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原油価格と先物


注記)この記事は素人が自らの疑問を解決すべくメモとして、ネット等を参考にしたものです。真意についてはご自身で確認をお願いします。


先日の原油価格のマイナスが記憶に新しいですが、ふと疑問に思ったことがある。
なぜ、、原油がマイナスなのに日本のガソリンは高いままなのか?

ふと疑問に思ったので、色々調べてみた!
本当ネットの海は広大だわ…

そもそも原油から石油、ガソリン、灯油、プラスチックにアスファルトなどの元になるのはご存知かと思うのですが主な産油国はどこなのか。

主な原油マーカーと産油量、及び消費地域

ドバイ原油  オマーン   WTI      ブレント
中東     中東     テキサス    北米圏  6.5万     58万     30万       19万  アジア向   アジア向   米国内      EU圏〔bbl/d〕(2007年データ)

WTI…West Texas Intermediateの略
マーカーとは市場価格を決める取引所別の原油の名称。↓参照

https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_project_/pdf/4/4335/201103_001a.pdf


国別で言うと


1 アメリカ合衆国(米国) 1,531万1,000
2 サウジアラビア 1,228万7,000
3 ロシア 1,143万8,00

(単位:バレル/日量 出典:BP Statistical Review of World Energy 2019 - Oil: Production, 2018)

意外とロシアが多いですね。OPEC+の+はロシアとその他産油国(1部)のことで、この前まで需要がないにもかかわらず減産しないというチキンレースをしてましたね。

https://www.newsweekjapan.jp/amp/stories/business/2020/04/opec-7.php?page=1

原油市場の覇権争いの末の市場初マイナス原油価格だったわけなんですが、それもこれもアメリカの力が強くなりすぎた為とも言えます。
世界の原油価格はWTI原油の先物市場規模が大きすぎて、実質的にそこで決まっており、さらにアメリカはシェールガスによって世界一の産油国となり一層米一強に近くなって来ました。それと同時に石油市場も飽和状態になってきました。

比較的ランニングコストの高いシェールガスが売れないと米国内関連企業は潰れてしまう為、原油価格を高く維持しておきたい米国はこのマイナス原油価格は痛い、世界経済としても原油価格低迷は即ち経済活動の縮小化を意味するので余り歓迎できないことから、トランプは裏でopec+に釘を刺したとも言われています。おかげで逆オイルショックは打開できました。

https://oilgas-info.jogmec.go.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/943/20191127_Washington.pdf

とは言え原油価格が落ち着いたとは言え、未だにコロナは新興国で流行ってますし、すぐに戻るとは思えませんし、世界でシェールガスの採掘技術が進めば天然ガスが石油の位置を奪うことだってあり得るかもしれません。(メタンハイドレートどこ?)


以下、トウシルのシェールガス解説より引用

シェールガスとは
シェールガスといった場合、それは全く新しい技術を指すのではなく、これまで50年近くかけて米国の石油・天然ガス業界が培ってきた生産技術を応用することで、いままで取りにくかった場所から効率良く石油や天然ガスを汲みあげるという手法全体を指します。
地層の面からの定義
シェール(Shale)とは頁岩(「けつがん」=泥が固まり板状になった地層)を指します。シェールガスは、そこに閉じ込められて、従来の方法ではアクセスしにくかった天然ガスを指します。
普通、油田には天然ガスと石油の両方がミックスされて閉じ込められている場合も多く、天然ガスの比率が多い油田はgassyと言われます。したがってシェールガス、シェールオイルという呼称は、そのミックスの、どちらの比率が大きいかで「これは天然ガス田、これは油田」という風に呼び分けているに過ぎないということです。

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https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/shale_gas/


→先物と原油

先物という言葉は耳にする思いますが、元々は生産元の保護の為に生まれた制度です。
例えば先に期日に◯◯を◯◯ドルで売るよ!という約束を取り交わすことで、市場価格を安定させたり、また生産量のばらつきや価格変動を現物の売り買いに加えて先物取引するこでリスクヘッジする画期的な取引なのです。発祥は日本の米市場と言われていますね。


しかし、近年はレバレッジという証拠金以上に倍率をかけて行う先物取引がメインとなり投機的な商品=先物となってしまいました。良く言うFXも通貨を対象とした先物の一つです。

因みにETFで原油を扱う1671wti原油などは
モノホンのwti原油先物を買っており、5月につけた原油マイナス価格とはモノホンwtiの5月限(限月とはその日付で〇〇ドルで原油取引するという期日)がマイナスをつけただけで、世界全体の原油がマイナス価格となったわけではありません。

貯蔵量を超えて生産してしまった結果マイナスとなったわけですが、ETFのwtiなどはロールオーバーなどのシステムがあったのでタダで買えたわけではありません。

その他コンタンゴやらバックワーテーションとかETF特有の仕組みがありますが、詳しくは僕も充分理解できてないので勝負する人は総合商社マンさんのブログを是非みてください!めちゃめちゃわかりやすい…

https://www.sogoshoshaman.com/archive/category/商品市況

基本は日本で一般人が買うなら、ETFかCFDなど、副次的な物ですので、モノホンのWTIは個人では買えません※。(先物で売りで決済せずに期日迎えると現物渡しでテキサスまで原油取りに行かないとダメですからね)

※東京商品取引所(TOCOM)のプラッツドバイ原油価格を基にした指数に連動する「上場投資証券(ETN)」なら証券会社経由で購入可能。

https://www.hoxsin.co.jp/online/d-sta/oil_2017.asp


原油先物のツワモノニキともなると石油タンクの稼働率を衛星写真で確認、産油国洋上待機してる輸送船の数まで見てるとか見てないとか。

我々我々はそこまで無理ですが、シェールガスの採掘用リグ数によって動向探ることもできるそう。シェールリグ増加→シェール増産=原油価格の上昇。 

https://m.jp.investing.com/economic-calendar/baker-hughes-u.s.-rig-count-1652

リグ写真

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現実アメリカのリグ稼働率は飽和状態から今後は当てにならないかもしれませんが…

https://news.yahoo.co.jp/articles/7a28b50640a709c3a565d9a43f3a726885940e5d

上記の様に確かに原油価格は今回かなり下がったのは事実ですが、マイナスとなったのはWTI原油先物の5月限の話ですから、世界中で原油がタダになったわけではないわけです。特に日本の原油は中東からの輸入に頼ってますから、直接マイナス価格は関係なかったわけです。

ことさら日本の輸入原油CIF価格は現地での採掘コストや輸送コスト、先物動向や、現地紛争など色々影響させる上に、多彩な税上乗せがあるので仮に輸入先の原油がマイナスになっても、日本でガソリン価格がマイナスになることは考えにくいでしょう。


https://www.toseki.jp/kakaku/cif.html
↑原油輸入価格
http://www.kakimi.co.jp/040000.htm

↑ガソリン上乗せ税について

こう言う背景もありGSでガソリン入れても逆に現金はくれないわけですね!残念。

今後原油最高価格まで戻るかどうかはわかりませんが、(個人的には車のEV化など進んでますし、世界情勢不安でもない限りそこまで戻らないのでは…と思ってます)

下記の東京商品取引所の130ページに渡る資料を読んで頂ければある程度予測がつくかもしれません…
途中で自分は挫折しました。。

https://www.tocom.or.jp/jp/guide/study/textbook/documents/2017_oil_text_002.pdf

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