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赤ちゃんとぼく

漫画の赤ちゃんと僕の全話が8日まで無料配信だった。こどものときにアニメは少しみたことがあったけど原作は読んだことがなかったのでこの機会に。

ほのぼのした子育て話かと思ってたけどキャラクターの性格がバラバラだから多方面からの思考が描かれて学んだことが多い。時代背景が違うからとは今では通用しない描写も多々あるんだろうけど大事なことは変わらないと思う。あとは問題、いじめに自殺、離婚、学歴コンプ、モンスターペアレント。その他にも生活にまつわる苦めなテーマがいっぱい混ぜ込まれていて夢中で読んでしまった。


母親が死んでしまったけどまだ小学生。周りの同級生は何も考えず自由に遊んでるのに幼すぎる弟の為にすべて制限されてしまう。なんで我慢しなきゃいけないんだ、赤ちゃんなんて嫌いだと思っている。でもだんだんと自分を必要とされることや小さな成長を感じて愛しさが芽生えていく。

自分は体感してないからわからないけど、子育ての喜びなんだろうなと思う。

わかるのは、泣き止まないこどもに育児ノイローゼ気味になっている母親のエピソードの旦那。旦那はこどもなんていらないと言っていて、理由が実母との関係性だから育ちの感情だよなと悲しくなる。家の中で母親はいつも苛立っていたから、私も余裕がなくなって無意識に同じように育ててしまいそうな気がしてこわい。なぜわたしなんかうまれてきたんだろうとか考えてたの、味わしたくないと思っている。

そういう言い訳の逃げも含めてうまれてから一度もこどもなんていらないと言い張ってる私だけど、読んでいるうちにこどもと一緒に成長していく人生もいいかもしれないという気持ちが沸いてきたからびっくりした。この漫画、すごいな。

ネタバレになるけど最終回直前に「小学生の兄が商店街でぐずり続ける幼児の弟に苛立ち、先に歩き出すと泣きながら追いかけてきて車に轢かれる」って展開になってショックだった。

責任を感じて泣きながら自分を責める彼を誰も責めない。普段の優しいお兄ちゃんの振る舞いや人間性を見ているから、大丈夫だと、励ましのことばとかねぎらいのことばを掛ける。

今の時代なら前後のストーリーなんて知る気もない他人が保護者は何をしてるんだとか服を脱がして放置なんて虐待だとかにSNSでバッシングするだけなんだろうなって。寂しいな、苦しいな。便利になるほど人間の豊かさは失われていくし、世の中どんどん感動や喜びが減ってるなと思う。正しいとされることが正しいと思えなくて、時代に順応できない(したくない)自分がいる。

あたたかく感じれる場所は羨ましい。優しい世界なんて綺麗事ないかもしれないけど、少しでも存在しててほしいと思ってしまう。