アメリカと日本で同時期に起きた問題は、本質がまるで違うということ

クルド人が警官に拘束され、それが動画配信され、渋谷署前での抗議行動に発展した。

実際にデモを行なったのは200人程度だが、この抗議行動も含め、どのような背景があったのかを探っていきたい。

おりしも、アメリカではミネソタ州の警官が黒人を拘束し、数分間にわたって首を押さえつけた結果、死亡するという痛ましい事件が起き、それに抗議するデモが全米に波及した。各地で、暴動が起き、商店が破壊され、盗難が起きている。

日本で起きたことと、全米で起きていることの類似点を探りながら、その背景にあるものを見ていこう。


George Floydは、警官の職務質問の最中に抵抗したとして、警官に首を数分間にわたって押さえつけられ、息が出来ないと訴えたが聞き入れてもらえず、結果、死に至った。

その拘束の瞬間は動画撮影され、全米に配信されることになり、そこには黒人を押さえつける警官という人種を跨いだアメリカ社会の暗部とも言うべき構図が作られている。

これは近くの防犯カメラとドライブレコーダーの動画で、GeorgeFloyd が拘束され、警官に押さえつけられるまでが収められいるが、この動画内ではGeorgeFloyd氏がどのような抵抗をして、拘束されるに至ったかの詳細は分からない。

NBCニュースのアナウンスでも、何故、素直に警官の指示に従っていた彼がこのように押さえつけることになったのかは分からないと解説している。


特に、この事件を大々的に扱い、いまだに政権批判に繋げるネガティブキャンペーンを行っているのがCNNだ。元々、CNNは民主党よりのリベラリズムの立場で保守党政権の批判を繰り返してきた。それが顕著になったのがFOX TVと繰り返しバトルを行ったブッシュ政権時だ。

FOX TVは設立当初の中動路線を捨て、ブッシュ政権のイラク侵攻を支持した。それに反し、反戦を訴えブッシュ政権のイラク侵攻は間違っていると主張し、NewYorkTimesやWasingtonPostと共に、保守党を叩きに叩いた。

アメリカは自由と平等を両立している国だというのは、間違った認識で、自由を標榜する共和党と、平等を旗印にしている民主党が、交互に政権を握っているのがアメリカだ。共和党は小さな政府を主張し、経済活動や州法を優先して、自由主義経済が国家と国民を繁栄させると考えている。1940年代以降のアメリカの繁栄は正にこの考え方に基づいている。

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