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日航123便墜落事故を考察する『河津町の証言』

日航123便の墜落事故は、私が生まれる前の1985年8月に起こった、史上最悪の航空機事故ですね。

以前までは

「ネットでボイスレコーダーと航路が一緒になったやつ、見た事あるなぁ」と思ってたくらい

最近になって、確かになんかおかしな点があるな

と感じ、調べていくうちに気になる事が増えてきたので、noteで整理しながら考察していこうと思いました。

静岡県賀茂郡河津町の証言とは

FNN系列が放送した、日航123便の特別番組です。

河津町で123便を目撃した、という方の証言を考察していきます。

「花火のような音」
「びりびりと響いてきた雷鳴のような」
「いやに大きく見えた」

この辺りを考察していきます。

衝撃音発生の時の証言について

河津町民の証言では、かなり大きな音だった。みたいな言い方でした。

ちなみに、近くの気圧振動系にも波形が記録されていたらしく、かなり強く大きな音だったんだろうと考えられます。

この証言が事実だとして、では一体何が123便の尾翼を破壊したのか。

●圧力隔壁破壊
●無人標的機
●ミサイル
●戦闘機
●隕石

とりあえず5つの可能性について考察しましょう。

圧力隔壁説

結論からいうと、おかしい。

何故かと言うと、河津町駅前から飛行航路図の衝撃発生地点は、三角関数を用いて計算した場合、直線距離で13km超離れています。

とりあえず音。としてだけの考察なので、実際に町民が「大きく見えた」と言う点は無視しますね。

13km先で花火が間近で破裂する時の音が発生したとすると、音は条件によりますが現地では87デシベルまで減衰します。

87デシベルというのは、まぁまぁの音量で騒々しい工場の中。よりは、ちょっとだけマシなくらい。

だけど、その音を「花火のような音」と表現するでしょうか?

しかも、それは尾翼の破壊の音で・・・。無理な話では?

ちなみに真上に航路がズレていて、高度は合ってるとすると、直線距離で7kmちょい。

同じく音発生地点から1mの範囲で170デシベル(花火の破裂音・間近)が発生した場合、駅前に届くくらいには92デシベル。さっきより少し上がってますが、そんなに上がってる訳でもない。

そもそも距離があると、音の高い成分は拡散してしまって、低い音が届きます。

証言者が言うような「ドッカーーン」というような音にはならないと思います。

なので、圧力隔壁説は考えづらい。

無人標的機

これはボイスレコーダーの「オレンジエア」と言ってるような感じから説としてよく言われてますが

当時の相模湾には、まつゆきしか公式には居ない事になってます。まつゆきに無人標的機を飛ばせる能力は搭載されてない。

ちなみに、ファイヤービーやチャカⅡが仮に後ろから当たったとして、その時の衝撃はDFDRに残っている前向き110kNと比べたら、かなりデカくなる計算になってしまいます。

かすめた、とか。まぁ色々な説がありますが、そこは置いといて。

これも衝撃音が届いたとしても、なかなか地表には花火のような。雷鳴のような音としては届きづらいと考えます。

そもそも生存者の証言では「パーン」というような音がした。

とか言ってます。パーンでは済まないと思う。

なので無人標的機は、まぁあり得そうだけど可能性が低そうだ。

ミサイル

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ミサイルの場合、重量と速度から計算すると110kN程度の前向きの力を与える事は、可能です。

ただこれも地上にまで「花火のような。雷鳴のような音」として届くのかと言われたら微妙。

生存者証言も含めると、どうもしっくりこない。

ちなみにミサイルではソニックブームは生じないとか、生じても小さくて届かないらしいです・・・ちょっとこの辺は調べ不足で曖昧ですが。

どうも当日の天候は荒れやすく、九州方面には台風が居たようです。

南から湿度の高い空気が入り込みやすいので、騒音レベルは下がりづらいとも考えられます。

音というのは湿度・風・温度で複雑に変化します。

湿度は高い方が音の減衰が少ない。温度に対して騒音レベルの減少はあまり関係ない。速度が変化する。

風向きによっては届きづらくなる。

どちらかというと、発生地点と目撃証言の位置関係。風向きは、離れるような方向。南西の風が吹いてたとか。

ミサイルの線はありそうだけど、これも微妙。

戦闘機

いやいや戦闘機が当たったら、戦闘機も無事じゃないだろ。

と思うかもしれませんが、航空機同士の接触事故で、片方は翼の先だけが脱落して気付かずに着陸。片方は墜落した事故が2006年に発生しています。

ゴル航空1907便墜落事故

なので、かすめた可能性も考えられる。

音は?というと、ソニックブームが発生していたとすると

機内では「パーン」地上では「ドッカーン」という音が届くのは、一応矛盾しません。

隕石

ちょうどペルセウス座流星群の極大日なので、隕石説もあります。

確かに隕石の速度であれば、地上にまで大きな音が届く事も。

ただ、可能性としてはメチャクチャ低いと思われます。

音的にはしっくり来るけど、可能性低すぎ。

なんにせよ、尾翼が引き上げられて調べてくれないと断定はかなり難しいと思われます。

音による考察の結果

●圧力隔壁破壊←ちょっと無理
●無人標的機←これも無理っぽい(他も勘案すると
●ミサイル←微妙
●戦闘機←なくはない
●隕石←確率的に低すぎるけど、なくはない

こんな感じ。

それでは次は、実際の目撃証言で表現していたような大きさで飛行機は見えるのか考察してみましょう。

現地から日航123便はどれくらいの大きさで見えたか

渡辺さんは、いやに大きく見えた。と言っています。

まぁ、そもそも渡辺証言と航路はズレてるんですけど・・・

とりあえず、実際にどれくらいの大きさで見えるのか計算してみました。

B747SR-100の全長は70.6m

この大きさの物体が高度24000ftにある時、視角は0.552度となります。

どんくらいなのかというと、空に浮かんだ月(満月)の直径と同じくらい。

ちなみにこの視角は、仮に河津町の真上を通過(高度は24000ft)している時が条件です。

事故調が発表した航路図とはズレていると仮定した場合です。

ちなみに事故調が出した航路図で計算し直すと、視角0.299度

約、半分になってしまいます。

これで「大きく見えた」と表現してしまうか・・・?

確かに、大きさは同じでも視野の範囲内に別のものがあると大きく見える錯覚を起こします。

なので、私は航路図でも特に2次元方向のズレはあったんじゃないか、と考えます。

高度も方位も合ってるけど、位置が違う。

まぁこれは当時の技術的に正確に落とし込めたかどうかは、よー分からんので記録が間違ってる!とは言い切れませんけど(汗)

今回のまとめ

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尾翼が脱落した原因は、特定できないけど、音証言からすると

戦闘機や隕石の接触、もしくはかすめた。こんな可能性が考えられる。

事故調が発表している航路図にはズレがあると思われる。

伊豆半島・賀茂郡辺りは海上ではなく、地上を通ってたかもしれない。

次回、CVR最初の辺りを考察します。

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