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即席麺、製パン業界におけるデータ活用のポイントと課題

日経の業界地図では、即席麺、製パンという業界の括りで「晴れ評価」でしたので取り上げます。


即席麺・製パン業界の評価は?

即席麺・製パン業界の評価は、上述のとおり「晴れマーク」となっています。(※日経業界地図より)

即席麺の国内市場は少子高齢化で増加は見込めず、かつ原材料高という逆風はありますが、米国を中心に海外での需要が伸びていること、健康志向に配慮した高単価商品が浸透してきていることから高評価となっています。製パンも今後原材料高が落ち着く見込みも出ています。

即席麺と製パン業界におけるデータ活用のポイント

即席麺と製パンでは原材料や製法、消費期限の違いなど、同一扱いをすることはできないと思いますが、食品業界ならではの留意点に着目してデータ活用のポイントや課題を整理してみます。


  1. 製品特性に基づく需要予測
    ・天候や季節、地域ごとの消費傾向、健康志向やダイエットトレンドなど、製品特有の要因を考慮した需要予測が必要。
    ・パンの場合は朝食需要やイベント需要、即席麺の場合は災害時需要などがあるため、これらの需要状況に応じた仕入れ・在庫数の予測が必要。

  2. 品質管理と製品安全性の確保
    ・食品を取り扱う特性上、原材料の調達から製造、流通、販売までのプロセスをデータで管理し、サプライチェーン全体の効率化や品質管理を行うことが重要。
    製品の鮮度や保存期間が重要な要素であるため、それらを正確に予測・管理することが課題となる。
    ・食中毒や製品のリコールなどの、危機管理をすべく、データを活用してリアルタイムで情報を収集し、迅速に対応することが必要。

  3. 新製品開発とマーケティング戦略の立案
    嗜好の変化や、新市場開拓(グローバル市場への展開など)における新市場の好みを踏まえた新製品開発やマーケティング戦略の立案が必要。
    健康志向の高まりやライフスタイルの変化など、PEST分析※におけるSocietyの動向を把握し生かすことが必要。

※PEST分析とは、マクロ環境つまり、1企業ではどうすることもできない外部環境を、P(Politics:政治的要因)、E(Economy:経済的要因)、S(Society :社会的要因)、T(Technology:技術的要因)の4つの切り口で分析する手法です。
以下のサイトに詳しくまとまっています。


どの業界もデータ活用が重要になりますが、即席麺、製パン業界(というか食品業界)においては、他業界と比較し、特に多角的な品質管理にデータを活用することがポイントかと思いました。

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