認知症世界の歩き方 筧裕介/ライツ社
認知症といえば物忘れがひどくなって人のことを覚えてられない、身内の顔も分からなくなってしまう、ご飯を食べたかも分からなくなってしまう、自分の家が分からなくなってしまう…
認知症になってしまったらどうしたらいいんだろう、身内が認知症になったらどう接したらいいんだろう。
認知症に対しては漠然とした不安を持っていたが、認知症世界の歩き方を読んで、まず認知症はみんなが一様の症状になるわけではないということを知った。
認知機能が働きにくくなっている状態で本人にはそう認知されているだけで、悪気があるわけでも間違っているわけでもない。
そのことを知っておくだけで対応は変わるんだろうなと思う。
認知症になる前に自分が知っておくだけでなく、家族や繋がりのある人とこの本を共有しておくだけで世界の見え方はきっと変わるんだろうなと思う。
認知症になる、ならないとは関係なく日常的に自分が出来ないことを理解し、出来ないから助けて欲しいと言い合える関係を作ることがとても大切だと感じた。
家族だから言わなくても伝わるなんてことは絶対にない。
自分が今どんな認知をしてるのか、どんな感じ方をしてるのか、何が得意で何が苦手かを早い段階から話すことがとても大切だと考えさせられた。
認知症の人が生きやすい社会にしようとするために認知症ではない人目線でいろんなことをやったり考えてもズレが生じるし、やってあげるとやってもらうの関係になる。
そうではなく、社会のデザイン自体を見直していく。
経験していない立場の目線に立つことは本当に難しい。想像だけでは補えないことがある。
認知症世界の歩き方は想像だけでは補えない部分をサポートしてくれる。
認知症の方の目線に立つための、優しさをサポートしてくれる本だと思う。
多くの人に読んでほしいなと思う。
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