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宗会

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宗会関連の記事をまとめます。
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記事一覧

宗会報告「常没流転」/西光義秀議員

はじめに  本年二月十九日の奈良教区選挙会において、宗会議員に選出されました宇陀北組萬行寺住職の西光義秀です。昨年末に突然ご逝去された玉井利尚宗会議員の後任として、多くの皆さまに推され、まったく予期しない出来事に戸惑うなかで宗会に出させていただくことになりました。  その後、第三百二十三回定期宗会が二月二十八日より三月八日までの十日間にわたり開催されました。まったく勝手のわからぬまま宗会に臨むこととなりましたが、多くの先輩議員や職員の皆さまのご指導を仰ぎながら、最初の宗会

定期宗会報告/渡邊幸司議員

渡邉幸司通告質問新しい「領解文」について  新しい「領解文」が発布されて後、わが宗門は大変な混乱に陥りました。それは、これまで私たちが大切にしてきた他力のお救いが、覆い隠されるのではないかという不安からおこったものでした。これまではご消息が発布されたら、解説書の発行や学習会を開催するという手続きではなくて、各教区において布教使がそのお心をお話しするという場が持たれていたと記憶しております。なぜこの度はそのような流れを経ずに、今までとは違う、「解説」と「学習会開催」という方

定期宗会報告/竹中了哲議員

第323回定期宗会報告/竹中了哲議員(富山教区) 池田行信総長(70)が突如、辞任しました。表向きの理由は、予算、宗務の基本方針が可決、承認されてその職責を果たしたというものですが、実際には、新しい「領解文」を巡る宗門の混乱が原因です。池田総局は、各教区での新しい「領解文」の学習会を強行開催し、新しい「領解文」に対する不信、不満をさらに拡大させました。また、新しい「領解文」に反対し、その取り下げを要求している勧学・司教有志の会の代表である深川宣暢勧学ら勧学2人を監正局に申告

本願寺派の総長選挙

323回定期宗会における総長選挙は異例の白票数でした。現在の総長選挙は昭和27年の「総長選挙規程」の変更により、門主の総長候補者指名を受けて行われます。以来70数年の間で、白票34票は過去最多でした。次いで過去に白票が多かったのは平成18年の白票12票です。また、27票での当選も過去に類がなく、これまでに2名の候補者で行われた総長選の平均得票数が56.7票であることからみても、明らかに支持の低い結果と言わざる得ません。 今回の総長選挙で白票が増えた原因は、総長候補者が前総局

池田総長辞意表明 総長選挙 新総長就任

池田総長辞意表明、総長選挙へ 2月28日から3月8日を会期として招集されていた323回定期宗会。通告質問では既報の通り「新しい領解文」関連の質問が多く審議が幾度となくストップするという異例の今宗会でした。 通告質問の総長答弁により審議がストップし再開後の答弁で「覚悟を持って解決に取り組む」としたことで、その「覚悟」の内容に憶測が流れていました。 通告質問が予定より長引いた影響か予算関連の審議をする審査会は1日半という、これまた異例のスピードで行われ、昨日(3月7日)午後4時

新しい領解文に関する相馬一意勧学寮員の回答

安芸教区宗会議員の渡邉幸司議員より、相馬一意勧学寮員へ以下3点の質問状に対して、相馬勧学寮員の回答を両者の了解を得て公開します。尚、相馬一意勧学寮員は、「新しい領解文」に寮員のひとりとして同意したことの責任を感じ、2月28日、勧学寮辞表を提出しました。 1.「新しい領解文」を勧学寮が認めた理由 a. 宗学上の問題三点だけに絞って、承認できない旨を答える段階になって、徳永前寮頭と葛谷室長の会見があり、前寮頭の一存で「承認するのもやむを得ない」と、認めてしまったためである。

第323回定期宗会、総長執務方針演説

2024年2月28日午後1時より、第323回定期宗会が始まりました。開会式は昨年と同様にネット中継も行われ、おつとめの後にご門主と議長挨拶がありました。ご門主と議長挨拶は先に公開していますのでこちらをご一読ください。 議会でははじめに、新しく宗会議員に就任された奈良教区の西光義秀氏、福岡教区の門徒議員、太田喜之氏の議席が報告されました。西光義秀氏は顕心会の所属になりました。その後の議事は、総長執務方針演説、決算報告、監査報告、本願寺執行長報告、財務方針演説と続きました。ここ

第323回定期宗会、ご門主、議長挨拶

ご門主お言葉 皆様には、第323回定期宗会の招集にあたり、ようこそご参集くださいました。まず初めに、本年1月1日に発生した令和6年能登半島地震において犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。被災地では多くの方が困難な生活を余儀なくされ、先の見通しの立たない不安な日々を送られています。被災者お一人お一人に寄り添ったきめ細やかな支援活動が継続して行われることで、1日も早く生活を再建され、平穏な日常に戻られますことを願って

定期宗会の傍聴について

2月28日より第323回目の定期宗会が行われます。この1年は「宗務の基本方針」で議決された、新しい「領解文」の唱和推進策により宗門に大きな混乱が起こりました。その「宗務の基本方針」と予算を議決する機関が、各教区の代表者、宗会議員によって行われる「定期宗会」です。今年1年の状況を受けて、議員方の議論と総局の答弁などを通して今年度の総括がどのようになされ、次年度の宗務の基本方針がどのようになるかに注目が集まっています。2月1日に行われた企画諮問会議では、総局は唱和の推進方法を見直

【宗会ニュース】会派改編により真っ二つに分かれる

宗会議員の会派に動きがありました。 「誓真会」から数名脱会し、新しい会派「一信会」が発足されました。それに伴い、「誓真会」は規定人数を下回り一時解散扱いになっていましたが、八五倶楽部の山階照雄議員(北海道教区)と高屋顕裕議員(福井教区)、無所属の神戸修議員(大阪教区)が入会し、存続する流れになりました。「誓真会」は前総局2名と元八五倶楽部が中心のメンバー構成となります。尚、総長は任期中会派に属さないという立ち位置となり、議長は公平な議事進行の担保として任期中会派からは離れます

宗会活動報告(宗会報告及び宗務活動報告)第四〇号/玉井利尚議員

第三二一回定期宗会(令和五年二月二十二~三月三日) 第三二二回臨時宗会(令和五年五月三十~三十一日) 奈良教区宗会議員 玉井利尚 宗会までの動き  いよいよ法要が迫ってきた時に行われた定期宗会です。法要庶務本部長として常勤になり、「新しい領解文」と親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要をどうするかが問われていると思っていました。  石上体制で発表された「新しい領解文」(以下「新領解文」と表現します)にはいくつもの問題点があります。これは「勧学・司教有志の会」(

次年度に向けて(2023年度 宗務の基本方針・唱和推進の具体策に関する評価)

お詫び この1年、浄土真宗本願寺派に関わる方々に不安や不信を募らせることになり、誠に申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げます。今、改めてこの1年を振り返る時、宗派には自らの過ちに気付いて欲しいと願うと同時に、それは自分自身の問題でもあることを気付かされました。 今回の騒動はさまざまな要因が考えられますが、そのひとつには、我々僧侶が宗派の動きにあまり注目してこなかったことがあげられます。それによって組織の閉鎖性が強まり、中で何をやっても歯止めのきかない状況が生まれてい

総局、宗会の申し入れを退ける

8月28日に宗会議員各会派の会長・幹事長会で、「新しい領解文」による宗門での混乱の広がりを受け、宗会から総局に唱和推進策の取り下げを申し入れるというニュースが中外日報で報じられました。 各会派の会長と幹事長はこちらです。 その後、9月12日、園城議長・三輪宗会事務局長より、池田総長・葛谷統合企画室室長へ申し入れが行われました。それに対して池田総長は以下の理由をあげた上で唱和推進を続行する方向を示しました。 ・唱和推進はご消息の中で門主が語っている ・宗会で可決した ・ご

揺れ動く議員会派

浄土真宗本願寺派では、宗派の宗務に関する評議や議決を行う機関「宗会」において、僧侶議員47名、門徒議員31名の宗会議員が議会を執り行っています。これは、国会よりも前に成立している日本初の議会制度と言われています。 僧侶議員には会派があり、現在は以下4会派に別れています。会派のことは本願寺派の僧侶でも、よほど内部の人でない限りは知られていません。 ・八五倶楽部 ・顕心会 ・誓真会 ・大心会 (門徒議員は1会派) 会派の新領解文に対する見解は、前総長会派「八五倶楽部」と現総