によっては冗談を含んだ「おちょくってただけだよ」と言った風に伝わり、ニュアンスも変わって来ます。
英語では「友達と一緒に遊んでた!」と言いたい時は
I was hanging out with my friend!
が頻繁に使われます。この場合の遊ぶは一緒に時間を過ごすという感覚で使われるので幅広い場面で使うことができます。
これはあくまで一例ですがこのような日本語からの思いつきの英語は時に思いがけない誤解をうむこともあります。
そこでNetflixを活用して自然な英語を英語の字幕つきで見ましょう!聴き取った英語の音と字をリンクさせる事が第一の目的です。(次の章でまた詳しく說明します。)
ドラマ/映画を1つピックして習慣的に見てみるのがいいでしょう。最初は分からなくてもいいんです。映画館で見るのとは違い、いつでも巻き戻しが可能ですから、分かるまで何度でもリピートしましょう。
スマホのアプリからダウンロードも出来るので通勤中にもお薦めです。
これは英語学習のみならず英語圏の国の文化を知るいい機会にもなります。どんな場面で笑っているのか、人と人との接し方、ボディーランゲージなどに注目するとまた一味違った面白さがあるかもしれません。
個人的には
・Brooklyn 99 (ブルックリン・ナイン-ナイン) — コメディー
・Community (コミ・カレ!) — コメディー
・Trevor Noah: Afraid of The Dark — スタンドアップコメディー
・You (君がすべて) — サスペンス
・Stranger Things (ストレンジャー・シングス)— ホラー
ジャンル別にそれぞれ英語の聞き取りやすさと人気度からお勧めしています。
(おまけ)Stockwell: Online English Service
これは私事ではありますが、近々オンライン英語サービスのウェブサイト
Stockwell: Online English Service /「英語を生活の一部に」
をカナダに居る学友と発足しました。「英会話レッスン」、「英文添削」、Youtube等の動画の「字幕添付」を含んだサービスを提供しています。クライアント数はこちらの人員の都合上制限がかかりますので興味がある方はお早めに下記のE-mailまで件名に“Stockwell”と書いてご連絡下さい!
rio.ahsan@outlook.com
2. 発音の解釈のギャップ
先程の章では英単語の解釈を日本語で行うと言葉の伝達時に英語から日本語、日本語から英語への翻訳のプロセスを経るため時間のロスがうまれるというお話をしました。
次にお話するのは同様に日本語での解釈による副産物ともいえる「発音の解釈のギャップ」です。正確にいうとカタカナによる解釈です。
日本語はアルファベットを言語のベースとして使用しません。
その結果、英単語の発音の解釈にカタカナを用い頭の中でそれを似た音に当てはめて理解しようとする強い傾向があります。
それによって生まれたものが外来語 (※和製英語とは異なる)と言われるものです。実際に英語で使われている単語を(ほぼ)同じ意味合いでカタカナにして活用してる単語のことです。
セオリー (Theory) だとかリテラシー (Literacy) は日本語でもよく使われる馴染み深い外来語ではないでしょうか?
そのいずれもが実はカタカナ風に発音した場合ネイティブには通じません。
その理由が日本語にはそもそも 「th」 サウンドが存在しないこと、そして日本語のら行は英語の(Lよりの)LとRの間に近い音で発音されるからです。
普段英語を聞く機会がない無い人は自身で(朗読して)学習した英単語がインプットの恐らく大半を占め、それらは無意識にカナカナに変換されて記憶/解釈されてしまいます。
すでに認知している言語(カタカナ)に当てはめて解釈する方が記憶がしやすいというのがまず1つ目の理由、そして日本語に既存するカタカナ語を頭の中で関連せずにはいられないというのが2つ目に挙げられる理由だと思われます。
先程の英単語の解釈でも述べましたが、これもまた同じく二度手間なんです。
❝Apple❞
この単語を見たときに英語に慣れていない人が無意識に頭の中で連想してしまうのがカタカナの「アップル」。当然のことながら英語ではリンゴはアップルとは発音しません。
アにアクセントを意識して発音した 「アッポウ」の方が 「アップル」 とカタカナ語風に発音するよりも確実に相手に理解されるということです。
この発音の解釈のギャップこそがアウトプットである発音だけではなく、インプットのリスニングにも多大な影響を与え、人によってはリスニングへの苦手意識を助長してしまうわけです。
「思っていた発音と実際の発音が違う⁉」
これこそが根本的なリスニングの課題なわけです。
そこで重要にになるのが頭の中に英語を効率的にインプットするための枠組みを作ること。
カタカナによる反射的な変換だけでも十分厄介ですが、それに付け加え英語は日本語とは異なる周波数と発音法を用いられるので当然のことながら頭の中にインプットするのが母国語より難しくなります。
野球で例えたらキャッチャーがいつもピッチャーのストレートボールを受ける練習しかしていないのに、ある日急にすごい角度で曲るカーブを投げてこられたらキャッチ出来るわけないですよね?笑
じゃあその球をキャッチ出来るようにする為にはどうするか。キャッチするための練習(枠組み作り)をすればいいんです。
枠組み作りでみなさんよくとる方法がひたすら英語を聞くこと。もちろん間違ってはいませんが、みなさんの最終地点は英語を聞き取る事だけではなく、自分自身も発音できるようになる事です。
英語のインプット(リスニング)の効率を最大限まで引きあげる方法は「聞くこと」と「発音すること」を組み合わせる事です。
自分が発音できる単語 = 聞き取れる単語
これらを踏まえてこれから厳選した3つの枠組み作りを紹介します。
1. 発音の基礎: A〜Z
英語の発音の原点とも言われるフォニックスはそれぞれのアルファベットのが一体どのように発音されているのかを理解するための基盤になる知識です。
発音を少しでもネイティブに近づけたい人にもお薦めです。
子供向けとは称されているものの、実は知らない人、昔のことで忘れてしまった人など様々いると思います。基礎があってこそ他の難しい発音にも取り組めるというものです。
2. カタカナで表現できない発音の練習
・Thサウンド (※二種類あり) & RとLのサウンド
まずはカタカナでは表現できない発音を認識することが重要です。
英語を習い始める誰もが必ずと言っても過言ではないくらいつまずくのが 「th」サウンドと「R」と「L」のサウンドの区別/発音です。
当たり前だと思っていたあの単語 「think」ですら実際に発音出来る日本人は実際は10人に1人もいないのが現実です。
‘Th’の発音の難しさから大抵の人は think (考える)を sink(沈む)と誤って発音しています。
「シンク」または「スィンク」と発音していませんか?
今だからこそ分かりますが高校在学時の英語の教師も同じく間違えて発音をしていました。
Lead(導く)と read(読む)、どちらも「リード」とカタカナでは同じ単語で表現されるものの、英語で発音した場合はrとlなので異なる音としてネイティブは識別します。
・舌の動きを意識した音真似
Thサウンド、r&lサウンド共に発音するのが難しいとされる理由が発音時の舌の使い方です。Thサウンドは発音時の舌の使われ方から「舌サンドイッチサウンド」なんて言われることもあります。
当然のことながら普段話す時に舌の動きをわざわざ意識している人はいないと思います。全く慣れ親しんでいない「舌の筋肉の動かし方」と「息の吐き方」で音を再現するわけですから発音練習は一筋縄ではいきません。
1,2時間かけてもできるようになるという保証は一切無いのでそのプロセスも含め楽しみましょう!
自分が発音できているかどうかという確認も自分一人ではなかなかできないので発音出来る人と一緒に練習するのがベスト。
それがままならない場合は第2章で紹介したGoogleの発音練習機能を利用することも可能です。
最近テレビでのご出演も多い英語教師のサマー・レイン先生がとても分かりやすく說明しているので是非参考にしてみて下さい。
当オンラインウェブサイトStockwellでは英語の発音のみにフォーカスしたレッスンもご用意しています。
・RとLの発音方法
・Thの発音方法
3. 字と音のリンク
さほど難しくない英語でもなかなか聞き取れない理由が「知っている単語」と「その単語の発音のされ方」にギャップがあるためと第二章で說明しました。
そのギャップを「字と音のリンク」を利用して効果的に縮め、耳を矯正することができます。Netflixは字幕サービスがついているので無論のこと、その他動画サービスサイトYoutubeなどでも字幕のついている動画は多いので活用してみて下さい。
Q: 「洋楽を聞いたらリスニング力向上しますか?」
英語に慣れるという意味では決して悪くはない方法ですが、ただ聴くだけではほとんど効果はありません。曲の歌詞と一緒に聴いたり歌ってみたりする事を心がけましょう。
3. インプットとアウトプット
・能動的ラーニングの重要性
単語を暗記する、英語を聞くという過程で満足していませんか?
英語を話せるようになるために欠かせないのがアウトプットにフォーカスした能動的ラーニングです。
リーディング・リスニングにより頭の中の引き出しに英語の知識を「収納する」のが英語のインプット。その知識をライティング・スピーキングにより引き出しから「取り出して使う」のが英語のアウトプット。
後者であるアウトプットの経験が少ないため必然的に日本人はインプットができるのにアウトプットができないという不思議な体質になってしまうわけです。
アメリカ人の友達にこんなエピソードを聞いたことがあります。
彼女は日本に旅行で訪れ単独で東京の街を散策していました。彼女は駄菓子屋(彼女は日本のお菓子が大好き)を探していましたがなかなか見つからず、通りすがりの大学生と思われる3人の若者に近くの駄菓子屋までの道のりを訪ねました。彼等は歩みを止め、彼女の話を聞いていましたがなかなか聞き取れず焦りが募る中、1人が何かを思い出したかのように背負っていたリュックに手を伸ばし取り出したのがペンと紙切れ。そこからのコミュニケーションは筆談の形で行われ不思議とスムーズに行きました。そこから全員打ち解け仲良くなり、彼女もまた無事にお目当ての駄菓子屋まで行けたみたいです。
これといって面白い話というわけではないですが、私が皆さんに目を向けていただきたい点が2つ。
(1) 聞くと理解できない → 会話を字に起こすと理解出来る
(2) 話すことができない → 書けばある程度コミュニケーションがとれる
(1) は繰り返しお伝えしてきましたが、日常英会話のレベルの場合大抵は単語力不足でしたり発音の解釈のギャップが原因となります。リーディングという最も慣れ親しんだインプットの作業の方が楽に感じるというのは分からなくもありません。
気になる (2) ですが、なぜ筆談ができて会話ができないでしょうか?
・ スピーキングは反射の積み重ね
ライティングが決して得意ではないにもかかわらず、筆談によるコミュニケーションが可能になったのにはライティングとスピーキングの「アウトプットの速度」が関係しています。
「瞬間的な思考の言語化」が求められるスピーキングとは相反し、ライティングは思考を字に起こすため「言葉を選ぶ時間に余裕」がうまれます。
会話は言葉のキャッチボールと言われるくらいですからボールを受け取ったら無論すぐに投げ返さなければなりません。
日頃から当たり前のように日本語で行っているのでさほど難しいと実感する事ないと思います。でもそれは繰り返しに繰り返しを積み重ねた経験によって辿り着いた境地です。
会話1
Aさん: How are you?
Bさん: I'm fine thank you, and you?
会話2
Aさん: Where are you from?
Bさん: I'm from (Tokyo), Japan!
日本人なら絶対に一度は耳にするこの2つの会話、実際に英語で使われているかどうかはさておき、もしあなたがBさんだったら問題なく上記のように(または違う言い回しで) 反射的に受け答えできると思います。
「英語は話せない」と豪語する人もこれだけは簡単に言えてしまうって考えてみると不思議ではありませんか?
その反射こそが肝です。日常英会話にはある程度「パターン・型」があります。繰り返しの経験が英語での思考を反射に近づけます。
もちろん各々練習は出来るものの、パターンに誘導して練習をさせて経験を積ませるのが英会話の先生の役割という事です。
そこから自身でアレンジをして自分の物にする事により個性がうまれます。
様々なパターンを想定して自分の言いたいことを言語化する作業を繰り返し行うことによりいろいろな表現が “I’m fine thank you, and you?”と同様のレベルで反射的に口から出てくるようになります。
「反射の蓄積」がスムーズで更に複雑な会話を可能とする「英語脳」を育みます。英会話が英語を話せるようになるために不可欠な理由も正しくここにあります。
「会話の速度に合わせてアウトプットする」実践的な練習ができるというのが1つ。そして自身の考えを会話の中で言語化した時のその「記憶の定着度」が他とは比べものにならないというのが二つ目です。
会話の中での自身の言葉と相手のレスポンスがセットになってインプットされるため記憶に印象的に残るわけです。
・ ライティングもスピーキングに役立つ⁉
ライティングがなぜスピーキングに役立つのか。
実際に言いたい事が「10」と仮定すると、初期段階のスピーキングで言葉にできるのは精々「2~4」といったところです。それを極限の「10」まで引き上げる可能性を見出すのがライティングの力です!
ライティングの時間を活用して自分の言いたいことを時間をかけてもいいので表現してみましょう。
英語でなんて言えばこれ伝わるんだろう...
この状況に何度も何度もぶち当たって下さい。
英語の環境に身を置く事で強制的に自身の考えを英語で表現しなくてはならない状況が作れるという点で留学生にはアドバンテージがあります。
非留学生にとってそのアドバンテージを少しでも補うことができるのがライティングです。
・文法って勉強したほうがいいの?
スピーキングはある程度文法を無視しても相手に伝わるので必ずしも時間をかけて勉強する必要はありません。
しかし、知っていると綺麗な英語になり、話し相手にも教養があるという印象が伝わります。
また正しい文法の知識があると自分の言いたいことが表現しやすくなるのも事実です。文法が指標となり迷いなく自分の考えを簡潔に言葉にすることができます。
「英会話にはパターンがある」と先程言いましたが文法を習うことはそのパターンを理解する近道でもあります。
また、ライティングを洗練したい人にとっても文法の学習は大切です。
・話せないじゃなくて話したことがない
ここまでの話を踏まえると「英語が話せない」と捉えるよりは「英語を話したことが無い」という捉えた方が実はしっくりくるかもしれません。
これはたくさんの人に当てはまるのですが、英語を読めるという事は紛れもなく話す土台の知識 (単語・文法など) があるということ。
でもそれを実践の英会話で使ったことがない。そこが当たり前のようで当たり前じゃない「話せる人」と「話せない人」の決定的な違いです。
英語を話せるようになるためには如何に
「その英単語知ってる」⇒「その英単語使って話せる」
にシフトしていくかが勝負です。スピーキングはインプットのみの学習で養う事は現実的ではありません。
6 (アウトプット):4 (インプット)
これを大体の目安に学習時間を分配しましょう!
4. 間違える勇気
2〜4章は英語脳を作るための必要なテクニックに重きを置いたアプローチでしたが、ここからは英語を話せるようになるためにおいてとても大切なマインドセットについてのお話になります。
英会話の英語力が伸びる人に共通して言えることが決まって1つあります。
それが間違える勇気。
非ネイティブの英語力を構成する4つのカテゴリー(リーディング・リスニング・スピーキング・ライティング)の中で最もミスを犯しやすいのがスピーキングと言われています。
だからこそ人によっては避けて通れないのが不安との戦いです。これがどうしても邪魔をしてスピーキングの向上の妨げになってしまったという人を私は数十人と見てきました。
「理解してもらえなかったらどうしよう…」
理解してもらえないことは最初ならきっと幾度もあることでしょう。
拙い日本語を駆使して頑張って道を聞こうとしている外人の方を想像してみてください。
どうですか?恐らく彼の日本語は完璧ではないでしょう。
でも、何とかサポートして必死に理解してあげたいなって思いませんか?
大抵の人も同様に慣れない言語を使って話そうしている人を否定するようなことは決してありません。
「頭悪いって思われたらどうしよう…」
英語を話していると自分が言いたいことが普段日本語で話している時のようように上手く口からでてこないがために、自分がまるで馬鹿なのではないかといった錯覚のようなものに陥ってしまう方が多くいます。
大前提ですがあなたのインテリジェンスが第二言語の語学力で図られることはまずありません。
では何故そのように感じてしまうのか。
もしあなたの英語で表現したいことが仮に10単語を要していて、あなたが持っているボキャブラリーが5単語だとしたら表現できないのは言うまでもありません。
仮にボキャブラリーを持っていても、それを引き出せるかどうかはアウトプットの経験値によるものがあります。
つまりは知能の高さ低さではなく、「自身の考えを自由に表現するためのボキャブラリーの多さ少なさ」、「それを言葉として繋げる表現法の有無」、そして「アウトプットの経験値」です。
ましてや時に英会話では日本語でも言葉に詰まるような質問をされることは多々あります。それを英語で応答しなさいと言われても苦に感じることは当然のことです。
「アクセント馬鹿にされないかな…」
英語は世界の公用語として幅広く認識され、グローバル化に伴い年々英語総人口は目まぐるしい成長を遂げています。
そこで質問です。
この英語人口と称された人々の内訳ですが、一体どのくらいの割合の人が英語を第一言語として話していると思いますか?
世界経済フォーラムの統計によると世界英語人口約15億人のうち、英語ネイティブは約4億人未満と発表されています。
つまり…
世界英語人口の80%を非英語ネイティブが占めているのです。
たとえ世界の公用語が英語だとしても英語の標準はネイティブ英語ではなく非ネイティブ英語というわけです。
大学の講義によっては非ネイティブがネイティブの数より圧倒的に多いなんてことはざらにあります。
確かにネイティブ英語スピーカーは非ネイティブと比べ発音の綺麗さ、表現の幅広さが目立ちます。
しかし、私は非ネイティブの人たちが主導的に意見を交換しプロジェクト・プレゼンをより良いものへと導いていく様子を何度もこの目で目の当たりにしました。
そこには英語が綺麗に話せる/話せない人を隔てるものはありません。
あるのは英語を公用語としない国で育ちながらも巧みに英語を使い、ネイティブの英語とは違えど効果的にコミュニケーションをとる様です。
ビジネスの世界でもその傾向は顕著に表れています。
私が昔勤めていた先のホテルでもカナダ人・メキシコ人・インド人・中国人と多種多様なバックグラウンドを持ったエグゼクティブ(役員)がそれぞれの意見を交換して資料の作成をしたり、周りの人を動かしていました。
自分の英語がネイティブに又は他の人に劣っていると劣等感を抱くことはありません。
あなたのように懸命に英語を習得しようとしている人がこれからも、そして今までも世界を変えてきたのです。
5. 最後に
・Here Comes The Hardest Part
「話せるようになるための英語」の学び方・心構えをこのブログに集約しましたが、これを読めば話せるようになるという魔法では全くございません。
スピーキングの習得の上で外せない前提条件が「継続的実践」です。
いろいろな境遇の中英語を学ぼうとしている人がいると思いますが、その中でも特に日本で勉強していらっしゃる方々へ。
日々の生活で日本語を話して生活している人にとって英語脳を鍛えるという事は簡単なことではありません。
週1で継続的にやれば伸びますか?
結論から言いますと週1でいい結果は見込めません。
週1で3時間やるのなら週6で1日30分の方が効果的です。
使わないと忘れてしまう。これが言語習得に伴う非常に怖い点です。
こちらの図はドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが提唱した「忘却曲線」と呼ばれる理論で、人の記憶がどのように変化していくかを時間の経過とともに記録したものです。
保持していた記憶が20分で60%、1時間で40%、1日で30%近くまで減少しているのが見て取れると思います。
避けて通れない忘却線の下降ですがそれはあくまで何もせず放置した場合のケースです。
週1で3時間 ⇒ 週6で計3時間の最大の理由がこの忘却線の下降を相殺できるところにあります。
「一回の量よりも細かい継続」を意識してください。
3時間を例にしましたが英語で物事を考える時間は長ければ長いほどその分英語脳は発達します。
一日の中で少しでもその時間を取り入れるという癖を付けましょう。
余談ですがバングラデシュ人である私の父も日本に来て30年経ちましたが、母国語であるベンガル語を使う機会が減少して言葉に詰まることが増えたみたいです(笑)
それでは最後となりましたが私と一緒に本気で英語を学びたいという方へ。
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