#14 ナイトルーティーン／泖

【往復書簡 #14 のやりとり】
月曜日：及川恵子〈寝る前に、シュワシュワさせたいんです〉
水曜日：泖〈お前はなんのために歩くのだ〉
金曜日：くろさわかな

お前はなんのために歩くのだ

ギリギリ水曜日の時間帯です。こんばんは。

なんだかまっすぐ家に帰りたくない日ってありませんか？

嫌なことがあったり、むしゃくしゃしてるわけではないんですけど。
たぶん気分を紛らわしたいのは確か。でもその正体はわかりません。
なんだこの思春期真っ只中みたいな感情は！
う〜ん。
ただ静かに一人になりたいだけかもしれないな。

最近はそんな日がすごく多くて、仕事終わりには夜の仙台をちょっと散歩したり、映画を観たりして意味もなく時間をかせいでいます。

わたしは基本的に昼間より夜が好きなのですが、夜ってなんか落ち着くんですよね〜。夜の静寂さが、何も言わずただ黙って側にいてくれる恋人みたいな感じで。わたしにとって夜は包容力の塊なんです。そこに散歩が加わると、なおさら良い！

特に仙台駅付近から『フォーラム仙台』の間を散歩するのが大好きです。いまの職場が仙台駅付近にあるので、フォーラムで観たいレイトショーがあるときは、ゆっくり40分くらいかけて散歩します。

レイトショーの帰りは、たいてい電車の発車時刻まで余裕があって、行きよりもゆっくり散歩できるのでもっと好きです。

わたしの住んでいるところは田舎だからか心許ない外灯がちらほらあるだけで、夜になると真っ暗になります。夜にちょっとフラフラ散歩、なんてできる雰囲気ではないのです。軽い肝試しになってしまいます。

しかも。田舎って昼間でも夜でも人が歩いているのが珍しいから、それだけで噂の的になってしまう。そんなところで暮らしていると、他人の目を気にしてしまう自分が時々嫌になります。だから夜の仙台は、”一応、光はつけておくので。あとはご自由に” という具合に夜の時間の使い方を丸投げしてくれる感じがすごく心地いい。

寝る前に自宅付近で散歩できたら、どれだけ気持ちよく眠れるんだろう。わたしの住んでいる場所にも、もっと外灯があれば落ち着いて夜の散歩ができるのになぁ。

今日は仕事が休みで仙台の街中に用事を済ませに来ていたのですが、用事を済ませたら早く帰ればいいのに、今夜も映画を観て、散歩をして時間をつぶしました。最近の夜の仙台はコロナの影響で人があまり出歩かなくなったので、非常に散歩しやすいです。

でも、そこにはちょっと物哀しさがあって、手放しには喜べない自分もいます。日本のお偉いさんは「給付金は国民の貯蓄を増やしただけ」なんて言ってたけど、今も生活に困窮している人たちはたくさんいて、自分も含めてどれくらいの人が”明日”に不安を抱えて生きているのか想像すると、無力感とか、絶望感とかで頭が狂いそうになります。

しかもなんで唯一の核被爆国である日本が核兵器禁止条約に署名しないわけ？「核兵器禁止条約は我が国のアプローチとは異なる」ってどういうことよ。そりゃ憲法の解釈も自由自在だわな。

悔しくて仕方ない。
だが、わたしは絶望感と戦ってやるぞ。

という決意を胸に、映画と夜の散歩から、さきほど帰宅しました。なんか、実はいろんなことに怒ってんのかな。わたし。だから家に帰りたくなくて夜にフラフラしてんのか？だとしたらやっぱり思春期真っ只中じゃねーか！
でもこういう自分も嫌になるけど好き。結局ね。

今日もたくさん道草くったし、お風呂入って、美顔ローラーで顔をゴロゴロして、ストレッチして、寝るか。

以上、りゅうでした。


追伸。
最近、『呪術廻戦』というアニメにハマっていて、五条先生というキャラがすごく好きです。
漫画原作でMAPPAという制作会社（アニメ『BANANA FISH』の制作も！）が作っているのですが、オープニングからエンディングまで全部いい。ストーリーも好きですが、特にエンディングがとてもスタイリッシュで何回も観てしまう。
しかも、仙台スタジオも制作に関わっているので、宮城県民としてはすごくうれしいですよね。Netflixでも配信中。