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【商品考察】ファンドラップ(11)~誰が為に税が減る?投資一任報酬を取り戻せ!!~

投資成果を確実に劣後させる投資界の小悪魔、
その名は『税金』

ただし、悪魔を追い払う救いの神がいる。
それが『還付』

ファンドラップを検証しているので、今回の還付申請を、整理して記録しておこうと考えた。

ただ、単純な勘違いがあり、投資一任フィー全額還付は、無理なのがわかった。

特定口座の譲渡益が、フィーの5倍程度あれば、全額還付できるのでは?と勘違いしたのだけれど、最大で投資一任フィー全額の20.315%しか還付されないことがわかった。

単純な勘違いだけど、人間という生き物は自分の都合がよいように考えてしまうのだろう。

100万円利益確定で源泉徴収された203,150円の税金に対して、フィーが年間100万円の場合、フィーを費用計上すると利益がゼロになるので、203,150円が還付されるというあたりまえの話だ。

簡単に、実施したことを整理した。


解決したい課題

ラップ口座の継続運用を検証しているので、投資一任報酬の損益通算を実施し、手順化しておきたい。

2022年からルール変更された。

投資一任契約の投資顧問料が、源泉徴収ありの特定口座内で、費用として損益通算され、年間フィー合計金額の20.315%が年初に還付される。損益通算する利益がない場合は、他社の特定口座と損益通算できる。

たとえば、NISA対応WealthNaviで多額の年間フィーが発生している場合で、WealthNaviの特定口座では、損益通算できる利益がない場合、他社の特定口座と損益通算することで、フィー負担1%を約0.8%に低減できるということ。

私の場合、2022年に利用したラップ口座は、
・大和証券のファンドラップ
・SMBC日興証券のTHEO

の2つで、よく見返してみると、THEO分は、すべて還付され、大和証券は、損益通算する利益がなかったので、大和証券のファンドラップ分は還付されていなかった。大和証券で年初に還付されたように見えたのは、配当分の還付金だった。

ラップ口座保有者の確定申告

フィーの還付に参考になる情報は探せなかった。唯一、旧制度での楽ラップで、動画を見つけた。

旧制度の年間フィーの申告は、確定申告で、『取得および譲渡の要した費用の額等』の欄に記入ればよかったようだ。

意外と簡単!

現在のe-Taxの画面では、
『取得および譲渡の要した費用の額等』の欄は、なくなっていたが、国税庁のサイトに、『必要経費又は譲渡に要した費用等』に記入するとの情報があったので、

e-Taxの分離課税の所得の株式等の譲渡所得等への記入時に、以下の項目へ大和証券分の投資一任報酬を入力し提出した。

5.「特定口座年間取引報告書に記載されたもの以外の費用」
『必要経費又は譲渡に要した費用等の名』、『金額』


証券会社の対応について

今回は、楽ラップと国税庁の上記の情報から問題ないとは思う。

ただ現制度では、3ケースになり、かえって複雑になった。
①還付分が全額還付されている。
➁還付分が全額還付されていない。
③還付分が一部還付されている。

今回の私のケースは、➁のケースで単純だったが、③の場合、『必要経費又は譲渡に要した費用等』へ記入する金額は、還付された金額を減らすのかどうか疑問だ。

今後の為に、大和証券、SMBC日興証券に質問したが、「税務署又は税理士へ相談してください」というお決まりの回答だった。

確定申告は証券会社の範囲外であり、税処理の正確性が重要なのは理解できるが、このサービスレベルにはガックリする。

今後の為に、所轄税務署へ電話で相談した。
所轄税務署に電話すると、署内の税理士へ転送された。電話で税理士と会話したが、今回の制度変更すら知らなかった。こんな細かいことまで、税理士がフォローすることが難しいのは、充分理解できるものの、会話にならなかった。

しかたがないので、今回のケースのみ確認をとって、③のケースは、ペンディングとした。


(参)特定口座年間取引報告書の記載
2つのラップ口座を契約しているので、比較することで検証に役立った。

▶SMBC日興証券の場合
 摘要欄に、特定費用の額 xxxxxx円のみの記入。
 xxxxxx円の20.315%が別途還付された。
▶大和証券の場合
 摘要欄に、以下が記入されていた。
 【調整税額】 所得税 0円 住民税 0円
 ※取得費等及び譲渡に要した費用の額等の内、投資一任契約の費用 xxxxxx円(複数契約している場合は合算)


SBIラップの年間取引報告書を公開しているYouTube動画を見つけた。SBIラップは、SMBC日興証券と同様の記載(7分あたり)だった。


確定申告の基礎知識


他社の特定口座と損益通算する為には、確定申告が必要。これがなかなか難しい。

今の税制は、改善しようとする気がないというか、長いものに巻かれろというか、とにかくセンスがない。申請しないと還付されないという受け身の対応が、理解できない。

証券口座は、マイナンバー登録必須なので、マイナンバーをキーとして処理して欲しい。既得権者が不利にならないように何か忖度しているとしか思えない。

投資一任報酬の還付に必要な基礎知識が、1年たつと忘れてしまいそうなので整理した。

(1)確定申告とは?
国税として、1年間の所得に対する納税額を計算し所得税を確定する手続きのこと。地方税である住民税は、確定申告結果が居住地へ連携されて決まる。

(2)課税対象所得の計算
①収入ー経費  
ここで投資一任報酬が経費として引かれる。
➁上記から、所得控除などを控除して課税対象所得が決まる。

(3)所得の種類(10種)
給与所得、不動産所得、事業所得、配当所得、
利子所得、譲渡所得、山林所得、退職所得、
一時所得、雑所得

(4)所得控除の種類
【主な所得控除】
100万円以上の所得控除が期待できる。
- 基礎控除
- 配偶者控除、扶養控除
- 医療費控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 年金受取控除
- 小規模企業共済等掛金控除(iDeCo掛金など)
- 社会保険料控除(健康保険料、国民年金保険料、介護保険料など)

(5)総合課税
・総合課税の対象所得は、他の所得と合算した合計額に定められた税率をかけて納税額を算出する課税方式。

※配当金は、申告不要、総合課税、分離課税の3種から選択できるが、
確定申告することで、住民税が不利になることが多いので、所得税は、総合課税、住民税は申告不要を選択する方がよいことが多い。住民税が上がると、国民健康保険料も上がるので注意が必要。

(6)分離課税
・分離課税とは、所得ごとに独自の税率をかけて納税額を算出する課税方式。分離課税には、「申告分離課税」と「源泉分離課税」があり、申告分離課税は原則として確定申告が必要。


まとめ


まだ、実際に還付されていないので安心はできないが、今回の還付申請は、投資一任契約フィー金額分の譲渡益に税がかからないという、まるでラップ口座フィーのNISA制度のようだ。

投資一任契約フィーの損益通算の還付申請自体は、簡単だったので、年金受給フェーズに入ったら申請はワンパターンだろうから、75歳ぐらいまでは、継続できるだろうと判断した。
ただし、税制が難しい。住民税申告不要制度が今回で廃止される。老齢化していく中で、様々な変更に対応していくには、ある程度の思考力の維持が必要だろう。


※私の金融リテラシーは、FP3級レベルです。
 誤った認識、記載があるかもしれません。
 あくまで個人的な記録としての投稿です。


【今日のひとこと】


誰のために鐘が鳴っているのかを見に行かせてはいけない。鐘はお前のために鳴っているのだ。

(イギリスの詩人 ジョン・ダン。映画『誰が為に鐘は鳴る』に引用された)


(意味)
他人の死を他人事だと思って軽く考えるな。他人の教会の鐘はお前の為にも鳴っているのだ。自分の問題として真摯に受け止めよ!


税金の還付は誰の為なのか?
投資家の為でもあるのだろうか??
今は、正直よくわからない。




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