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良い保育者ほど、よく遊ぶ~消極的な遊びから積極的な遊びに移行しよう~

 はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。現場保育士の皆さん「遊んでますか?」一応言っておきますがアフターファイブのことではありません。息抜きも大事ですけどね。

 日々の生活の中で子どもと遊んでいますか?

 「子どもと遊ぶことは「保育士の仕事の一環」なのだから、遊んでいるに決まっている!」 そう思っているあなたは要注意・・・・・・是非今回の記事を読み進めて欲しいです。

 結論から書くと、良い保育者ほど「子どもと遊ぶ時間を大切にする」ものです。それは「生きる力」と「信頼関係」を築く時間であると知っているからです。

 ここで言う「遊び」とは、活動の中の最低限の関りなどの”消極的な遊び”ではなく、時間をやりくりして、子どもの安全性を確保した上で保育者から関りを持つ”積極的な遊び”と定義しようと思います。

 この積極的な遊びの時間は、ある程度の技術や意識、気持ちの余裕、そして工夫がなければできません。時間的な制約もありますし、安全面での制約や、環境的、人的な影響も考慮しながら行う必要があるからです。

<新人の頃は積極的な遊びができないもの>

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 さて、みなさんは保育士になりたての頃に「保育士って忙しくて、思ってたより子どもと遊べないな・・・」と思ったことありますか?

 僕も新人の頃そう思って、同期の先生と悩みを共有していた頃がありました。恐らくは保育士となった人のほとんどが、こうした思いを一度は抱いたことがあるのではないでしょうか?

 そうなのです。保育士は分単位で活動と生活を繰り返すので「積極的な遊びの時間」というのは、意識して雑務の時間を短縮したり、計画の時点で活動そのものにゆとりを持たせるなどの工夫をしなければならず、一日が終わってみて「あれ?今日遊んでないな」となることも多々あります。

〇一般の人は「消極的な遊び」のイメージ

 あまりこの話題に触れると、点かなくて良い導火線に火が点くことも考えられるので、軽く触れます。

 よく聞く、一般の方からのイメージは「保育士は遊ぶだけの仕事」、「誰でも代わることができる簡単な仕事」 などと取り上げられたることがあります。今はかなり本来の姿の認知度が上がったようにも思いますが、昨今の状況を鑑みるに世間に浸透まではしていないようですね。

 それに対してムキになった保育士は「専門的な知識を持って遊ぶのは保育士にしかできない!」とか、「専門性も分からないのに簡単なんて言うな!」 と反論をしています。

 ご苦労なことですねぇ。もうすでにお互いに”スレ違い”があるのに、このまま話を進めるのですからお互いに納得できるわけがないのですよ。

 何故なら、一般の人と保育者とではそもそもの「遊び」という概念が違うのですから。

 この記事での「積極的な遊び」と「消極的な遊び」は僕が考えた言葉ですが、冒頭の文を読んだ保育者であれば違いが分かってもらえていると思います。しかし、そのことを一般の方は知りませんし、読んでも実感が湧かないと思います。

 この積極的な遊びかどうかという感覚は、保育者としての経験を積まなければ分からないものなのだろうと僕は個人的に感じています。勿論、文章を駆使すればイメージを伝えて、その違いをなんとなく理解した気にさせることは時間をかければ可能でしょう。ですが、実感はできないと思います。

〇「遊びは保育の一環」でなく「保育は遊びの一環」 

 冒頭で「遊びは保育の一環」と考えている人こそ、是非読み進めて欲しいと言ったのには理由があります。そうした考えの人ほど、日々の活動に力を入れても子ども達の反応が悪かったり、思う様な子どもの姿が見られないことが多いかもしれないからです。

 この小見出しは厳密に言うと誤っています。やはり遊びは保育の中に内包される一部であることに間違いはありません。なのでここでの「保育は遊びの一環」というのは設定保育や、活動の合間の時間のことを指していると思ってください。

 最初に言った様に積極的な遊びというのは、時間をやりくりしたり、活動そのものを工夫したり、複数担任であれば子どもの安全を確保する為に連携をする必要もあります。やはり、意識して機会を作らなければ積極的な遊びで子どもと関わるのは難しいことが分かります。

 遊びは保育に内包されている、確かにそうなのですが、ここでの遊びは「広義の遊び」であるように思います。もう少し説明を足すならば、積極的な遊びも消極的な遊びも合わせたものと言い換えることができるかと思います。確かにそうであれば遊びは保育に内包される、保育と言うサービスを提供する為の一つのツールであるということが分かります。

 新人の頃には「保育の中で遊ぶ」のにも必死です。カリキュラムを作成し、計画を立て、準備をして、連携もしながら安全で楽しい活動を提供する、反省をし、絶えず生活を見守っていく。日々の業務を要約しただけでも目が回りそうですね。

 そして段々と日々の業務に慣れてくると、少しずつ保育園の特色を教えてもらったり、自分から気づくなどして保育観とのすり合わせに苦悩する人もす。そうした時期を紆余曲折しながら抜けて、ようやく「子どもと関わる時間を作る」ことができるようになるのです。

<良い保育者ほど、よく遊ぶ>

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 これまでの解説で分かったように、よく積極的な遊びをしている保育者というのは、子どもの安全を確保しつつ、保育活動の質を保ち、時間をやりくりすることができている人ということになります。

 そして大前提に理解しておくべきこととして、子ども達にとっての「遊び」とは娯楽ではなく生活の一部分と言えるほどに大切なものだという事です。

 子ども達は遊びの中で学び、繰り返し、発展させ、発達が促されたり、社会性が培われたりしながら、日々遊んで成長をしていきます。

 なので、消極的な遊びが悪い関わり方だということではないのです。消極的な遊びもとても大切で、質を高めることで子どもの学びが深まります。しかし、それだけでは培われにくいものが「信頼関係」なのではないかと思っています。

 積極的な遊びとは強制された関りではありません。その子個人との関りを求めて保育者から発信される関りになります。つまり、「保育者と園児」から「人と人」の関りをするということです。

 すると、そうした保育者の感覚を敏感に感じ取った子ども達は嬉しそうに作った物をもってきたり、膝に座って遊び始めたり、「先生こっち~」と保育者を求めるようになります。

 子どもにとっての一番の報酬はみと認めることです。子どもにとっての一番の罰は無関心であると研究結果が出ています、叱ることよりも、極端に言えば暴力を振るわれることよりも無視をされることに傷つくのです。

 このように「遊び」とは?子どもにとっての「喜び」とは?に目を向けることができると信頼関係が望ましい形でできていくことに頷けますよね。一個人として関り、自分のことを認めてくれる人、子どもに限らず信頼される人の特徴に思います。

 保育士にも確かに保育の技術や慣れというものが存在しますが、やはり最後は個人個人の人間性がどれだけ豊かどうかが、良い保育者と認められる大きな要因になるのではないかと思います。

<「消極的な遊び」から「積極的な遊び」に移行しよう>

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 今回はかなり詳しく「遊び」について触れていきました。遊びは広く考えてしまうと確かに簡単な物なのかもしれません。安全性を考えず、子どもの発達を無視して遊べば確かに「誰にでもできる」ものだと思います。

 しかし、そう思われていること、認知されていることに憤り、不満を撒き散らしても理解はされませんし、何よりも自分自身が保育者として成長できなくなってしまいます。だったら、こうして少しずつでも理解してもらう機会を作っていくしかないかなと思っています。 

 保育者に関しては、「消極的な遊び」だけでは培われないものが沢山あります。ぜひ、自分で時間を作り、安全を確保して全力で遊ぶ時間を日々10分ずつだけでも取れるように工夫をしてみてください。

 「積極的な遊び」を実践していくと、これまでに見られなかった子どもの姿や成長・発達を発見する機会も増えます。何より、保育者としての成長が待っています。

 また、「積極的な遊び」を行える環境を作れる時と言うのは、精神面でも業務の面でもゆとりがもてた時なので、保育者にとっても腰を据えて遊ぶことができる貴重な時間になります。空気を張り詰める必要もないので、心から子どもとの関りを楽しめるようになると思いますよ。

 是非、この記事を読んだことをきっかけとして自分の保育を見つめ直し、「消極的な遊び」だけの日々から「積極的な遊び」を取り入れられるように移行してみてください。

 では、また学ぼうね!


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保育士りゅう先生

 保育士りゅう先生(「RyU先生」で子育てに関する記事の執筆を依頼を受けてしていました)

 保育現場で5年間正職員として働き、学生時代やライター活動時にも子どもとの関りがあるアルバイトをしていました。

 現在は現場を離れて、元々したかったママパパの心のケアや、保育士の心のケアをしていけるように自身のHP『保育士りゅう先生のあそびば!まなびば!』を作成・運営しています。

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