蟻さん
今回の部員日記は理工学部4年、鈴木龍一が担当させて頂きます。
ついに7月でも普通に40℃を記録する時代となってしまい、弊部では練習の際にみんな「ひーひー」言いながら目標に向かって頑張っております。
さて、今回はタイトルの通り蟻さんの話をします。
我々の身の回りには様々な昆虫がいます。昆虫にはそれぞれ小さいながら様々な能力が備わっています。
では、みなさん「アリ」についてどれくらい知っていますか?
アリ自体はどこにいても目にすることができる身近な昆虫ですよね。
アリといえば、顎の力が強いということが有名ですが、実際にどれくらいの強さがあるかというと、「クロヤマアリ」というアリは4mg程度と非常に小柄ながら自分の体重の5倍のものを運び、25倍のものを引きずって運ぶことができるそうです。これをヒトに置き換えて考えると体重60kgのヒトが300kgのグランドピアノを加えたり、1.5トンのキリンを引きずることができます、顎の力だけで!
さて、そんな個々の力だけでもすごいアリですが、アリは社会性昆虫と呼ばれる集団で生活するタイプの昆虫です。社会性昆虫とは、同じ種類の中でも階級を持っている昆虫のことで、女王アリや働きアリ、兵隊アリなどそれぞれのアリに役割が与えられています。そのため、アリの暮らしは「社畜の鑑」なんて言われることがあるそうです。
実はアリはほとんどがメスでオスは少ししかいません。前述の女王アリはもちろんのこと、働きアリも基本的には全てメスです。では、雄アリは何をするかというとメインの仕事は女王アリとの交尾です。
交尾の時期になると若い女王とオスが巣の外に出て交尾のために飛び回ります。この行動を交尾飛行と言います。交尾を終えた後、女王は雄アリをつけたまま巣に戻ります。そして、この雄は働きアリたちに噛みちぎられてしまいます。雄はこのように長い間女王とくっついていることで他の雄に交尾する隙を与えず、自分の子孫だけを残そうとするようです。自然界では、このように自分の子孫だけを残そうとする行動が度々みられます。哺乳類でも、ライオンは再婚相手の連れ子を殺してしまうらしいです。(少しラフに言いましたが、詳細が気になる方は調べてみてください。)
一方で、働きアリはメスであるにもかかわらず、卵を産むことができません。これは、女王が特殊なフェロモンを出しているからです。このフェロモンの効果によってアリたちは統率の取れた行動をとっています。
アリは、種類によりますが、一つの巣に数十から一千万匹程いると言われています。また、ほとんどが巣の中にいるとされていて、巣の外に出ているアリは巣全体のわずか3%程度しかいないようです。
アリの巣は様々な場所で目撃できます。そんな巣ですが、巣を作る場所はどこでもいいわけではないようです。アリは巣の素材や周りの環境にも厳しいこだわりがあります。アスファルトを歩いていてときどきアリの巣を目にすることがあると思います。なぜわざわざそんなところに巣を作るかというと自然界と比べて安全という利点があるからです。アリは自らの触覚を使って、外敵や雨に強い場所を判断しているようです。また、多くの仲間が暮らす30cm〜2m程の巣作りは、圧倒的な数の暴力で約2日で完成させることができるようです。
アリの巣の構造は縦穴、部屋、通路と分かれていて、部屋には様々な役割が与えられています。女王アリの部屋、雄アリの部屋、卵部屋、ゴミ部屋などなど...。
しかし、アリは食料を溜め込む部屋がありません。なぜなら、みなさんみたことあると思いますが、アリは虫を食べます。虫は溜めておくと腐ってしまいます。しかし、アリにも食料を貯めておきたいときがあると思います。そんなときは、アリの腹の中にある「素嚢(そのう)」と呼ばれる臓器に食料を貯めておくことができます。そして、食べたい時に一度吐き出してから再度食べます。
また、アリの巣は、壁が唾液と土を混ぜて粘土状になっているだけでなく、雨が降ってきた時に一時的に出入り口が勝手に崩れるようになっており、その間に卵を安全なところに運んだり、避難したりすることができるようです。
さて、アリの生態はまだまだここには書ききれないほどありますし、アリの種類によってはさらに特徴的な行動をとるアリもたくさんいます。(「グンタイアリ」や「ハキリアリ」など)
これから夏に向けて様々な昆虫が活発に活動し出します。そんな彼らのスーパー能力に注目してみるのも面白いかもしれませんね。
拙くまとまりのない文章でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。
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