見出し画像

「預貯金(銀行預金)の罠 ~戦前の貯蓄美徳意識~」

 本記事では、銀行預金の実態について紐解いていきたいと思います
 まずは、私たちが普段銀行に預けたお金がどのように運用されているのか改めて考えてみましょう。


(預金者側)
 私たちがお金を銀行に預けた場合、銀行は利息(上乗せ)をつけてくれます。(ただし現在は日本がマイナス金利政策を実施しているため、利息がつくのは限りなく0に近いです。)ちなみに利息で1万円つけたかったら、銀行に約12億円預けなければなりません 笑。銀行預金は資産運用の分類からいうと超ローリターンな資産運用(お金を増やしたい方からすれば機械損失を生むだけなのでむしろマイナス)になります。
(銀行側目線)
 では次に、銀行側の目線でみてみましょう。銀行は、預金者(A)から預かったお金を、第三者(B(債務者))法人等に貸します。(私たちが銀行に預けたお金は第三者(B)に貸されています)そして、債務者(B)は借りた金額に利子を上乗せして銀行にお金を返済します。これが銀行のマネタイズ(収益化)です。そして、銀行は預金者(A)に対して利息をつけてくれます。


【そもそも私たちは銀行にお金を”預けている”のではなく、”貸している”】
 私たちが銀行に預けたお金を、銀行は第三者(債務者)に貸して、借りた第三者(債務者)が銀行に対して利子を上乗せして返済します。そして銀行は預金者から借りたお金に対して一定の利息を上乗せします。つまり、私たちは銀行にお金を貸している(預金)ので、銀行は借りた(預かった)お金に対して利息をつけて個人に返しているのです。

【銀行預金はハイリスク・超ローリターンな金融商品】
 一見すると、預金者にとっては、預けた(貸した)お金に対して利息をつけてくれるので、何もリスクは無いように感じられます。しかし実は、銀行預金というのは超ハイリスクな商品であることを知っていましたか?
 どういうことなのか、銀行のもう一つのマネタイズ(収益方法)を絡めながら、整理していきましょう。

【”手数料”という魔法の言葉】


 私たちが銀行口座に預けたお金を引き出す際、基本的に”手数料”ってかかりますよね。銀行にもよりますが、一般的には一回お金を引き出すのに108円くらいかかります。うん、常識ですよね。でもこれ、実はかなりおかしなシステムなんです。どうしてお金を貸した側がお金を返してもらう際に手数料が取られなければならないのでしょうか?すごく奇妙な現象です。
 分かり易い例として、個人間のやり取りを想像してみましょう。
★同じ会社で働いている太郎さんと同僚の花子さん、
>>太郎さん
  花子さん、お疲れ様!ちょっとお願いがあるんだけど…今日財布忘れてしまって…。お昼ごはん代1000円貸してくれないかな?明日には絶対返すからさっ(;'∀')
>>花子さん
  えー、しょうがないなぁ…。はい、1000円どうぞ。
>>太郎さん
  ありがとうっ!!助かるよ!
                 ~翌日~
>>太郎さん
  花子さん、昨日借りたお金返すね。(手数料を差し引いて…っと)。はい、900円。
>>花子さん
  …え?
>>太郎さん
  …え??
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 いやいや、めちゃくちゃおかしいですよね。何で貸した側が手数料を取られないといけないんだって話ですよね笑。むしろ借りた側が手数料のっけて返してくれよって感じですよね(笑)
 このように考えると、いかに銀行のマネタイズが巧妙か伺えますね……。苦笑

【銀行の利息<預金者の手数料】
 つまるところ、マイナス金利政策を実施している今の日本の銀行で預金しても、「”利息はほとんどつかず、それなのにお金を引き出すたびに膨大な手数料を取られる”」ので、ハイリスク・超ローリターンな金融商品として位置づけできるのです。

【”貯金は良いことだ”という戦前の美徳意識】
 私たちが学生から社会人になって、労働の対価として給与を受け取った時、少なからず”貯蓄”します。そして貯蓄が多ければ多いほど、良いことだ、素晴らしいことだ、と多くの方は思います。しかし、ここまで記事を読んだ皆さんは少し意識が変わりつつあるはずです。本当に銀行にお金を預けることが良いことなのか?と…。では、なぜ現代の日本人の多くが盲目的に預金や貯蓄が良いことだと認識しているのでしょうか?
 この発端は太平洋戦争時代に遡ります。戦争になった場合、莫大なお金が必要になります。そこで、国はその費用を調達するために、銀行や郵便局に預けられた国民の預貯金で賄おうとしました。そのため、国民の貯蓄額を増やすために、貯蓄は良いことだというポスターを作成しました。

 その結果、当時の国民は、国のために貯蓄することは良いことだという愛国心が芽生えました。これが、貯蓄に対する美徳意識が生まれた瞬間です。そして、貯蓄が良いことだと教えられ続けた結果、時代が変わった現代においても貯蓄は良いことだ、素晴らしいことだという価値観が根付いたのです。現代でも日本人の多くが、戦争時代の美徳意識を盲目的(無意識的)に信じています。

【”今”を生きる私たちのお金に対する意識改革】
 今は2019年、令和時代です。インターネットやテクノロジーが普及している時代です。メールや文書を誰かに送るのに、タイプライタを打ちますか?携帯電話を持っている人がわざわざ公衆電話を探しに行きますか?そうです、時代は変わっています。昔だったら常識だったタイプライタや公衆電話は、今は常識ではありません。それと同じようにお金も変わっています。貯蓄は良いことかもしれませんが、お金を増やす方法はそれだけではありません。ましてや何も考えずにお金を銀行に預けるのはリスクしか生みません。
 人生100年も生きる時代です、少しづつで良いので、お金の使い方、増やし方を一緒に学んでいきましょう(#^^#)

~次回、「すぐに出来るお金の増やし方① 固定費に敏感になれば年間○万円浮きます~
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?