見出し画像

さみしくて、しかたがない。

「寂しいの?」
そう言われてハッとした。寂しい?
寂しいとはなんだ。最近感じたことがない感覚だ。最近?具体的には2020年から現在に至るまでだろう。それは何か。わたしは前職場を辞めて今の職場に転職した。運が良かったと言っていい。わたしだってこんなにも世の中が変化するとは露にも思っていなかった。これだけの世の中の大変化があると予感したのは私の愛してやまないイケオジの、長嶋修先生のおかげである。先生はいつも、大変革が訪れる。本当にやりたいことをやるべきだと言う。一時的に辛いかもしれない。それは学び直してこなかった自分が悪い。新しい時代に合わせるために自分をアップデートしなくてはならない。そのためには過去の安心できる場所から冒険の旅に出かけなくてはならない。それはとてつもなく、辛い旅だ。懐かしい人達に別れを告げ、新しい人達にはよそ者扱いされる。自分をさらけ出すことは危険なことだ。なぜなら理解されればいいが勘違いされて窮地に立たされる可能性も低くはないからである。だからわたしは閉じた。わたしは心に決めたことがある。それは「絶対に本心を明かさない」というルールだ。それは自己防衛本能によるアラートである。それをせねば、わたしは簡単に壊れてしまうだろう。なぜならそれまで信じてきた私の世界はもうないからだ。今私がいる世界が私の世界。どんなに辛くどんなに理解出来なくても。選んだのは私。仕方がないのだ……。だから1年は我慢しなくては。その結果が心を閉じることであったと思う。そして。今はどうか?あの頃頑なに閉じた心を再び開こうとしている。あんなにと怖がっていた私の心は融解し、少しずつ私らしさを取り戻して行った。「それなら……このくらいならいいかな」そんなふうに少しずつガードを下げて行ったわたし。そしてたくさんの人の優しさに触れて心が温まる瞬間を味わった。同時に世界の厳しさ、平日の虚無感。それを心でハッキリと感じることになった。つまりギャップがひどい。このギャップを埋めたい。つらい。くるしい。そして、次にでてきた感想が「寂しい」だった。

寂しい。わたしは寂しいのだ。たくさん遊んでくれる友達がほしい。私の心を安心させてくれる人が欲しい。それは家族である。もちろんそうだ。だが家族では家族の前で役割を演じているような気持ちになるときがないだろうか。その証拠に仕事の話はしたくないではないか……。あんなにも虚無で苦痛でやりきれなさに満ちた地獄のような世界観の平日の辛さを分かち合いたい。そんな気持ちを家族にぶつけたくはない。家族は安心しきった安全地帯であってほしい。だからこそ、この辛さや、この寂しさは他に向けたくなる。それをゲームで……とは思ってはいなかった。だが、一緒に遊べる友達がいる。そういう事実がわたしの乾ききった心を優しく撫でた。はっきり言ってとても乾きが潤っていく感覚だ。別に仕事の悩みを打ちあけたわけではない。どうこうしたいわけでもない。ただ。「話したい」。とにかく話がしたい。そんなふうに思うことがわたしをものすごく癒してくれる。わたしは「寂しい」のか……? 温もりがほしいのか……?そうかもしれない。音楽でそれを感じることができる。しかし音楽を聴くタイミングが少ない。朝の通勤時だけだ。帰宅時はなかなか聞けていない。家に帰ったら家族の前では演じなくてはならない……。その事は苦痛ではない。いやむしろそうやって平和を演じられるわたしに満足するのだ。これでいい。この世界は平穏無事でいてほしい。その気持ちに嘘偽りはない。感謝もしている。だが、どうしてもこの「話したい」という気持ちはなくならないのはなんでだろう。

「寂しいの?」
そう言われてわたしはハッとした。
そうだ、わたしは「寂しい」のだ。
話を聞いて欲しい。慰めて欲しい。
話を聞いてくれるだけでいい。
そばに居てくれるだけでいい。
それ以上は求めない。そのつもりも、ない。
だけど話を聞いてくれないか。
わたしはあなたと、話がしたいのだ。

この気持ちを表す言葉はまだ、ない。

でも。
今日はいい日だ。
誕生日おめでとう、わたし。
私の中にまだわたしに認められないわたしが
眠っている。その声を聞く。
チャンスをください。

MUSICAでした...♪*゚

©SQUARE ENIX CO., LTD.All Rights Reserved

サポートいただけるかた、大募集です! 知りたいこと、ありませんか? わたしでよければ素敵なコトバを贈ります♪