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国内初量子コンピュータハード開発スタートアップ「Nano QT」が本格始動

令和4年8月29日、早稲田大学発の量子コンピュータハード開発スタートアップ「Nano QT」が本格始動したと発表されました。
注:ヘッダー写真はNano QTとは何の関係もない画像です。

量子コンピュータ関係の国内スタートアップではソフトウェアやミドルウェア(量子ビットの制御装置開発)はあったものの、ハードウェアど真ん中のスタートアップとしては、国内初となります
多額の資金を必要とするハードウェア開発スタートアップは簡単にはできないと言われていましたが、遂に日本にも誕生しました!👏👏👏

Nano QTはムーンショット型研究開発制度の誤り耐性型汎用量子コンピュータ開発のプロジェクトにも参画することとなっており、今後の活躍がとても楽しみです。

これだけでも十分凄いニュースなのですが、このNanoQT、実はメンバーのスペックが圧倒的に凄すぎるのです。

詳しくはこちらの記事にありますが、CSO青木教授、CTO碁盤氏、CEO廣瀬氏の3人とも「英科学誌ネイチャーに筆頭著者として掲載論文のある量子科学分野の世界的トップ研究者」です。
廣瀬CEOに至っては、マサチューセッツ工科大で量子物理の博士号取得→マッキンゼー→Nano QTというビジネス・技術両方の知識と経験を兼ね備えた経歴。
こんな人、世の中にいるもんなんですねぇ…

最後に、Nano QTの青木教授、研究開発のことだけでなく、博士のキャリアパスについても考えていらっしゃって本当に素敵な方で、教授のインタビュー記事をここでご紹介します。

アメリカでは…(略)…大学発スタートアップが非常に良い待遇で優秀な人材をどんどん集めており、学生にとって博士号取得後にスタートアップに入ることが魅力的なキャリアパスになってきている…(略)…学生は多くの場合、博士号取得後も研究を続けていくためには、不安定な立場と低い待遇で我慢せざるを得ない。日本人研究者としての悔しさに加え、『このままでは後輩の有能な若手研究者たちにもマイナスになる』『才能や成果が正当な評価と報酬を与えられ、研究に打ち込める場を創りたい』と思ったのが、起業を考えたきっかけでした
青木教授インタビュー記事(https://www.waseda.jp/top/news/82746)より

博士にとって大学に残るよりスタートアップに行く方が魅力的なのではないか、研究に打ち込める場をスタートアップに作っていきたいという想いは、産業界の投資が加速している量子ならではの発想かと思います。

成長分野でスタートアップが資金調達をしながら、大学よりも高待遇かつ研究に専念できるポストを博士研究者に用意する。そこに人材供給の流れができ、開発が加速しスタートアップが更に成長する。そうして成長分野全体が加速的に盛り上がって発展することができる。そんなお考えなのかなと感じました。

ぜひ、このNano QTが博士のキャリアパス形成の新たなモールモデルとなり、日本の研究開発を盛り上げていってほしいと思います。
自分も微力ながらやれることを精一杯やっていこうと思います。

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