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地球に優しい日本人の衣食住1

 小泉八雲著「明治日本の面影」の中に、八雲が勤める日本の学校の様子が書き記されている。八雲は明治の学校制の下、規律正しく勉学に励む学生たちや、指導する教員を高く評価して、次のように書いている。

「尋常中学校で授けられるこのようなすばらしい知育は、生活費や授業料の安さから想像されるのとは違って結局のところ、そう安価に獲得されるものではない。自然はもっと重い授業料の負担を課し、その取立てを厳しく行う---人命において取立てるのである。
 そうしたことの理由を解するには、明治の出雲の生徒が米の飯と豆腐の食事を取りながら習わねばならぬ近代科学の知識とは、本来、肉という金のかかる食事でもって強化された頭脳によって発見され、開発され、総合されたものだということを忘れてはならない。
(中略)
 ところが日本の生徒はこうしたこと(筆者注:西洋科学の勉強や英語の勉強)すべてを、イギリスのいかなる少年もそれではとても生きていけそうもないようなつましい食事を取りながら、学習せねばならないのだ。おそろしい厳寒の日々も教室では、灰を敷いた上に赤く熾った炭が数個いけてあるだけの火鉢一つを除けば、火気なしに貧相な綿の薄っぺらな服をまとっただけで勉強している。」(小泉八雲著「明治日本の面影」講談社学術文庫)

 これを思い出したのは、牛肉1キロの生産に必要な飼料用穀物の量についての記事を読んだからだ。様々な調査はあるが、おおよそ、牛肉1キロあたり10〜13キロの飼料用穀物を消費しているという。「飼料や他の利用に使用されている作物カロリーを人間直接消費にシフトさせると、養える人口を約40億人増やせる可能性があると計算される。」(西尾道徳の環境保全型農業レポート http://lib.ruralnet.or.jp/nisio/?p=2979)そうだ。
 
 完全に明治日本の衣食住に戻ることはできないが、自分の生活で取り入れられるものはないか、いつも考えている。
 肉を食べずにタンパク質を摂る方法はないだろうかと。それでゆで卵を食べている。大豆食品もよく食べる。卵と納豆と厚揚げ。それと居住している県で生産された野菜を選ぶようにしている。

 自分が生きていることで生じる環境負荷を減らしたい。
 プラスチックゴミを減らしたい、生活排水を減らしたいという気持ちは強くなる一方だ。
 
 

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