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どうして生じた?領解文問題

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改めて領解文問題を考えます。 宗門に長年携わっている松月博宣さんの連載です。
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#勧学寮

石上総長の申し入れに対する浅田寮頭の回答書

「宗報」10月号に 「新しい領解文」にかかる対応について(お願い)への回答について との表題で「宗報」6月号において、5月10日付で当時の石上総長が浅田勧学寮頭に対して行った「有志の会への指導」をするようにとの申し入れに対する浅田寮頭からの回答書を全文掲載しています。 回答書の日付を見ますと6月21日となっており、何故今なのか?と総局の対応に疑問を持つものですが、浅田寮頭回答書を読んで驚いた事が2つ。 ひとつ目は、「その1」の中で 図らずも「勧学寮頭として有志の会の声明

どうして生じた?領解文問題 vol.15

松月博宣ノート 例証編⑰悲痛な声 今回の領解文問題は、その制定の経緯に疑義があるという点と、その内容に多くの真宗門徒の理解が得られないという点があります。ご門徒に読んでもらうことで理解してもらおうと「解説文」を、消息同意の条件として勧学寮が出されたものを読んでも、ますます分からなくなるという奇妙なループに陥ります。 制定の経緯については、「手続きに瑕疵はない」という木で鼻を括ったような説明で終始しています。「こうこう、このように制定したのだから瑕疵はない。これについては

どうして生じた?領解文問題 vol.3

松月博宣ノート 補遺(1)進退伺い ご消息発布までの経緯を私なりに記してきました。 こうした事を公にすることに正直、少し躊躇いがありましたが、この度のことが単なる噂話として広がると事が余計ややこしくなってしまう。ここら辺りで正確な情報を知ってくださった上で、この度の混乱の問題点を一緒に考えてくださればと「新しい領解文を考える会」福岡・北豊LINEグループ上(現在288人参加)に投稿をし続けています。 徳永一道勧学寮頭は本願寺新報2月1日号紙面に「解説文」の掲載を確認され

どうして生じた?領解文問題 vol.2

松月博宣ノート ⑥現代版「領解文」制定方法検討委員会 さて勧学寮がご消息に同意した経緯に話を戻しましょう。 ここで少し、その前段階をお話しした方がわかりやすくなると思います。現代版「領解文」制定方法検討委員会なる訳のわからない委員会(注/寮頭発言)が設置されたのは2022年4月1日付け宗則によってです。これは2022年3月25日、宗派の議決機関である常務委員会で法規事案「現代版『領解文』制定方法検討委員会設置規程宗則案」として提案され、その提案理由として「第1期計画当初か

どうして生じた?領解文問題 vol.1

松月博宣ノート ①宗門法規 この度のご消息発布に疑義があるという意見が多数あります。それはどこがどうして疑義を生んだのか?ということを整理しておく必要があります。それにはまず、私たちの浄土真宗本願寺派は何によって運営されているのか?から知っておく必要があると思うのです。 それは「宗門法規」に全ての根拠を置いて運営されています。これに沿わないものは認められない形になっています。根本は「宗制」です。これは国で言えば「憲法」のようなものです。そこには本尊・聖教・教義・歴史・宗