no.15/もの恵む人々【日向荘シリーズ】(日常覗き見癒し系短編小説)
※目安:約4200文字
「この豆、いつまで残ってんだよー」
「さあな」
「結構な量だったであるからな」
豆。今月の初めに、キツネくんがバイト先でもらってきた豆だ。時期的に福豆、いわゆる節分の豆まきに使われるような豆なんだけど。経緯はよくわからないけど複数の人からもらったらしい。以前大容量の洗濯機を譲ってもらった頃から、俺たちがアパートの住人同士という関係以上に交流があることがバイト先では知られている。だからなのか、キツネくんがお菓子や野菜のおすそ分け、旅行のお土産まで頂