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ピグマリオン効果とゴーレム効果【子どもの未来も限界も周りの大人が創り出す】

 はい、みなさんこんにちは!男性保育士のRyU先生です。子ども達の未来は無限に広がっている。有名な希望ある言葉ですが、保育士ほどその言葉を身近に感じられる職業は少ないのではないかと感じています。

 その半面で、子どもの限界を作ってしまうのは、子どもの無限の未来を願う大人になりうるという心理学的な研文があることを知っていますか?

 今日は子どもの未来を創造するピグマリオン効果と、子どもの限界を生み出してしまうゴーレム効果について、例え話を交えながら解説をして、皆さんと共有をすることでアウトプットをしていきたいと思います!

<元は大学生を対象にした教育心理学の研究>

 この2つの理論はアメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタール氏によって提唱されました。

 教育心理学者である彼は「教師が生徒に望ましい結果を期待しながら接することで、生徒達の成績が向上するのではないか?」と仮定を立てました。そうしたことからピグマリオン効果は別名を【教師期待効果】とも呼ばれています。

 まずピグマリオン効果の要点としては「期待」が「成果」に影響を与えるということです。更にかみ砕いて説明をしていきましょう。

 【ピグマリオン効果】は「周りが望ましい結果を期待しながら接すると、期待を受けた人はその通りに望ましい結果を出しやすくなる」というものです。敢えて人は、と書いていますが、マウス実験でも同様で、実際に学生を対象にした実験でも得られたような効果が実証されています。

 対して【ゴーレム効果】はピグマリオン効果とは逆の結果も考えられるのではないかという仮説から後に研究されたもので、「人は周りが望ましくない結果を期待しながら接すると、その通りに望ましくない結果を招きやすくなる」ということを実験によって証明した理論になります。

 この2つの理論が何故、子どもの無限に広がっているはずの未来に影響を与えるのでしょうか?恐らくですが多くのママやパパははっとしているのではないでしょうか?

 理論だけ聞いていても飽きてしまいますね。では1つ例え話をしましょう。

<例えば歌が大好きだけど苦手な子がいたら?>

 あなたのお子さんは今2歳でお歌がとっても好きで、いつも元気に歌っています。でもちょっぴり音程が取れていなかったり、リズムが取れていないことがしばしば見られます。

 【ピグマリオン効果】の出る家庭では、そのお子さんに対して「こんなにも歌が好きなのだから、今は音程やリズムが取れなくてもいつかは取れるようになるし、もしかしたら歌手や音楽家になるかもしれないわ!」と期待を寄せて見守っています。

 対して【ゴーレム効果】の出る家庭では、お子さんが他の子と比べて音程もリズムも取れていないことから「いくら歌が好きでも、この子はきっと歌手や音楽家にはなれないだろうな・・・」と、すでに未来に雲をかけて見守っています。

 本来であればどちらも同じく、これから先いくらでも歌う技術や理論を身に着けることができるし、もっと音楽が好きになって歌手にも音楽家にもなれる可能性があるはずです。しかし、2つの家庭では見守る大人の「期待」に大きな差が生まれてしまっている状況です。

<周りの期待が効果に影響を与える>

 子どもに限らずですが、人は周りの雰囲気というものに敏感に出来ています。「お歌が好きなのね!」と同じ言葉を発していても、期待をしている家庭のママの声は明るく笑顔で言うでしょう、ですが期待をしていない家庭のママは笑顔を作っていたり、もしかすると眉をひそめて声をかけていたかもしれません。

 そのことに敏感に反応をした子は、期待された子はきっと笑顔でまた歌い出すのに、期待されていない子は歌うのを止めて違う遊びをするようになるかもしれません。その時に、その子の中から歌手や音楽家になる可能性が小さく萎んでしまった可能性があります。

 また、周りの行動も「期待」によって変わってきます。歌が好きだから、たくさん歌わせてあげたいと思ったママはお家でも音楽をかけたり、音楽教室に通わせるようになるかもしれません。

 一方でどれだけ歌が好きと分かっていても期待をしていなかったら音楽教室に通わせることもないかもしれませんし、音程の取れない歌を聞く気にもなれずにおうちで音楽を流すことも少なくなるかもしれません。

 人は「期待」という感情で、期待をする側も期待をされる側も大きな影響を受けやすい動物なのです。その結果として、期待をされて環境も用意してもらった子は努力をして歌手を目指し、一方の子はいつしか歌うことさえ嫌いになってしまって全く違う道に進むかもしれません。

 とは言えやはりあくまでも、理論上の話に過ぎません。期待された子もやっぱり歌手は目指さないかもしれないし、期待されなかった子が反発心からがむしゃらになって歌手の道に進むことも往々にしてあることでしょう。

 ですが、「期待」が後々の「成果」に対してとても大きな影響を与える可能性があることが、なんとなく伝わる例なのではないかなと思います。

 理論名や実験概要なんて覚える必要はありませんが、私たちが無意識にも意識的にも寄せてしまう「期待」が、大切なお子さんの未来に少なからず影響を与える可能性があるということを覚えておきたいですね。

 では、また学ぼうね!



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保育士りゅう先生

 保育士りゅう先生(「RyU先生」で子育てに関する記事の執筆を依頼を受けてしていました)

 保育現場で5年間正職員として働き、学生時代やライター活動時にも子どもとの関りがあるアルバイトをしていました。

 現在は現場を離れて、元々したかったママパパの心のケアや、保育士の心のケアをしていけるように自身のHP『保育士りゅう先生のあそびば!まなびば!』を作成・運営しています。

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