『響け!ユーフォニアム』の思い出
比較的最近のアニメだが、リアルタイムで見ていたわけではない。
放送時、僕は大学生でアニメからは離れていた。
何をしていたかというと、スロット、競馬、麻雀。
まあ、世の大学生が覚えそうなことに、例にもれずハマっていたわけ。
だから、この時期のアニメ事情にはかなり弱い。
そんな僕がなぜこのアニメを観ることとなったのか。
ありがちな話だが、友人の勧めである。
小学校からの付き合いで上に挙げたギャンブルをずっと一緒にやってきた奴。
そいつが不幸にも(?)大学4年頃からアニメにハマってしまった。
この「響けユーフォニアム」はアニメにハマりだしてすぐに観たようで、観た後しきりに勧められたわけだ。
そもそもアニメへの興味は薄れていたし、最近アニメにハマった奴の勧めなんて…と正直斜に構えていた。
アニメにハマった当初は何見ても面白く感じる。
僕にもそういう時期があったし、彼のもそれだろうと…
しかも勧められた時期は就職活動真っただ中で、暇さえあればスロットを打ち、週末は競馬の予想で忙しい。バイトだってしなくちゃいけない。
だからその勧めを無視してた。
重い腰があがったのは終活も終わり、卒論も終わりが見えた頃。
最初に勧められてから半年くらい経っていたわけだが、時間もあるしふと思い出して観てみたわけだ。
友人には特に観るよとは言わずに。
つまんなかったらすぐ切って観てないことにしよ…と。
忘れもしない1期8話「おまつりトライアングル」
久美子と麗奈が大吉山に登るお話。
これを観た直後、深夜だったがその友人に電話した。
友「なんだよこんな時間に」
僕「お前に伝えたいことがある」
友「なんだよ」
僕「やばいんだよ」
友「だからなんだよ。殺すぞ」
僕「大吉山」
友「・・・は?」
僕「登るの」
友「・・・・・お前まさか」
僕「高坂麗奈バカかわいいんだけど」
友「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
見事にハマってしまった。
正直、京アニの美麗な作画と雰囲気だけで名作風に仕立て上げるアニメだと思っていた。
何も京アニをバカにしてるわけじゃない。
「AIR」「kanon」「CLANNAD」はアニメ史に燦然と輝く大傑作だと思ってるし「涼宮ハルヒの憂鬱」だって僕も大好きなアニメだ。
ただ、「けいおん」にいまいちハマれず、それ以降も特に好きな作品はなかった。
けど世間では京アニ作品ってだけで持ち上げられる風潮があったように思う。
そんなだからなんとなく自分の中で期待値も高くなかった。
と思ったらこれである。
アニメを観て久々に胸が締め付けられるような思いになった。
ちゃんと背筋伸ばして観よう。
そういや監督は誰だ…?
「石原立也」
なんだ。
そういうことか。
彼が監督してたのか。
上で挙げた「AIR」「kanon」「CLANNAD」「涼宮ハルヒの憂鬱」すべて彼の監督作品だ。
俄然、僕はのめり込むように見入った。
友人に深夜のイタ電をした次の日には、2期も見終わった。
結論として、僕の記憶に一生残るであろう名作としてその名が刻まれた。
じゃあなぜここまで胸打たれたのか。
たぶんこれが「けいおん」のような軽いノリで仲睦まじく、部活に励むアニメだったらここまでハマっていなかった。
けど、めちゃっくちゃ泥臭くスポコンしてるから。
人間の厭なところも隠さず描いているから。
なにより久美子のメンタル面での成長に否応なしに共感させられ、胸が熱くなったから。
人の生き死にで、愛のかたちで泣かせる作品は数多くあれど、「気持ち」を慮って泣かせるアニメはあまりないように思う。
この「気持ち」という部分でいえば1期12話「わたしのユーフォニアム」のシーンが出色。
中学の時、結果を残せず泣いてる人を見て「なぜ泣いてるんだろう」と思っていた久美子が、泣きながら「上手くなりたい上手くなりたい上手くなりたい」と走るシーン。
僕がサッカー小僧だったころ、先輩の代が負けて悔し涙をしてる人を見て、久美子のようになぜ泣けるんだろうと思った。
僕はきっと泣かないだろうな、って。
でも自分の代のとき、上手くなろうってめちゃくちゃ練習した。
そして負けた時、自分でも驚くほど泣いた。
そんな自分に重ねてしまって。
久美子の気持ちの変化が痛いほど理解できたから。
だからこのシーンは僕の中で、ユーフォニアム史上一番の名シーン。
あと、2期10話「ほうかごオブリガート」
久美子があすか先輩を断罪するシーン。
ここの久美子役の黒沢ともよ演技は鳥肌ものだった。
他にも記憶に残るシーンがたくさんあった。
なにやら3期も決定しているらしい。
京アニがあんな状態だから気長に待とう。
本当に勧めてくれた友人に感謝である。
ちなみにこの友人とは「リズの青い鳥」「劇場版 響けユーフォニアム~誓いのフィナーレ」ももちろん一緒に観に行った。
他にも「コードギアス 復活のルルーシュ」や「シン・エヴァンゲリオン劇場版」も観に行ってる。
もうすっかりオタク仲間だ。
最近は”空鍋”こと「SHUFFLE」を観たそうだ。
彼はいったい何処に向かおうとしているのだろうか・・・
前途有望である。
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