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【中外日報記事】新しい「領解文」連続講座始まる

中外日報社の許可を得て2023年7月21日号の記事を掲載します。

オンライン全8回を予定 400人が受講

 浄土真宗本願寺派で発布された新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)に関する情報を発信する「フェイスブック」上のグループの「新しい領解文を考える会」は14日から、全8回のオンライン連続講座を開始した。勧学・司教らを講師に迎え、新しい「領解文」の問題点を共有して浄土真宗の教えを学ぶことを目的としており、約400人が受講している。
 14日は井上見淳司教を講師に「領解文とは何か?」をテーマに開かれた。井上司教は、門信徒らが自身の信心を述べて宗主がそれを裁断する改悔批判が始まりで、人々が模範的な述べ方を求めて改悔文(領解文)が生まれ、様々な改悔文がある中で1787年に現在も用いている領解文に統一されたと説明した。
 江戸時代に勃発した異安心論争の「三業惑乱」に触れ、新しい「領解文」を巡る問題について「聖教にのっとって学ぶから聖人一流の御勧化が守られているのであって、聖教でない新しい『領解文』ではそれができない。浄土真宗の教えの『そのままの救い』は論理の立て方を大切にしなければ曇ってしまう。今の時代の僧侶が、どう次の世代に伝えていく責任を果たしていくのかが問われている」と話した。
 受講生から「従来の領解文の次第相承の善知識とは誰を指しているのか」「日常勤行聖典にある従来の領解文が新しい『領解文』に置き換わることはあるのか」「勧学・司教有志の会が求めている消息の取り下げや撤回は、現実的に可能なのか」など多くの質問があった。
 それに対し井上司教は、次第相承の善知識は取り次いでもらった師などを含めておのおのが受けとめるのは間違いではないこと、かつて「浄土真宗の救いのよろこび」が突然削除されたように日常勤行聖典での置き換わりの可能性はあり、一人一人が声を上げたり教区を代表する宗会議員に伝えたりしていく必要があることなどを伝えた。消息の取り下げや撤回については「その道筋は総局が考えるべきだ」と語った。
 次回は8月2日に武田一真司教を講師に迎え、安心についての講義を開く。日程や内容、申込みの詳細は新しい領解文を考える会のフェイスブックページで確認を。

(渡部梨里)


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