日航123便墜落事故を考察する『CVRの最初』
まずCVRってのはボイスレコーダーの事。
コックピット・ボイス・レコーダーの略です。ボイスレコーダーでは長いのでCVRと省略していきます。
CVR最初の部分
(CA)・・・たいって仰る方がいらっしゃるんですが、よろしいでしょうか?
(COP)気を付けて
(F/E)じゃ気を付けてお願いします
(COP)手早く
(CA)はい、ありがとうございます
(F/E)気を付けて下さい
(CA)→キャビンアテンダント
(COP)→副操縦士(機長昇格訓練中のため、機長席に)
(F/E)→機関士(当時は3人で操縦。機関士という役割の人が居た)
事故調の書き出しとは少々違いますが、分析や聞いた限りでは「たいって」と聞こえるので、そうします。
ちなみに
『なんで、これ以前の音声が無いんだ!そこが重要だろ!カットしたな!』
とか言う人が居るかもしれませんが、
当時のボイスレコーダーは最終ポイントから30分しか録音されない仕様です。
32分間録音されていたのは、テープの伸びが原因ではないか、と言われています。
CAが聞いたのは何だった?
事故に直接関係ないとは思いますが、色々な説がありますね。
●トイレ説
●コックピット見学説
●乳児のおむつ取り換え説
●棚に入れた荷物を出したい説
特にここに注目するべき事は無いと思ってます。
その後の副操縦士と機関士の内容が重要。
なぜ、そんなに「気を付けて」「手早く」と伝えたのか。
この時点で、コックピット見学説は否定とまでは言いませんが、「手早く」とは伝えないのかもしれません・・・
だけど、羽田・伊丹便ってのは水平飛行時間がかなり短い路線なので、早めにね~と言う事はあるでしょう。
ここでポイントなのが、ベルト着用サインが付いていたかどうか。
これに関しては、ぬいぐるみが配られた(衝撃音の前)という証言もあるが、微妙な所。
荷物を棚から降ろしたい。という意見もあって、個人的にはコレ採用。と言いたいくらいです。
というのも、当時の天候がポイントで
どうも九州あたりに台風9号(リー)があって、南からの湿った空気が入り込みやすく、天気が荒れやすい日だった・・・みたいなんですよね。
だから「気を付けて」「手早く」と伝えた。
そう考えるのが妥当ではないでしょうか。
音声解析による緊張度が高い理由
ここでネックになってくるのが、パイロットの緊張度が高い理由。
そして河津町の証言との食い違い。
風にあおられる事くらいで、緊張度が上がるのか?と言われたら、私はパイロットじゃないんで分かりません。
ただ、佐々木副操縦士は結構ベテラン級。
DC-8で機長資格を取得済
自身の総飛行時間は12,423時間41分で、B747については副操縦士として4,842時間22分
いくら台風が東シナ海海上にあったからといって、そこまで緊張度が高くなるのか、と言われたら正直言って分からん。
確かに風は飛行機操縦には常に気を付けるものだし、永遠に戦うべき相手?とか何とか言われてます。
だから、この緊張度の高さと喋ってる内容から、戦闘機が居たんじゃないか、と勘繰る人は居ますよね。
まぁ確かに、居ないとは言い切れないし、ただの尾翼脱落で河津町の人達が「花火じゃねぇよな」と思うような音がする?
と私も疑問に思います。
だから可能性として空自か何かが居たのかもしれません。
ただ、接触したかどうかは不明。尾翼を引き上げれば分かる事でしょう。
一旦まとめ
衝撃音前の出来事、CAとのやり取りは
お客さんが何かをしたいんだけど、着用サインが付いていたから確認を取った。
実は気流が不安定で、なかなかサインを解除できなかったのが要因か。
また、緊張度を上げてしまう何かを見つけてしまったか・・・
それは戦闘機の演習か・・・?
衝撃音後のCVRやり取り
事故調発表では最初、誰か分からない声で、解読不能なのか「・・・」となっている部分
何度聞いても「まずい」と言ってるような気がするんですが、他の言葉に聞こえる方は遠慮なく言ってほしいです。
ではCVRを書き出します。
CVRやり取り(事故調発表とは異なります)
(?)まずい(?)
(CAP)アンタ任したぞ(?)
(CAP)スコーク77
(COP)ギアドア(CAP)ギアみてギア
(F/E)えっ(CAP)ギアみてギア
(CAP)エンジン?
(COP)スコーク77
(F/E)オレンジギア
(COP)これみてくださいよ(?)
(F/E)えっ?オレンジギア
(COP)ハイドロプレッシャみませんか?
(CAP)あんた任したよ(?)
こんな感じ。
機関士のオールエンジン また、陰謀論になってる「オレンジエア」にも聞こえますが、操縦士たちがギアの事を言ってるので
オレンジギアとします。
オレンジギアとは
ボディギアやウィングギアの位置がズレると、機関士が見ている計器類の所にはオレンジのライトが点くようになってます。
ちなみに着陸する時などの正位置では、グリーンが点灯。
オールグリーンという事もあるそうです。
これはノイズキャンセリングなどを使用した、ボイス分析をした人もハッキリと分かったワケではないけど
さすがに「オールエンジン」とは聞こえません。
ただ、発音不明確部分やら前後の会話からして『オレンジギア』だろうと推察されます。
なぜオレンジランプが点灯したのか
これは、まだよく分かりません。
どうやらボディギアに関しては、油圧でギアが固定されているから
尾翼の脱落によって油圧が落ちる
↓
ギアの油圧も脱落
↓
機体傾きでギアが正しい位置に居られなくなった
↓
衝撃後の上下運動でギアポジションが変だとセンサーが作動
↓
離陸警報音が1.4秒鳴った
という事ではないか?と・・・
個人的には、そんな速度で油圧が死んだのかな?と思いましたが、専門家ではないので、そういうもんだとしたら特におかしな点はないだろう
と考えてます。
どうやら油圧系統の全脱落までには、衝撃音から少しタイムラグがあった・・・みたいな話をどっかで見たか聞いたんですが
何が正しいのかは分かりません。
すんません、分からん事だらけで・・・
ちなみに、東京都多摩市で撮影された写真をもってして、飛行機の腹に何かオレンジ色?のものが刺さってる
と言い張る人が居ますが
あれは、下部衝突防止ライトで、暗い時などは点灯させておく事が決められています。
ギア位置がズレてしまうと
ギアの位置が格納状態から変化すると、機内気圧が自動的に減圧される仕組みになってるそうです。
そのせいで瞬間的に客室内が減圧。
圧力隔壁が破れた、なんて無茶(?)な理論なんか必要なくなります。
瞬間的だから、霧もちょっとだけだし
客室内に突風が吹く事もなかった
パイロットたちはマスクせずに機体操作が出来た
これで矛盾点は部分的ですが、なくなります。
竺川説について
竺川さんは
垂直尾翼を高頻度で使用したひずみ。ねじれが原因で圧力隔壁上部に疲労がたまり、最終的には尾翼が脱落。
また圧力隔壁上部にすき間が発生したが、与圧で隔壁が曲がってすき間が塞がった。
もしくは天井の一部分かなにかが挟まり、減圧が停止した。
という考察です。
確かにJALは快適性のために差圧をボーイング社が言っていた6.9psiではなく8.9psiにしていた事は事実。
そして、尻もち事故。これで隔壁下部の交換はしたけど、上部はそのまま。
燃費の事も考え、距離のある路線は高高度を飛行していた。
などなどの理由で、尾翼付近には疲労がどんどん蓄積。
脱落してしまった
との見解を示しています。
これは真相に近いと私は考えます。
たまたま尻もち事故の後遺症を抱えていた。そして限界が訪れた。
そして、たまたま空自か何かが近くで演習をしてたか。
でも、演習とかしてたら普通はどっちも近づかないよう気を付けますけどね。
そこは分かんないんですけど。
それとも気流が悪かったのか・・・
今回のまとめ
CAがコックピットに確認しにいった内容については、あまり深掘りしません。
ただ、気を付けて。手早くと伝えてたので、何かしら危険をはらんでるという事を察知していた。
その理由は2つ
●気流の不安定な場所なので、怪我を心配した
●近くを戦闘機が飛行していて、回避行動を取る可能性が少なからずあった
と考えられます。他にもあるかもしれませんが・・・
今回はここまで。
次回、圧力隔壁の破れが事故原因ではない。この点を深掘りしていきます。
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