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短編小説

貴子は、今日も、登下校中にみんなと、「ボーリング」行こうよという誘いに断った。断り方は、「母親の病気」のためということだった。貴子は、中学一年生になるまで、「嘘」というものを深く考えたことがなかった。

 貴子は、幼い時から、親しい友達であっても、気を遣うというか、どうしても頭が反応してる感覚があり、疲れてしまう、それを感じ始めたのが、中学一年生だったのだ。誘いに断るような「嘘」はもちろんのこと、テストの点数が聞かれた時は、自尊心けら、点数を高めに設定して、80点が平均点くらいになってしまう。本当は、65点くらいなのに‥、
 
 「嘘」は歯止めが効かない、バイトを断る時は、貴子は、お母さんががんのため、今日のバイト休みますとコンビニの上司に伝えた。しかし、そのコンビニにお母さんが行ってしまった、それがバレて上司に怒られバイトを辞めた‥

 貴子に本心を聞いてみよう
貴子最近の悩み事は何?- 最近は、「虚言癖」について考えてしまう、どうしても嘘を言ってしまうの‥
嘘は、悪いことなのかい?- わからないわ、でも、ついてはいけないことだと思う 

 そうか‥じゃあ世界を変えよう!
嘘をつくあなたは、正直者になることによって見え方がどう変わるか


 ここで、貴子の嘘の想像は、力尽きた。貴子は、本当に嘘をつける自分に一種のナルシシズムを感じていた。貴子に俺は、生きづらさがある俺は、惹きつけられる。

 じゃあ、2人で世界を変えないかい?2人は思った。そんなふうに世界は変わっていくんだと。
虚構の世界を、作り続ける貴子、実は
生きづらさに溺れていたい「俺」は、同時にそのように思った。

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