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木材から見る景気(5/27)

(要約)
梁や柱に使用する木材を生産する中国木材の経営が厳しい。主な販売先は建材メーカー。米より丸太を輸入し加工するのだが、円安や海上輸送費高騰から調達価格がコロナ前の2〜3倍。一方、住宅着工件数は低迷。政府の金融正常化による金利上昇の前の駆け込み需要を予測していたが、想定より低迷。資材や人件費高騰により住宅自体の価格が上がっており、賃上が実施されてもなお動きは鈍い。また24年問題により時間外労働時間の規制があり、工事が遅延するケースもある。木材は輸送費が高くなりやすく、建材メーカーへの販売価格アップも厳しい。賃上も新卒採用も難しい。さらに欧州向けの輸出品はロシア情勢により航海日数が1.5倍。脱炭素に向けた施設や店舗での木材使用に期待したい。

(考察)
円安、人口減がクリティカルに打撃する中小企業の一例だと思う。調達価格、輸送費は上がる。内需減と不景気により販売は落ちる。市場シェア低下が懸念され価格改定に踏み出せない。売上は上がらず賃上に踏み出せない。新卒を採用できない。負のサイクルである。このような企業は非常に多いと思う。俗に言う「円安倒産」だ。各社販売商材、販売ルートの再構築が必要。

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