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人とお酒の歴史

 今回の部員日記は理工学部4年、鈴木龍一が担当させて頂きます。

 春らしい暖かい日が続き、電車の窓から眺める桜の様子が美しく感じられる良い季節となった今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
 新年度が始まり、新生活に慣れ始めている人が多いのではないでしょうか。

 さて、新生活に際して、大きなコミュニケーションの場となるのはやはり飲み会ではないでしょうか。

 古来より、お酒は人と人とのつながりを良いものとし、楽しく、いい意味で人をバカにさせてきました。(諸説あり)

 そこで、今回は人とお酒の歴史を簡単に紹介します。

 まず、お酒の定義とは「エタノールが含まれた飲料」となっています。原料をアルコール発酵させて得る醸造酒、それから造られる蒸留酒などに大別され、原料や酵母、製法などの違いによる多様なお酒が世界各地にあります。

 お酒の歴史は非常に古く、先史時代と呼ばれる文字による歴史の記録が残っていない時代から作られていたようです。最古のお酒とされているのは、「蜂蜜酒(ミード)」で、農耕が始まる以前の1万4000年程前から存在するとされています。

 南米、アジア、アフリカのごく一部で現在も行われている、各種穀物を口に入れ噛み砕いた後、瓶や甕に吐き出し集め発酵を待つという原始的な酒造法が低アルコールながら有史以前に広まっており、古代日本でも巫女がこれらを行う「口噛み酒」というものがあります。

 また、考古学的には、中国で紀元前7000年ごろの賈湖遺跡から出土した陶器片を分析したところ、米・果実・蜂蜜などで作った醸造酒の成分が検出されたと言う報告があり、これが最古のお酒とされています。

 古代オリエント世界では、紀元前5400年ごろのイラン北部ザグロス山脈のハッジ・フィルズ・テペ遺跡から出土した壺の中からワインの残滓が確認されています。

 次に、ビールについて、こちらはメソポタミア地方で紀元前3000年ごろには造られていたという記録が粘土板として残っています。
 シュメールの後を継いだバビロニアの最古の成文法、ハンムラビ法典にはビール売りに関する規定も残っています。

 古代エジプトにおいて、紀元前2700年ごろまでワインが飲まれており、ツタンカーメン王の副葬品の壺からはワインも検出されています。また、ビールも広く飲まれており、エジプトのピラミッド工事の現場ではビールが支給されていたのはかなり有名な話でしょう。オリエント世界ではブドウが育つ場所が限られていたのでワインは高級品、ビールは庶民的な飲み物であったようです。

 古代ギリシアや古代ローマはブドウの産地ということもあり、ワインが多く生産されました。これはアンフォラと呼ばれる壺に入れられて、地中海世界で広く交易されていたようです。このころからギリシアでは、酒の神ディオニューソス、ローマでは、バッカスが信仰され、酒神を讃える祭が催されていたようです。

 また、酒を蒸留する技術自体は紀元前3世紀ごろからアレクサンドリアの錬金術師たちにすでに知られていたようです。
 そして、ウイスキーをはじめとした蒸留酒は、11世紀初めの南イタリアで登場し、はじめは医師の手によって造られた医薬品用のアルコールだったそうです。

 日本については、8世紀ごろ(奈良時代)に日本酒の製造方法が確立されました。しかし、当時は大衆が飲むような一般的なものではなく、祭礼、正月、慶事など特別な際に飲むものだったそうです。現在でも多くの地方でこれらの風習の名残が残っています。

 また、ワインは16世紀中ごろ、ビールは18世紀初めごろ、ウイスキーは19世紀中ごろに日本に伝わってきたとされています。「和蘭問答(1724年)」には、初めてビールを飲んだとされる人の感想が載っていて、「思いのほか不味く、美味しくなかった」と不評だったことが伺えます。

 さて、ピラミッドの建設現場の歴史からもわかるように辛い仕事の後にはみんなでビールを飲むことでピラミッド完成のような大きな仕事を成し遂げることができることがわかりますね。

 みなさんもお酒に呑まれないように気をつけて、楽しく酔っ払いライフを過ごしてみてはいかがでしょうか?

 拙くまとまりのない文章でしたが、最後までご覧いただきありがとうございました。

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