連続する学びの面白さを知る-五ヶ瀬中等教育学校のグローバルフォレストピア探究の発表会に伺いました。-
3月上旬のこと。
五ヶ瀬中等教育学校から、グローバルフォレストピア探究の発表会で講評の任を仰せつかり(+授業をさせてもらうために*後日書く)、伺ってきました。1年生の発表、2年生の発表、5年生の発表(中等教育学校のため。高校2年生相当)を伺いました。
私の他に教育委員会の方、大学の先生方が講評としていらっしゃっており、いろいろな観点から子どもたちの発表を称賛し、より良くするためのアドバイスが出されていました。
ちなみに、率直に言うと、探究活動の発表会をいろいろな場所で見てきている中で、五ヶ瀬中等教育学校の子どもたちの発表は、何か違う感じがしました。改めて、何が彼らの発表からにじみ出ているのか、言葉にしてみました。
圧倒的原体験から始まる探究活動
まずもって、これだなと思いました。
例えばなんですが、この記事。
入学後すぐ、わらじづくりをする。(しかも教えてくれるのは、先輩たちだそう)。そして、、そのわらじで、10kmほど歩くそうな。これ以外にも色々な体験を五ヶ瀬中等教育学校の子どもたちはしている。その体験の中から、見つかった疑問や問いをもとに、探究活動が始まっている。問いが自然と生まれる体験がたくさん用意されている気がした。ただ、問いを生むための体験なのだろうが、ただ、そうとも言い切れないというか。純粋に、よい刺激が得られる良質な体験とも言えるものばかりである気がする。その中で、子どもたちは考えてきた結果を見ているような気がした。子どもたちの発表の一つ一つが自分の言葉で話せている発表だと感じられるからだ。だから彼らの発表は面白い。
6年一貫だからこそできる、継続的な学び。
3年間同じテーマで探究している、というような5年生の発表を聞いて、なるほど、これもまた中等教育学校の強みかもなと思った。やはり、高校だけ、中学校だけの探究だと時間の制約がある。(もしかしたら大学もそうかも知れない。)その中で、時間をかけた学びの中から、新しい気付きがどんどんと出てくるのだろう。去年より今年、今年より来年の学びがどんどん進化していく。そのようなことを感じさせる発表ばかりだった。また、下級生が上級生の背中を見て、より長い期間での学習の流れや発展性を見れることも、一貫した学びを助けているのかもなと思った。「先輩が、〇〇の探究をしている人、と言われているのが羨ましい」といっていた下級生がいた。なるほど、こういう文化ができているのはすごいなと思った。
五ヶ瀬中等教育学校らしさ、を語ってくれる遠い先輩の存在。
講評をご一緒した大学の先生は、五ヶ瀬中等教育学校の1期生とのこと(ことしか、来年、30周年らしいので、30代前の先輩)。五ヶ瀬中等の生徒らしいよね、とおっしゃる場面がいくつかあった。すごく不思議な表現に聞こえると思うが、初めて、この学校に伺った私自身、何か、受け継がれている何かがこの学校にはあるなと思った。「らしさ」がにじみ出ている学校やそこに在籍する生徒は面白い。この学校は「らしさ」をどう伝えているのだろうか、そんなことも気になったが、なにより、事実として、そのらしさは伝わっているようだと感じた。そこが、個人の探究の継続性に更にパワーを加える力になっているのかもしれないと思った。
まだまだありそうだけど、何よりとても楽しかった。いろんな発表があり、それぞれが楽しそうに発表しているのが面白かった。また、どの学年の生徒さんも、発表はもちろん、発表以外の部分でも主体的に動いていて、とても素敵な生徒さんだなぁと思った。
最後に。探究活動を作っていくためのポイントのようなものも2つ見つけた気がするので、書いておく。1つは、探究がどういう視点で評価をされているのか子どもたちは「事前に」伝えられている点である。当たり前かもしれないが、当たり前ではないときもある。もっというと、その視点がちゃんと子どもたちに「伝わっている」ことが素晴らしかった。もう一つは、しっかりと探究が称賛されていることが、伝わるような仕組みがされていることであった。校内の発表会なのに、こんなしっかりしたトロフィーを用意しているってすごい、そんなことを思った。やはり、こういう部分も大事にしているのだろうなと思ったところでした。
面白い子どもたちが多い、五ヶ瀬中等教育学校。そんな印象でした。
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