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尼の人形の謎

※本当は考察をしたかったのだけれど、それができなくなってしまったため、ただただ謎を抜き出すのみになっております。

それでもよろしければお読みください。

なぜ考察ができなくなってしまったのか…。


雨穴さん

雨穴(うけつ)さんというYouTuberがいる。

私はその雨穴さんのチャンネルのファンなのだが、中でも今日紹介する『尼の人形』という動画が大好きなのだ。


(興味のある方は視聴してみてください)



歌詞をまずは載せてみる。


『尼の人形』歌詞

(一番)

私の遠い親戚の 家にあった古い茶箪笥に

顔のない尼の人形が 座っていた 笑っていた

なぜ笑ってると思ったか 

今となっては分からないけど

その親戚は今 なぜか家の前にいる

(転調)

お姫様は赤い指を舐めて

けらけらと笑い白目むいた

鳥も啼かぬ昼下がりの庭で

輪になり歌うたうたくさんの子供

(転調)

かわいい姫さん 何しとる

口をほうぽり 笑うとる

何がそんなに おかしいか

何がそんなに おかしいか


(二番)

カビくさい 一畳間で 

浅い眠りから 覚めていく

私は9歳の夏に 消えた妹を思い出してた

彼女は目元に小さな ホクロのある

かわいい女の子

思い出した 彼女がいなくなったのは

親戚の家だった

(転調)

お殿様はいつか案じられて

娘を寺に出すことにした

敷き布が赤く濡れる夜半に

すべての秘密が溢れ出す

(間奏) (この間意味ありげな写真が数枚挿入される)

頭の底に深く押し込めた

記憶が次第に色を帯びる

森に切り取られた歪な空

吐き気のするワゴン車のにおい

私の手に真っ赤な八重の花

一畳間はいつかあの日の午後

買ったばかりの靴で転がした

顔の目元に 小さなホクロ

(転調)

殿さん 毎日泣き腫らし

同じ言葉を喋っとる

何がそんなに悲しいか

何がそんなに悲しいか


謎1~二つの時間軸~

この歌が好きすぎて、リピートにして何回も何回も聞いていた。

歌詞を覚えるほどには聞いた。

この歌には二つの時間軸がある。

1、私と妹と親戚

2、姫さんと殿さんと子供たち

この二つの時間軸は交わってはいなさそうである。

この「姫さん」が「尼の人形」になったのか。

しかし二番の終わりで「私」は妹の顔を転がしている。

「顔」と表現されているが、おそらくは頭、頭部であろうと推測される。

「顔のない尼の人形」も、最初は本当に顔だけがない、のっぺりしたのっぺらぼうのようなものを想像していたが、おそらくは頭部のない、尼の装束を身に付けた首から下のみの人形なのだろう、と聴いていくうちに思うようになった。

そうするとこの尼の人形は、「妹」である可能性も出てくる。


謎2~お姫様の赤い指~

赤い指、と聞いてまず脳内に浮かんだのは、血に染まる指。

誰の血なのか。

お姫様自身の血なのか。

庭で歌を歌うたくさんの子供、とは何の意味があるのか。

お姫様が誰かを殺してしまったのかなあ…と私は想像したが、破瓜の出血、出産の出血…等々色々考えることはできる。

性的なものか、否か。


謎3~一畳間~

昔、私は建設会社に勤めていことがあったが、「一畳間」とはなかなか聞かない。

押し入れなどが結果的に一畳になるかもしれないけど、それなら「一畳間」ではなく「押し入れ」と書くのではないか。

後に出てくる「吐き気のするワゴン車のにおい」

ワゴン車の車内はちょうど一畳間くらいの広さではないか…?

「買ったばかりの靴で転がした」のは、ワゴン車の中から外へ、妹の頭部を蹴り飛ばしたのではないか。

家の前にいた親戚が、何らかの事情で「私」を連れ去り、ワゴン車に押し込めてどこかへ運んでいく…そんな映像が脳内に流れた。


謎4~殿様が案じるのは~

「殿さん」が「案じ」ているのは娘の身か、我が身か。

動画のコメント欄に「殿様が娘を性的虐待していて、娘が寺で子どもを産んだのでは」というような考察があり、当初私は

「それなら殿さんが姫さんを案じるはずがない」と思っていた。

しかし、殿さんが案じているのが誰なのか何なのかは、はっきりと明言はされていないのだ。

なるほど考察のような説もあるのかもしれない、と思うようになった。


謎5~敷き布が赤く濡れる夜半~

敷き布とは何か。今で言うシーツのことか。

シーツであるならば、暴行、出産なども考えられるかもしれない。

私は厚い布の上で姫さんの頭部が切断されるような様を想像した。

しかし、頭部を切断したことで「溢れ出す」「秘密」とはなんであろうか。


謎6~9歳の夏~

夏に妹がいなくなった時、9歳だったのは「妹」か、「私」か。

あまり大きな点ではないが、妙に気にかかる部分である。


謎7~真っ赤な八重の花~

「私」の手にあった「真っ赤な八重の花」とは何の花で、どんな意味があるのか。

椿ではないか、との考察があった。花言葉の意味も。


謎8~殿さんの言葉~

殿さんは「毎日 泣き腫らし」「同じ言葉を 繰り返」している。

殿様は何を繰り返しているのか。

謝罪なのか、否定なのか。

何をそんなに悲しんでいるのだろうか…。


私の結論

なんとなくでしかないのだが。

尼の人形は代々交換しているものではないか。

例えば当主が変わる度ごとに。

初代がお姫様。

妹は何代目かの「尼」。

なぜ新しく交換しなければならないのかは、おそらく何らかの呪い的なものか、儀式か、一族の慣習か。。

呪いや儀式だとしたら、「私」が妹の「顔」を転がしたのは何らかの意味があり、もちろん自分の意思ではなく無理矢理に、又はそれと知らぬうちに加担させられた可能性もある。


そう、毎日『尼の人形』をリピートしながらこの辺までぼんやりと考えていたところで、父が胆石で入院した。

呪いなんてものではないのは分かっているのだけど「もしかして呪い…?これ以上あまり深掘りしないほうがいいのかもしれない…」と考えると楽しいため、ここで私の思考はストップしている。

父は元気に退院してきているし、私も変わりないので、聞いただけで呪われるなんてことはまずないと言っていいと思う。不安になった方、安心してください。第一、こちらの動画は現在86万回も再生されてるので、現実的に考えて呪われるなんてことはない。あと本当に現実的に考えると多分雨穴さんの創作だと思うので(内緒てわすけどね)。


雨穴さんの動画からは『変な家』が書籍化されている。


『尼の人形』も書籍化されることを切に願って止まない。


(8/31 分かりにくい部分があったため少々加筆修正しました)

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