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【商品考察】ファンドラップ(5) ~フィデリティ証券「ザ・ハイブリッド」のセリングシナリオ~

ファンドラップをコア資産にできるかを、ダイワファンドラップを運用しながら検証しているので、ファンドラップについてシリーズで書いている。

5回目の今回は、

フィデリティ証券のファンドラップ「ザ・ハイブリッド」をたまたま見つけ、

うまく商品説明されていて、ファンドラップの特性が、まとめられていたので、

「アドバイス担当者付きコース」(リモート面談)

の、参考になった部分を整理してみた。

ロボアド風なのだけど、IFA会社に丸投げしないで、自社内で対面サービスを提供しているところに好感が持てた。


既存利用者向けの宣伝がうまい


一言でいってセリングシナリオがうまい!

こなれているという印象。
おそらく日本より先行しているのだろう。

ファンドラップに満足していますか?

と問いかけ、
既存ユーザーの不満、疑問に直接アプローチしている。

内容的には、海外のサイトを翻訳して作った印象も受けるが、
対面ファンドラップの弱点である3点をカバーできている。

・低コスト
・ていねいな運用報告
・余計な商品を営業されるリスク回避

中身の特徴は3点で、
・アクティブファンド中心のポートフォリオ
・グローバル運用
・毎月見直し

責任者も顔出しており、ファンドマネージャーに注力してる点とオルタナティブは強そうな印象を持った。

「ザ・ハイブリッド」も野村證券同様、日本株のウエイトは微々たるもので、攻めたポートフォリオで運用している。

ちょっと笑えるというか、変なのがキャンペーンで、

キャンペーンプレゼント①:お客様の投資計画を提案する「無料診断」を受けていただいた方、先着1,000名様に現金200円プレゼント!

合計20万円。うーん、微妙。あんまり見たことがない。


サポート体制と直近のパフォーマンス報告


「ザ・ハイブリッド」の1周年記念セミナー動画(22年8月)を見つけた.。第2部(動画の30分ごろから)のサポート体制とパフォーマンス報告が参考になる。


和製ファンドラップでないラップサービスが、この1年間で、どれくらいのパフォーマンスを出せているかは、大いに参考になる。

この動画を見る限り、
ダイワファンドラップの弱点は、ほぼカバーできている。
特に運用報告については、見習ってほしい。

大和証券へは、数回、満足度調査で運用報告の改善を要望したが、弱小投資家なので、まったく相手にされていない。。。

大和証券は、老舗のラップサービスなのに、担当者は、他の案件で忙しく個別の運用報告はない。

一方、「ザ・ハイブリッド」は、既にプロセス化されているので、本来の運用報告が実施されるのだと思う。

ダイワファンドラップも、これくらいのレベルの動画は定期的に出してほしいと切に思う。

コスト

固定報酬のみで合計 約1.5%程度。
投資一任報酬が、0.55%で少し高め。
これは、年4回のリモート面談コストを上乗せしているのだと思う。

シンプルで十分納得できる。

内訳は、ファンドの信託報酬以外に、投資一任報酬の残りを
委託会社、販売会社、受託会社で分け合う。

純資産総額に対して年率1.49%~1.55%程度
<上記の内訳>
投信の信託報酬の委託会社配分 年率0.165%〜0.583%
投信の信託報酬の販売会社配分 年率0.220%
投信の信託報酬の受託会社配分 年率0.022%
投信の投資対象ファンドの信託報酬等 年率0.38%~0.83%
投資顧問契約にかかる投資顧問報酬 年率0.55%

スキームは、

投資助言業者が、「フィデリティ証券」
投資一任業者は、「フィデリティ投信」
実質的な運用は、フィデリティ投信の運用委託先である「FIL Investments International」(フィデリティグループの英国拠点)

なお、契約は「フィデリティ証券」と締結する。


サービスプロセス


日本の対面証券のように、適当な(いいかげんな?)アンケートから開始するのではなく、ライフプランから入り、ゴールベースの資産運用を手軽に始められる。

低コストにする為に、リモート面談が基本なので、ある程度のコミュニケーションスキルが顧客側に求められる。

サイトでは、
適切な量の情報が分かりやすく提供されており、

フォローアップ・情報提供体制

も明記されていて、動画もついているので、内容が分かる。

大和証券は、フォローアップをきちんと明記できていない。
明確化できていないから、現場ができない。

むしろ、明確化すると実施する必要があり工数がかかるので、あえて避けているのだと思う。

「ザ・ハイブリッド」のさらに素晴らしい点は、

投資アドバイス

の考え方を明確に記載しているところ。

自社の視点での投資アドバイスに関して、
ラップ口座の肝となるアドバイスの考え方をコラム風に整理している。

理想と現実のギャップをアドバイザーと埋めながら、
ゴールを目指せそうな気配がする。


まとめ


後発なだけに、
・ロボアド
・対面ラップ口座

のいいとこどりをした中間的なサービスとして、

まさしくハイブリットラップ口座!

しっかりサービスがデザインされているところに感心した。

運用は、フィデリティが担当するので信用するとすれば、
残りのキー項目は、
・システム
・アドバイス担当者

だろう。

ただ、正直、この内容でコンタクトを取るかというと、そこまでの余裕はない。

「フィデリティ証券」に数千万の資金を投資一任するのか?
と考えたときに、正直怖いし、

じゃあ、数百万でためしでやるかというと、
わざわざフィデリティのラップ口座を使うかという点が引っかかる。

ラップ口座は、はじめたら死ぬまで継続するイメージなので、
「フィデリティ証券」の日本撤退リスクなどが、心によぎる。
(まあ海外の担当者とリモート面談すればいいだけかも??)

少し距離をとりながら、
今後の動きに注目していこうと思う。

私のファンドラップへの探求は、まだまだつづく。。。

【今日のひとこと】


すべてを今すぐに知ろうとは無理なこと。
雪が解ければ見えてくる。

(ドイツの詩人 ゲーテ)


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