見出し画像

総局は唱和しているのか

各教区の学習会において様々な質問が飛び交った中、推進している総局自体は、自分のお寺で唱和を実践されているのかを問われる質問がいくつもありました。先頭にたって推進していく立場の人の行動は、勧められる側にとっても本気度をはかる目安となるため注目されました。

結論から言うと、学習会に参加した総局側5名のうち、自坊で唱和しているのは荻野昭裕議員(和歌山教区)ひとりでした。2023年8月30日北豊教区のおりに、「晨朝で唱和している」と答えられ、12月12日石川教区においても、唱和していると答えています。その前向きな姿勢が評価されたのかどうかはわかりませんが、後に荻野昭裕議員は総長に就任しました。つまり現在の総長は、唱和推進にとても積極的な方です。総長就任直後の中外日報に掲載された言葉がその立ち位置をよくあらわしています。

まずは新しい『領解文』の混乱を鎮め正常化し、ご消息の重みを知らせていく。冷静に話し合えれば分かり合えると思っている。勧学寮も動きだしており、総局も共動して対応していく。

中外日報より

この質問は7教区で問われ、全教区に参加していた満井秀城勧学と中井部長は同じ質問を7回受け、いずれも唱和していない状況があきらかになりました。唱和していない理由として、従来の領解文を出言する習慣がないためと答えていますが、「新しい領解文」はご縁のなかった若者を対象とし、むしろ従来の領解文に馴染みがない人ほど対象者となるため、唱和しない理由にはなりません。仮に、従来の領解文を出言していないお寺は「新しい領解文」を唱和する必要がないとなれば、全国の半数以上のお寺は対象外となります。なお、満井秀城勧学は、総合研究所所長という立場で学習会に参加されていましたが、現在は所長を退き勧学寮員となられました。宗意安心において勧学寮は特に重要な機関となりますので、今後は今まで以上に満井秀城勧学の発言と行動は重要な意味を持ちます。

三好慶祐議員(福岡教区)は、2023年10月3日鹿児島教区において質問を受け、「唱和していないが、いずれ学習会を自坊で行いたい」と答えました。同月24日奈良教区では「まだ唱和できていない」と答え、今後行う意向をあらわしています。その後の進展はあるのでしょうか。

公文名正真議員(高岡教区)は、推進派の中では数少ない自教区で僧侶を対象に学習会(2023年5月23日)を開いています。2023年10月10日山口教区において質問を受け、唱和していないが、解説は3回ほど行ったと答えました。その後、2024年1月24日山陰教区では、「努力している」と答えています。努力が唱和を実践していることをあらわしているのか定かではありません。

昨年8月30日の北豊教区学習会から1年が経ちました。間もなく総局より学習会の総括が公開される予定ですが、この学習会によって、ご自分たちは学びが深まったのでしょうか。また、学習会という最前線に立たされた方以外の日谷照應総務(石川教区)、弘中貴之総務(山口教区)、加藤尚史副総務(熊本教区)、大河内隆之副総務(宮崎教区)は、自坊で唱和されているのでしょうか。学習会でも執拗な質問だと受け取った方もおられるようですが、今後「新しい領解文」がどのように扱われるのかは総局にかかっていますので、おひとりおひとりの発言と行動は注目されるべきことだと思いここに記しました。

「新しい領解文」の対象はご縁のない若者としていますが、現在までの推進策は、宗門校や宗務機関の唱和、改悔批判、得度の暗唱など、ほぼすべて内部に向けた活動です。それは拒否できない立場の人たちに向けたもので、推奨という名の強制をしていることに強く憤りを感じます。本気でご縁のない若者を対象としているのなら、推進する方向が違います。「新しい領解文」は誰のために、何を目的にした言葉なのでしょうか。

いただいた浄財は、「新しい領解文を考える会」の運営費に活用させていただきます。