“I love you”と「愛してる」は一緒なのか
先日、隣人夫婦の夫であるNicholasの誕生日パーティを行った。
僕の暮らしている寮Tietgenは、学生寮であるため、Nicholasも奥さんのEmmaも学生だ。
大学生夫婦は日本では珍しいが、先日書いた通り、デンマークでは高校からストレートで就職というのはそこまで一般的ではない。
なので、25~6歳で大学生の人も結構いて、子どもがいるという人も珍しくない。
パーティの最中、僕は2人の馴れ初めや結婚の経緯など、2人の愛のエピソードについて話を聞いた。
興味深い話を聞いて頷いていると、今度は逆に僕に話が振られる。
Daniel「I love youって日本語でなんていうの?」
僕は少し迷った。直訳するなら「愛してる」だろう。
ただ、英語で言う”I love you”のニュアンスは、果たして「愛してる」と同義なのだろうか。
海外ドラマや映画などでは”I love you”というセリフはとても自然に使われる。
一方、日本のラブコメや恋愛ドラマなどで聞く「愛してる」という言葉に、どこかぎこちなさを覚えるのは僕だけだろうか。
別に、日本人の愛情表現が薄いというわけではないと思う。言葉にせずとも、日常の仕草や行動の中で愛情を表現する人は多くいる。
恐らく、日本人の愛情表現は非言語的なんだと思う。
母の日の贈り物や、バレンタインデー。毎日ご飯を作ってあげたり、自分が困ってるときに見返りなしに助けてくれたり。
こうした、さりげない非言語的愛情表現の積み重ねから、愛情を表現したり、感知したりすることができる。
だから、「愛してる」という直接的な言語表現には、どこか不自然さや無骨さを感じてしまうのだろう。
「月が綺麗ですね」という婉曲的な表現が用いられるのも似たような理由からなんじゃないか。
悩んだ挙句、最終的に僕はこう答えた。
僕「強いて言うなら、愛してる、だよ。ただ、多くの日本人はシャイだから、滅多に『愛してる』とは言わないかな。」
Feroz「結婚する時とかも言わないの?」
僕「うーん…結婚する時くらいは、流石に言うんじゃないかなぁ」
Julien「一生に一度しか使わない言葉じゃないか😂」
笑い声がテーブルに響いた。
僕のせいで日本人は一生に一度しか「愛してる」という言葉を使ってはいけないことになってしまったみたいだ。
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