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【書評】キャロル・S・ドゥエック『マインドセット 「やればできる!」の研究』

マインドセットって聞いたことありますか??
簡単に言うと、自分の持っている思考回路の癖のことです。

マインドセットには、「固定マインドセット」と「成長マインドセット」の2種類があって、あらゆる事象においてどちらかの思考をしていると言われています。

自分のマインドセットを自覚し、コントロールしていくことで、自分の能力が上がり、人間関係も良くなり、人生が豊かになっていくそうです。

ということで今回は、キャロル・S・ドゥエックさんの『マインドセット 「やればできる!」の研究』という本を紹介していきます。

本書の基本情報

基本情報

タイトル:『マインドセット 「やればできる!」の研究』
著者:キャロル・S・ドゥエック(スタンフォード大学 心理学教授)
出版社:草思社
価格:1,700円+税
ページ数:351p
ISBN:978-4-7942-2178-0

紹介文(本の帯より)

ビル・ゲイツ、絶賛!!
20年にわたる調査で科学的に実証された人生を変える最強メンタルの作り方!!
「自分の能力をもっと高めたいと思っているビジネスパーソンにも、チャレンジ精神あふれる子どもに育てたいと思っている親にも、うってつけの本だ」――ビルゲイツ

引用元:キャロル・S・ドゥエック『マインドセット』(本の帯より)

おすすめポイント

ものの見方が変わり、可能性を感じられるようになる。

この本には、「硬直(固定)マインドセット」と「しなやか(成長)マインドセット」という二種類のマインドセットが登場します。

「硬直マインドセット」「しなやかマインドセット」
硬直マインドセット
自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人。自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない。

しなやかマインドセット
人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができるという信念を持っている人。うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りを見せる。

硬直マインドセットの人は、生まれ持った才能を信じすぎたり、成果をすぐに求めてしまう傾向にあります。このように考えると、「できない」自分を肯定できますし、努力をする必要がないので、”楽”なんですよね。でもこの安心感は一時的なものにすぎず、結局周りと比べて「自分は劣っている」「ダメ人間だ」というネガティブな自己評価をしてしまい、もっとこじれると他者の足を引っ張るような行動をとってしまうことにも繋がっていってしまいます。
人間は意識していないと楽な方を選びがちなので、自然と「硬直マインドセット」が身についてしまいがちです。
ある分野ではしなやかマインドセットだけど、違う分野(特に自分の苦手なものに対してそうなりがち)では硬直マインドセットになっている、という方もいらっしゃいます。
硬直マインドセットは自己肯定感を低くし、他者との関係も良くないもの二していく恐れがあるので、少しでも「当てはまるな…」と思った方は注意してください。

この本では、「スポーツ」「ビジネス」「人間関係」「教育」というテーマを取り上げ、硬直マインドセットとしなやかマインドセットの違いが書かれています。具体的な事例がいくつも載っているので、参考になると思います。
こうやって考えると「しなやかマインドセット」になれるんだな、というのが分かります。
しなやかマインドセットを身に付けると、自分の可能性が開けたように感じ、努力する意欲が湧くようになります。見方・心の持ち方(マインドセット)を変えるだけで、長期的な目線で努力し、他者と良好な関係を築けるようになるのです。

マインドセットを変えるというのは、自分の価値観を拡張することにも繋がります。ぜひ、この本を読んで「しなやかマインドセット」を少しずつ獲得していってください。

人間関係を豊かにする。

前の項目でも少し述べましたが、しなやかマインドセットを身に付けると、自分を高められるだけでなく、人間関係まで良好なものにできると言われています。

「人間関係」の項目では、人と関わる上で非常に重要なことが書かれているので簡単にまとめてみますね。

硬直マインドセットの特徴
・「言わなくても分かるはず」「相手は自分と全く同じ考えのはず」と、人間関係を育もうとする努力を怠る。

・「人間関係に問題が起きるのは、性格的な欠陥があるからだ」と思い、相手を責めたり、良好な関係を築く努力を怠る。

・人間には”優れたもの”と”劣ったもの”がいるという価値観を持っている。

しなやかマインドセットの特徴
・相手を許すことができる。

・相手の話を聞き、自分の気持ちも伝えることができる。対話的な姿勢。

・一見、欠点のように見えることも、長所にもなりうると考えることができる。

・信頼しあえる人間関係を構築するには時間がかかることがある、ということを理解している。

いかがでしょうか。

「この人は元来こういう人だから…」
「あの人は自分が想像していたような人じゃなかった」

などと、人間関係がうまくいかない理由を探して、関係を築くことを諦めていないでしょうか。

人間は変化を嫌う生き物ですが、それでも考え方を変え、様々な人の価値観に触れていくことで徐々に変わっていくものです。時間はかかりますが、肯定的な目線で相手を見ていく努力が人間関係の構築には必要だと思います。

まとめ

この本を読んだ時、自身の「硬直マインドセット」に気付かされました。

「自分にはもともとそういう能力がないんだ」と、自分の能力のなさを正当化し、努力もせずにはじめから諦めていたことがたくさんあったな、と反省しました。

見方や考え方を変えるだけで、世界はどこまでも広がっていきますし、自分の可能性も広がっていきます。

しなやかマインドセットを身に付けたところで、全てにおいてうまくいくとは限りませんが、意識改革をするということはとても大切なことだなと感じました。

自己肯定感の低い方、努力する気力が湧かない方、人間関係を築けない方…そういう人たちにはとても刺さる内容になっていると思います。
ぜひ読んでみてほしい本です。

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