【すべて忘れた】

もう君のことを想って泣く日はやって来ない
僕は君の記憶の中から旅立ったんだ
巣立つ若鳥のように
君を背中に感じながらも
肌が擦れるあの感触はもう薄れつつあるんだ

さえずるように歌っていた夜のことだった
君は僕を見つめてほろりと涙を流していたね
君に僕はどう映っていたんだい?
君に尋ねることがあるとすればそれだけだ
僕にとっては重要なことなのだ
あの夜以来、僕はあの歌を歌うことができなくなった
そうさ、僕の心に君は深く根付いているんだから

すべて忘れた
すべて忘れた
人間は都合の悪いことは忘れてしまう
すべて忘れた
すべて忘れた
僕は都合の良い生き物さ

#詩 #音楽

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