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#79 「怖い」の対処法/泖

【往復書簡 #79 のやりとり】
金曜日(3/18):くろさわかな〈くだらないけど〉
月曜日(3/21):及川恵子〈もお〜!〉
水曜日(3/23):泖〈結局ラジオ〉

結局ラジオ

16日の地震からもう1週間が経ちますが、ほぼ毎日余震があるので気が抜けませんね。ほぼ毎日っていうのが、また近いうちにすんげぇ地震がくるんじゃないかと思ってしまい、ヒジョーーーに怖いです。

地震の影響により、特に関東では電力供給が間に合わないから節電を呼びかけられていましたね。急な冬日和に「室温は20度に設定を」と言われても、寒くてどうしようもないのに満足に暖房も使えないなんて終末感を覚えてしまいます。

ましてや先日の地震でわたしの部屋は本棚が倒れ、床一面に本やら雑貨やらがなだれこみ「終末の化身」状態だったのに(おかげで現在進行形で部屋を大改造するはめに。年末の大掃除よりがんばっています)。

今日もジェーン・スーさんのラジオを聴きながら仕事をしていたのですが、リスナーから番組宛に電力の件で「推しを想う力や興奮がそのまま電力になれば、良い発電になると思う。頭のいい人、ぜひ開発に取り組んでほしい」という声が届いていました。それに対してスーさんはかなり賛同して「自宅くらいはそれで賄えるわ。あ、でもまた推しの動画見て電力使っちゃうか」と、なんとも微笑ましいやりとりを聴くことができました。

「電力足りてないの、こわい」と思っていたのですが、ラジオのおかげで気持ちを落ち着きました。

大きな地震に遭ったときもそうだったのですが、わたしは恐怖を感じると人の声を聴きたくなります。普段、わたしは一人の世界に浸っているので家ではあまり喋ろうとしません。でも、地震のときはめちゃくちゃ饒舌になり、家族に話しかけまくります。

「いまの絶対に震度やばくない?」
「ねぇねぇみてみてこれやばいって」
「うわ〜〜やばーーい」
「え、やばすぎない?」
「倒れてんだけど、やば」
「割れてんだけど、やば」
「え、え、ちょっとちょっと、また地震きてるよね、やば」

やばいのオンパレード。
しかし、誰かに反応してもらいたくて、誰かの声を聴いていたくて、そんな気持ちを表現するのが毎回「やばい」しか見つかりません。

そんなわたしがいつも助かっているのが、ラジオ。
ラジオはずっと誰かがしゃべってくれている。地震が起きたときもずっと情報を流してくれていたし、優しい言葉をかけてくれてました。しかもこちらも落ち着くまで勝手に喋らせてくれるので、だんだん気持ちが落ち着いていきます。すごくありがたい。実際に近くに人がいるわけじゃないのに、不思議ですよね。災害があったときは、特に近くにいてくれるように感じます。距離が離れているのにちゃんと同じ線上に寄り添ってくれているイメージ。うまく伝えられないけど、すごく温かみを感じるんです。

テレビでも良いのですが、アナウンサーや中継先のリポーターの険しい表情などを見ると、またグッと怖さを感じます。わたしだけかもしれませんが声だけのほうが、むしろ落ち着くときがあるのかもしれない。

ラジオ、最強です。


追伸。
明日でTBSラジオ『伊集院光とらじおと』が終了してしまいます。好きだったのにな。かなしい。こういうときに「好きな番組なんだから恥ずかしがらずにメールとか送っておくんだった」と痛感します。

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