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【ビジネス】自動車メーカーに求められるもの 2


(四)Technological技術革新分析

1. 電池技術

中国自動車メーカーはIQS(Initial Quality Survey、初期品質調査)/VDS(Vehicle Durability Survey、車両耐久性調査)ですでにグローバルメーカーの品質基準と同レベルかそれ以上の品質を実現してる。そんな中、中国はBEV小売販売台数は世界第一位で、世界中の60%以上を占めている。

電池に関しても中国勢が奮闘、18年にCATL(Contemporary Amperex Technology Co., Ltd.、寧徳時代新能源科技股份有限公司)が23.5GWh、BYD(BYD Company Ltd、比亜迪股份有限公司)が11.6GWhの販売を行った。世界シェアも第一位と第三位となっている。また世界トップ10のうち、6社が中国メーカーとなった。

世界トップシェアのCATLは2018年末までに約1200億元の資金調達をし、生産能力増強を行うという発表を行った。中国国内の電池生産能力は2021年で54GWhの予定である。海外ではドイツ工場で26年までに100GWhの生産能力を整備する計画となっている。また、トヨタと戦略提携、ホンダとも資本提携を行っている。

BYDに関しては、青海省の工場が24GWhの生産能力、生産計画のある西安工場と重慶工場を加えると2021年に60GWhとなり、CATLを抜き、生産能力トップとなる予定である。BYDは電池の他にBEV事業してダイムラーと合弁会社を設立、DENZAブランドでBEVを販売している。さらにトヨタとも合弁会社を設立、BEVの製造販売を計画している。

電池に話を戻すと、主要電池メーカーの投資計画をまとめでは、2022年の中国電池生産能力は250GWhに達し、世界の電池需要の約70%を占めると見込まれている。
中国ではすでに、エレクトロニクス、素材、機械設備など多様な産業集積が形成されており、設備、部品、金型および必要な部材加工技術はほぼ揃っている。希少金属資源の自国保有に加え、電池部材の国産化が進められた結果、電池産業のサプライチェーンが形成されると同時に低コストで部品と部材の調達ができるようになっている。

電池量産に伴う多額の投資、原材料の確保、価格競争などから海外企業の電池産業への進出は難しくなっている。2017年3月に中国政府は「電動電池産業発展促進行動方案」を公布し、政策支援は産官学連携を通じて、生産能力だけでなく品質と性能の向上を進め、電池産業の繁栄を図ろうとしている。中国は質と量で世界の電池市場に成長すると思われる。

2. AI技術の発展

AIとは言語の理解や問題解決などの知的行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術であり、自動車の自動運転、工場の連続稼働や物流の最適化、災害対策やまちづくりなどあらゆる産業分野で活用される。中国では2017年に「AI産業発展計画」を打ち出し、スマート製造、クラウドコンピューター、情報セキュリティが研究開発の重点となった。

2018年の「中国AI発展報告」によると、1997年から2017年の間、中国のAI関連論文数は約37万件で世界第一位、特許申請数も世界第一位となっている。AIを国家戦略の一つとしているのは、スマートカー、コミュニケーションロボット、ドローンなどのハイテク製品を育成するのが目的である。今後、デジタル制御機械の進化によって工場や部品物流の無人化を実現できれば、スマート設備の遠隔運営、製品の連続生産、品質のモニタリングなどを特徴とする新しい生産方式を構築することができる。自動運転やコネクテッド機能を備えるスマートカーの量産の伴い、部品、装置、素材の新たな需要が生まれ、自動車産業の構造が一気に転換されることが予想される。

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