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【カメラの話】絞り(F値)とは何かについて分かりやすく解説してみます

みなさんこんにちは。わたなべりょうです。
今回はカメラ初心者の方でも理解できるように「絞り(F値)」についてをなるべくわかりやすく解説していきます。作例を交えながら、最後には適切なF値を自分で選べるようになる方法についても話していきますので最後までお付き合いください!

【絞りとは何か】

写真はレンズから通ってきた光をセンサーで感知することでできています。絞りというのは、写真を撮る時に「レンズから光を取り込む隙間の大きさ」
大きさのことを表す数値です。表し方はF1.4とかF5.6のようにF+数値で表します。大きな隙間からたくさん光が入ってくる状況がF1.4のような小さい数値、小さい隙間から少ししか光が入ってこない状況がF22のような大きな数値になります。数値が小さい方が隙間が大きいのでちょっとわかりづらいですね。

【F値を変えることで写真に与える影響】
F値を変えることで写真に与える影響は2つあります。
 1.写真を撮るときに取り込む光量の調整
 2.被写界深度(ボケ具合)の調整
です。ここから実際に写真を撮りながら、解説していきますね。

1.取り込む光量の調整
1つ目、取り込む光量の調整を確認してみます。F値は、小さくすると光を取り込む隙間が大きくなり、入ってくる光の量が増えます。つまり、他の条件(撮影場所の光量、シャッタースピードとISO感度)が一定なら光を取り込む量が大きいほど、写真は明るくなります。
これを実感できるのはMモードです。試しにまずF??SS??ISO??に設定して写真を撮って見ますね。次にF値を今の??から?????に変えて同じ構図で撮ってみます。


Mモード作例

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2枚の写真を見ると、このように明るさが変わりました。
撮影データを見てもわかるのですが、F値以外は変わっていません。
これは、F値を変えたことで、レンズを通じて入ってくる光の量が変わった結果、写真の明るさが変化していったということを表しています。

2.被写界深度の調整
次に2つめ、被写界深度の調節について確認してみます。被写界深度とは、ざっくりいうと「どのくらいの範囲にピントがあっているか」を表します。
これを分かりやすく確認するためにはAモードを使って撮影してみます。

まずは F??、 ISO感度??で撮影します。
次にF???、ISOで撮影してみます。

Aモード作例

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このように、2枚の写真を比較してみると、ボケ具合が違うのがわかります。F値が小さい写真はピントがあった部分以外はかなりボケているのに対し、大きいF値の方は背景に置いてあるものまで少しはっきりと見えています。このようにボケが大きい写真を「被写界深度が浅い」という言い方をします。ボケは写真を印象的に見せるのにとても効果的なので、この仕組みを理解した上で写真を撮れると良いです。

ちなみに、撮影データを見るとF値を変えるとSSも変わっています。
これは絞り込んで光を取り込む隙間の大きさが小さくなった分、SSを長くして光量を補っていることを意味しています。こんなふうにF値を変えても明るさを一定に保つようにSSを自動的にカメラが選んでくれるのがAモードです。ちなみに最初に使ったMモードだとF値を変えてもSSが変わっていないので、暗くなってしまったのが目立っ他のでわかりにくいのですが、実は被写界深度も本当は変わっています。

初心者が陥りがちな誤解
ここで素直な人は「とにかくたくさんボカしたいから、ひたすら
F値を小さくして撮ってみよう」という風に思ってしまうかもしれません。
ですが残念ながら、被写界深度を変える要素はF値だけでなく複数あります。F値を小さくすれば必ずボケた写真になるかといえばそういうわけではないのです。F値を変えてもあまりボケ具合が変わらない例を1つ示します。

ピントというのは距離が同じところに合います。なのでどんなにF値を変化させたところで構図上で奥行きがなければ被写界深度は変わりません。
例えばこのような状況だとF値を小さくしてもあまりボケません。

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むしろほとんど変わっていないですよね。これは何も理屈的に覚えることではなくて、実は視覚の仕組みと同じです。

ここで実験をして欲しいのですが、片目を瞑ってなるべく指を近づけて指紋を見てください。指紋にピントを合わせて見ているときは、背景にあるものはぼやけていますよね。ここでこの指をどんどん遠ざけていくと、全体的にピントがあって見えてくると思います。これが「奥行きでピントがあう」という理屈です。
さらに、このときに目をちょっとギュッと細めると、見える部分が多くなる感じがしませんか?F値を変えるというのは、まさにこの「目を細める」のと同じ感覚なのです。初めから遠くの景色全体を見ていて全体にピントがあっているような時は、目を細めても見え方はあまり変わらないですよね。
ということで写真を撮る際は、F値の他に、構図やどの位置から撮るかもボケを作る要素としては大きいので合わせて意識してみてください。

【私がAモードを使うとき】
実際に私がAモードを使うときは、「今、レンズはこれを使っていて、撮影距離はこのくらい。背景はこのくらい。それで、写真的にはこのくらいの
被写界深度にしたいからF5.6にしよう」というように考えて使います。
ただし、Aモードで絞っていくとSSが遅くなり、手ブレが発生しやすくなるので、SSを見ながらF値を決めていくということもよくあります。この時に感度自動制御という機能を使うと、F値は固定したまま自分の指定したSSより長くなってしまう時はISO感度をあげるという設定にもできるので、よく使うことがあります。ただしISO感度は上がりすぎると画質が落ちるのでそこは何を優先させるかを考えて選びます。

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私は個人的にはあまりF値に細かくこだわって撮影することはしていなくて、どちらかというと人とのコミュニケーションや観察をして何を撮るべきかをじっくり探す方に注力して撮影するスタイルなので、F値は正直「大体」で撮ることが多いです。F値ばかりを気にしているとシャッターチャンスを逃してしまったり、観察することがおそろかになってしまう可能性もあるためです。その場合はF値はカメラにおまかせのPモードを使ってみるというのも良いでしょう。Pモードとは何かについての動画も合わせて見ていただくとより理解が深まるので概要欄のリンクから、よければ合わせてご覧ください。


【適切なF値を自分で選べるようになる方法】

これに関しては、もうお気づきだと思いますが、
「風景を撮るならF5.6にしよう」
「ポートレートならなるべく開放にした方がいい」
のような単純な答えはありません。「F値を変えた時に、どう写真が変わってくるのか」の感覚を掴むしかありません。そのための練習を重ねてもらうのが一番良いと思います。
オススメの練習方法としては前半に作例で出した「同じ構図でF値だけを変えて撮影する」というものが良いと思います。

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【最後のご挨拶+おまけ】
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