見出し画像

修羅場②(間空いてしまって申し訳ないです)

車の中ではほぼ会話もなく着いたのは彼女の家でした。
家の中に案内されると、ベッドで寝ている彼を見ました。

血が頭に上っていくのがわかりました。
手には彼女の家のスリッパ、彼の顔面めがけてぶん投げました。
コントロールが悪く、彼の頭の上の壁にスリッパ激突。
びっくりして目を覚ます彼、目の前に仁王立ちの私の口から出た一言
「何してんの?」

それからどんな話を家でしたかは覚えてないけど、
忘れられないのは新しいワンデーコンタクトを彼女が取って彼に渡したの姿にめちゃくちゃ腹立って
「自分で取れよ!」と切れたのだけ覚えてる。

それから、「彼女の子供たち帰ってきちゃうから違う場所で話そう」
と私だけ彼の家へと連れて帰られた。

今思うと私は本当にホストという仕事を理解していなかった。
何人もの客の家を日替わりで尋ねることや、一緒に過ごすことは当たり前だった。
想像はしてたけど、自分が当たり前にその中の一人とは思っていなかったんだよね。

あの日彼とどんな話ししたか正直忘れました。
でも彼の家にそのまま泊まった次の日、エースの彼女が乗り込んできて、
「あなたは彼と充分話ししたでしょ、2人で話ししたいから出て行って」そ家の外に出されました。
荷物とかあったのでその場から動けない、玄関の前で話しが終わるのを泣きながら大人しく待ってました。

彼は当時金銭的に余裕がなくなってきていたエースよりこれからどうとでもなる私を優先しました。(彼女とは付き合いも長いから後からなんとかなるというのもあったんだと)
その場では彼女に別れて欲しいと言いました。
その日から彼はお店から電車で3駅先の私の家に帰ってくるようになりました。

いつから結婚を意識し始めたのか、間違いなくこの修羅場があった時は考えてなかったんじゃないかな。

そんなこんな私と夫の初めての修羅場でした。
ここから彼がホストを辞めるまでは楽しいことも嬉しいことも山ほどあったけど、毎日が戦いでした。
結婚、初めての出産、人生の中でめでたい時期上位であろうこの新婚期の感情の振り幅。
今同じ状況だったら即離婚です。あの当時は初めての子育てでまだ乳児の息子を無職で育てることへの不安や何よりも意地だった。
私は彼の妻だという意地を4年間張り続けました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?