絶対が存在しない選択肢。

｢絶対正しい｣と｢絶対間違っている｣は本質的には同じことを言っている。スタンスが同じと言ったほうがいいかもしれない。違うのはプラスかマイナスかという方向性だけだ。

.。*゜+.*.。☆゜+..。*゜+。.゜☆.。*゜+.*.。.

｢この人の言うことは絶対に正しい｣という人がいる。一方で、｢この人の言うことは全て間違っている｣という意見もある。それは発言者がその人を好きか嫌いかという主観の話だ。しかし、どちらも共通している考え方は｢絶対に｣という視点である。

よほど毛嫌いする相手、または神様のように信仰する相手でもなければこのような評価をすることはない。結局のところ、極端な判断をすることで守ろうとしているのは、自分自身のアイデンティティである。その人を神様または悪魔だと断定することで、自分自身の立場を明確にする。そうすることで得られるメリットと言えば、迷わなくて済むということだ。迷いがあると人は苦しい。Aにしようか、Bにしようか。またはAでもBでもないCがあるのかもしれない……。人は不安になると何かを決断できなくなる。その状態はひどく不安定であるため、心は無意識に安定を求める。安定。安心。安堵。その為の手段が、断定だ。正しいと思い込む、または間違っていると断ずる。それをしておけばとりあえず迷うことは無くなる。つまり心の安定が保たれる。それこそが目的だ。そういう意味で、正しいとか、正しくないとか決めつけるのは、どちらも心の不安がそうさせているという意味で、本質的には同じことなのである。

*ﾟ+.｡:;+.:;｡+ﾟ*♡*ﾟ+.｡:;+.:;｡+ﾟ*♡*ﾟ+.｡:;+.:;｡+ﾟ*♡*ﾟ+.｡:;+.:;｡+ﾟ*♡

え？同じに見えない？まるで正反対だ？その通りだ。意見としては真っ向から対立している。水と油であるにも関わらずなぜ同じだと言えるのか？それは、全て正しい意見などないからである。同時に、全て間違っている意見もまたないのだ。つまり正しそうな意見の中にも間違いはあるし、逆に間違った意見の中にも正しいところが存在する。それは人の評価も同じだ。ある1点では評価できない人でも、別の角度から見るととても優れた才能を発揮することがある。つまり、全て正しい！という事柄に間違いは潜んでいるのだし、全て間違っていると思われる意見の中にも一定程度の正しさは存在するのだ。それを間違っている！と一方的に指摘するやり方はすべて正しいと盲信する人達と同じことをしていると言えるのだ。だから全否定と全肯定は本質的には同じであり、同じくらい間違っているのである。

✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩ ⋆ ✩

常識は人それぞれにある。そして無数に存在する。それを誰か1人の意見こそが常識であると断言することはもはやできない。それはなぜ出来なくなったのかと言えば、あらゆる情報や価値観は双方向に作用しながら日々更新されているからだ。つまり昨日の非常識は今日の常識であり、同時に昨日の常識は今日の非常識なのである。大切なことは、そのルールや価値観が日々目まぐるしくアップデートされていることをしっかりと自分の目で見つめ、それらを｢自覚｣することである。だがそれができる人は少ない。逆説的だが、正論であるがゆえにこればなかなか実現しない。そこには見栄やハッタリ、思い込みや、考えを曲げられないという根本的な考えが存在するからだ。

˚°ºᵒ•♡•ᵒº°˚♢°ºᵒ•♡•ᵒº°˚♢°ºᵒ•♡•ᵒº°˚

具体例を上げるとわかりやすい。たとえばワクチン。これまで受けないぞと明言した人はあらためてワクチンを受けようと思うことはかなりハードルが高い。たとえば顔出しを引退するといった中田敦彦さん。それを覆すことができたのは相当なハードルだったに違いない。それをできた事で今の成功があるのだ。しかし一方で彼が本当にやりたかったことからは遠のいているはずである。だから、やはり100％正しいという選択肢は無いのである。

そうにも関わらず、100％を求めるから逆に身動きが取れなくなって自滅してしまうケースが多いと思う。だから、簡単な方に流れるんじゃなくて、今すべきこと、今選ぶべき選択肢を真剣に考えて即行動に出ること。間違っていると思えばすぐに反対方向に歩けることはこの不安定な時代を生きる私たちに求められる行動変容なのかもしれないとわたしは思う。もちろん納得いく理由が見つかればという条件付きではあるのだけれど。それと、何度でもやり直せる人生ではあるが、道を変える度に取れる選択肢は狭まっていくことは予め知っておく必要はある。

MUSICAでした•*¨*•.¸¸♬︎

わたしの取りうる選択肢は多くはない。期待しても仕方がないケースの方が多い。強いて言わせてもらうならば、焦ってもろくな事がないので、もしも自分の立ち位置があやふやになって混乱してきたなと思うのであれば、いっそ思いっきり立ち止まって考えてみるのも良策である。自分が解決できないことも、時間やその他の力によって解決策が提示されることの方が多く、世の中は1人で巡っているわけではないからだ。だから私個人ができることは、隣人を愛し、私を愛してくれる人を大切にするというただ1点のみである。

©SQUARE ENIX CO., LTD.All Rights Reserved